人気クルマ漫画「頭文字D」を知っていますか?実家の配達の手伝いで、中学生からAE86を駆って峠を走っていた主人公が、徐々に走りに、クルマに目覚め、数々の走り屋たちとバトルを繰り広げる名作です。作品の人気の高さから、登場したクルマが軒並み高騰!!今回はそんな頭文字Dの序盤に出てきた代表的な車両と、その中古相場をご紹介します。

掲載日:2019/09/13

Photo by orion

頭文字Dとは

https://www.instagram.com/p/B0NaIspHVKY/?hl=ja

「イニD」の愛称で親しまれ、累計4800万部発行されたモンスターヒット作品、頭文字D。

これは、日本の漫画の全巻発行部数ランキングでも、37位の大ヒット作です。

クルマに限定すると頭文字Dに次ぐのは1700万部を発行し、117位の湾岸ミッドナイトなので、その人気にも大きな開きがあると言って良いでしょう。

現代のクルマ好きは、頭文字Dが入り口だった人も多く、「いつかは登場した車両に乗りたい!」と考えている方もちらほら。

では、劇中の車両たちはいったいいくらで買えるのでしょうか?

車両の紹介とともに、調べていきましょう。

トヨタ スプリンタートレノ(AE86)

中古相場価格:150万円~200万円

まず最初に紹介したいのは、主人公である藤原拓海が乗る、AE86型スプリンタートレノです。

900kg台の軽量な車体に、130馬力を発生する直列4気筒エンジンの名機4A-GEUを搭載。

FRレイアウトということも相まって、現実世界でも多くのドライバーを育ててきた名車です。

発売は1983年で、実に36年前のクルマなのですが、現在の中古相場はなんと150万〜200万円!

走行距離の短い極上車であれば、400万円を超えるというプレミア価格がついています。

発売当時の新車価格は132万円(グレードGT)。

80年代当時は10万~30万円で買えたとも言われるAE86の中古相場は、頭文字Dの人気が高くなるにつれて高騰していきました。

カスタム・チューニングされた車両も多いため、現存する車両が減っていくことを考えると、今のうちに買っておかないと相場価格はもっと高騰してしまうかもしれません。

マツダ RX-7(FD3S)

Photo by mstk east

中古相場価格:200万円~300万円

1991年に発売され、28年が経った今もカスタム・チューニングの世界ではまだまだ第一線級の性能を持つ、3代目マツダRX-7(FD3S)。

13Bという2ローターエンジンにツインスクロールターボを装着し、発売初期の1型では255馬力を発生。

熟成が進んだ後期の5型では、280馬力を発生しています。

ロータリーエンジン搭載車としては、最強スペックの車両であり、JGTCやスーパーGT、D1などのモータースポーツでもベース車両として使用されました。

漫画では、赤城レッドサンズの高橋啓介が黄色のFDに乗っており、序盤こそノーマル然としたルックスですが、物語の進行と合わせてマシンのチューニングも進行していきます。

AE86同様、こちらも人気の衰えない車両であり、現在の中古相場は200万~300万円程度の車両が最も多いようです。

また、低走行の極上車に関しては価格が表示されず「応相談」となっていることも多く、600万~800万程度で取引されているそう。

このクルマは走りを楽しむ人が多いので、カスタム・チューニング済みの車両が多いのも魅力のひとつです。

マツダ RX-7(FC3S)

Photo by Grant.C

中古相場価格:100万円~150万円

1985年に発売された、二代目サバンナRX-7(FC3S)。

頭文字Dでは、FDと同じ赤城レッドサンズの高橋涼介がドライビングしています。

前述のFD3S型と同じ13Bエンジンを搭載し、シングルターボで205馬力(※)を発生。※前期型は185馬力。後期型が205馬力。

発売から30年以上が経過した現在も根強い人気を誇り、カスタム・チューニングの素材として使用されることも多いモデルです。

また、極上コンディションの車両に関しては、350万円前後で売買されていることもあるようですが、状態の良い車両も100万円程度から購入できるため、比較的手が届きやすい価格帯なのも嬉しいポイント。

しかし、漫画で使用されていた白の後期型は、200万オーバーと高額になりがちなので注意が必要です。

日産 スカイラインGT-R(BNR32)

中古相場価格:350万円~400万円

1989年に発売されて以来、数々のモータースポーツで無敵を誇り、現在もカスタム・チューニングのベースとして最前線で使用されているR32型スカイラインGT-R。

名機RB26DETTエンジンを搭載し、280馬力を発生するこのクルマは、ちょっとした吸排気チューンのみで300馬力オーバーを発生。

本気でチューニングすれば、600馬力オーバーも狙えてしまうほど潜在スペックは高めです。

また、アテーサE-TSという画期的な電子制御トルクスプリット四輪駆動システムを搭載。

これは、ベースの駆動方式はFRですが、クルマの状態に合わせて前輪も駆動させていついかなる状況でもロスなく路面をとらえ、クルマを速く安定して走らせるための機構であり、以降のGT-Rおよびスカイラインにも搭載されています。

漫画では、妙義ナイトキッズの中里毅が所有。

現在の相場価格は350万~400万円と少々高めですが、前述のとおりチューニングの素材となっていることが多いため、状態の見極めには注意が必要です。

なお、走行距離が5万キロを割るノーマルの極上車は、1000万円オーバーで取り引きされる個体も存在します。

日産 シルエイティ

中古相場価格:80万円~120万円

日産のFRスポーツである180SX(ワンエイティ)に、S13シルビアの顔面を移植した車両、それがシルエイティです。

S13シルビアは1988年、180SXは1989年に登場した車で、どちらも直列4気筒のSR20エンジンを搭載し、200馬力前後を発生します。

このエンジンは非常に頑丈かつパーツが豊富なため、大パワーを発生する必要があるドリフトやタイムアタックの世界では非常に重宝される存在。

元々は東京都内のショップが、デモカーとして姉妹車であったS13シルビアのフロントマスクと180SXを組み合わせることを思いついたところから生まれた車両です。

しかし、1998年にとあるチューニングショップが日産のディーラーに製作を委託し、新車販売が決定。

クルマ好きが作った車両が、実際にメーカーにも認められたという稀有な例が、このモデルによって生まれました。

原作では、碓氷峠を走る佐藤真子がオーナーで、現在は100万円前後で販売されていることが多いのですが、その生まれや素性から、ほぼほぼチューニングされたマシンのみが中古車として取り扱われているので、購入時は注意が必要です。

三菱 ランサーエボリューション3

https://www.instagram.com/p/BLvxZSfA-cY/

中古相場価格:200万円前後

1995年に発売されたランサーエボリューション3は、4G63という直列4気筒シングルターボエンジンを搭載し、270馬力を発生します。

この当時、WRCに本格参戦していた三菱は、毎年新型のランサーエボリューションを発表。

1992年に発売されたエボ1から数えて3台目となるのが、このランエボ3です。

漫画では、日光のいろは坂をホームコースとするエンペラーの須藤京一がドライブしており、ラリーなどで使用されるミスファイアリングシステムを搭載。

これは、排気ガスを利用してタービンを回すターボチャージャー搭載車で効率よく走るために必要なシステム。

排気ガスを利用してタービンを回すターボ車は、ブレーキングなどでアクセルをオフとした際に、排気ガスの量が減り、タービンの回転が一時的に遅くなることで、次のアクセルオン時に臨まれているだけの空気をシリンダーに送り込むことができません。

これをターボラグと言います。

そのラグを解消するために、タービン直前のエキゾーストマニホールドで未燃焼ガスを爆発させ、一時的に排気ガスが吐出されるエネルギーを補う仕組みになります。

なお、ランサーエボリューション3の相場価格は200万円前後で、そもそも中古車として取り扱われている数が少ないため、状態の良い車を見つけたら、早めにチェックしておいた方が良さそうです。

まとめ

今回は、頭文字Dに登場する車両の一部を、中古相場価格とともに紹介しました。

どの車両も20年以上前に登場した車種にも関わらず、中古相場では100万円を上回るものがほとんど。

これは、頭文字D人気が後押ししたものでもあり、現在もスポーツ走行やチューニングを楽しむ人にとっては、ベース車両が少ないということにもつながるかもしれません。

しかし、AE86のように車両価格が大きく高騰することを考えると、もし次の人気クルマ漫画の連載が始まったら、主人公がドライブする車両を早めにおさえておくと、プレミアムな一台に進化するかもしれません。

Motorzではメールきを配信しています。

編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?

配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!