ライダーならば、必須アイテムの『ヘルメット』。肌身離さない”相棒”だからこそ、新しいヘルメットを購入する際にはこだわりたいですよね。ネットやお店には、憧れのライダーやドライバーのレプリカなど、カッコイイモデルがいっぱい。でもでも、カッコイイモデルを買ったけど、かぶってると頭が痛くなってしまって耐えられない・・・という事も。そんなヘルメットのサイズ、あなたは何を基準に選んでますか?

掲載日:2018/06/09

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ヘルメットのサイズ選び

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バイクで公道を走る時はもちろん、クルマでもサーキット走行やモータースポーツを楽しむときに必要となってくる安全装備、ヘルメット。

現在では好みや用途に応じて、フルフェイス、システム、ジェットなど形状も様々ラインナップされています。

そんなヘルメットのサイズ表記はメーカーによっても色々で、XS・S・M・L・XLと表記されているものもあれば、(54)(55-56)(57-58)(59-60)(61-62)など、頭周りのサイズ表記である事も。

メーカー、デザイン、形状など多くの選択肢から、まずは購入するモデルを決定。

そして、なんとなく頭の一番大きなハチ周りを計測して、それにあったサイズを選んで試着する。

ネットで買う場合は試着はせずに、今までかぶっていたモデルとだいたい同じという理由でサイズを選ぶかもしれません。

これが、一般的なヘルメット購入時の流れだと思います。

もちろん私もそうやってヘルメットを購入し、ツーリングやサーキット走行を楽しんでいるのですが、なんとなくでも頭の周りを計測してサイズを決めたはずなのに、長時間かぶっていると頭痛が止まらない。そんな経験はありませんか?

頭痛がしても、「頭の形が一般的じゃないからしょうがない。」そう思って、無理してかぶっている方もいると思います。

しかし、実はヘルメットは既成のサイズから、自分の頭の形に合わせて調整できるのです。

そんなヘルメットのサイズ調整を、MotoGP™ライダーも使用するヘルメットメーカー『SHOEI』にご協力頂き、体験してきました。

SHOEIのPersonal Fitting Systemフィッティングサービス

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バイク用品店のヘルメットコーナーなどで、時々見かける『ヘルメットサイズ測定&フィッティングアドバイス』の広告。

見かける事はあっても、ヘルメットを購入する時に測ってもらった!という人は少ないのではないでしょうか?

今回は、こちらのサービスを体験させて頂く事に。

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まず登場したのは、頭のサイズを計測する為に特別に作られた、こちらの計測器。

この器具で頭の前後、左右の幅を測ります。

それに加えて、メジャーで頭周りも計測。

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そして、計測結果をサイズ診断システムに入力すると、推奨サイズや調整のアドバイスが算出されるそう。

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例えば私の場合だと、推奨サイズはMかS。

Mを選ぶと前後がかなり緩めで、Sを選ぶと左右がきつめで前後がやや緩めという診断。

Mを選択した場合、どのぐらいゆるいのかというと、ノーマルのMに比べてL-14/W0/H+3という結果なので、前後で14㎜ゆるくて、横幅はピッタリ。

高さは3㎜高いけど、3㎜程度だと少しかぶりが浅くなる程度なのでそんなに問題は無いという判定。

この数値で一番問題なのは、前後の-14という数値。

14㎜緩いということは、頭の横だけでヘルメットを支える事になるので、スピードを出したら下がってきたり、安定しないので、不快感や頭痛の原因になるそうです。

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そして今回調整してもらったのは、SHOEIのレーシングフルフェイス『X-Fourteen』。

体験させて頂いたPersonal Fitting Systemでは、ヘルメットの全体的なサイズだけではなく、モデルごとの調整数値も計算できるそうです。

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先ほどのサイズ診断での推奨サイズはSかMでしたが、X-Fourteenを選択した場合の推奨サイズはMかL。

Sも使えるけど、Sだと横を薄いパットにしないとダメだという診断。

そして、選べるサイズはS・M・Lだけど。推奨はMかLとモデルによる差も明確に計算されます。

ちなみに、レースで使用する人は短時間しかかぶらない上に集中するのであまり気にならない場合が多いけど、一般の人はツーリングなどで長時間ヘルメットをかぶる事が多いので、サイズがキツイと1、2時間で痛くなってしまう為、あんまりきついサイズはおススメしないそう。

いろいろと相談した結果、私はMサイズを選択する事に。

ちなみにサイズを調整するのは、ヘルメットの内装。

そのため、元々推奨サイズを購入していなければ調整は難しい為、基本的にお店で調整してもらえるのは購入時のみだそうです。

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診断結果は、前に2枚、後ろに3枚パットを追加するという指示。

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その指示に合わせて何通りも用意された、サイズ調整用のスポンジを追加していきます。

調整されたヘルメットの内装 / ©Motorz

そして仮止め状態で、ヘルメットを脱着しながら、全体的に均等にあたっているか?

頭のてっぺんはキッチリあたっているか?両サイドはあたっているか?前後はあたっているか?

きつい部分は無いか?など、微調整を繰り返し、自分の頭にぴったり合ったサイズのヘルメットが出来上がっていくのです。

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調整無しでヘルメットを購入する時のポイント

ヘルメットは自分自身の身を守る為の安全装備なので、自分の頭に合ったサイズを購入する事が大切なのですが、早急に必要になったなど、調整サービスを実施していない店舗で買わざるを得ない場合もあると思います。

そんな時は、どんな基準でヘルメットを選べばいいのか・・・。

今回対応して頂いた、SHOEIの海老沢さんに聞いてみました。

「試着しないでネットとかで買っちゃう人は、どうしょうもないんだけど・・・。

ヘルメットってメーカーごとに当然違うし、同じメーカーでもモデルによってちょっとかぶり心地も変わってきちゃうので、買う時は必ず試着して、できればうちのシステムで計測した的確なサイズで買ってもらう事が一番いいのですが、それが無い場合は、必ず試着して自分の頭にあっているか、きつくないかどうかを必ず見て欲しいです。

ヘルメットって、きつめがいいと言われる事が多いんですが、きつすぎると痛くなっちゃうので、あまりきつすぎない物。

基本的にそのへんが表現しづらいから、このシステムを作ったんですけどね。

きついヘルメットをかぶって内装の発砲スチロールにもろに当たっているような、ごつごつしたかぶりごこちにまでなっちゃうと、長時間かぶってられなくなってしまうので・・・。」

まとめ

今までヘルメットを長時間かぶっていると、サイドが痛くて苦痛になる事が多かった私は、「頭の鉢が張ってるからしょうがない。」と諦めていました。

そして、同じように思っている人は多いのではないでしょうか?

しかし、その痛みは、頭の一部が大きくて頭の形が悪いからではなく、それ以外の部分にヘルメットの内装が当たっていないので安定しないからという理由がほとんどだそう。

私も、今回初めて自分サイズに調整されたヘルメットをかぶって、その安定感とかぶり心地に驚きました。

ヘルメットをかぶると頭が痛い!と悩んでいる方は、是非1度、調整サービスを利用してみてはいかがでしょうか?