知らない土地に行くことも多い車ライターという仕事柄、カーナビが欠かせない筆者。愛車である平成18年式、走行距離23万kmオーバーの200系ハイエースには、もちろんカーナビを装着しています。しかし、肝心の地図更新をしておらず、Bluetoothも壊れ、運転中はラジオかワンセグの音声だけという状態です。(悲しい!)
車齢も走行距離も“そこそこ”の我ハイエースですが、特に不満もなく乗り替える予定はありません。そこで、壊れているカーナビを最新のものに交換しようと選んだのだのが、アルパインから発売されているフローティングビッグDA「DAF11V」。今回は元整備士である筆者自らがDIYで取り付ける様子と、気になる使用感についてレポートします。
Photo : Kiyoshi WADA Text : Shingo MASUDA

多くの車種に導入できる大画面のエンターテイメント空間

フローティングビッグDA「DAF11V」のDAは、ディスプレイ(Display)オーディオ(Audio)の略。名前だけ見ると、カーナビではなくオーディオです。
しかし、11Vという型番で表されるように、11インチという業界最大のタッチ式ディスプレイには、カーナビをはじめさまざまなエンターテイメントを表示し操作することができます。
また、フローティング構造を採用することで、昔ながらの2DINや1DINというオーディオ取付けスペースがあればどんな車種にも取付可能。車齢13年という筆者のハイエースでも、最新のカーエレクトロニクス空間に大変身させてくれます。

200系ハイエースにフローティングビッグDA「DAF11V」を取付け

15年の整備士経験がある筆者、何を隠そう最初に就職したのは国産ディーラーで、カーナビの取付けはおまかせ!ということで、取付けはDIYで行いことにしました。
ちなみに今回取り付けるのは、フローティングビッグDA(DAF11V)本体、バックカメラ(HCE-C1000)、セパレート2ウェイスピーカー(X-170S)、4×4地上デジタルチューナー(TUE-T500)です。

バックカメラ

カーエレクトロニクス製品を取り付ける際、整備士的にはヘッドユニットより遠いところから取り付けるのが定石。そこでまずはバックカメラから取り付けますが、実は、もともと付けていた安物のバックカメラも壊れて(悲しい!)いたため、古い配線をガイドにバックドアからの配線は手早く済ませます。

4×4地上デジタルチューナー

次に手を付けたのは、4×4地上デジタルチューナー。フィルムアンテナをフロントガラスの四か所に張り付け、アンテナ線は左右のAピラーから、電源や映像の配線はヘッドユニット裏からセンターコンソール足元へを引き回します。

セパレート2ウェイスピーカー

そしてメインユニットの前にドアスピーカーとツイーターに取り掛かりますが、これは今回の取付け作業の中で、唯一コツと丁寧さが必要なパートです。

まずAピラーにツイーターを専用の取付けキット(KTX-Y200HI)で取り付ける際、純正パネルへの穴あけが必要。もちろん、専用の型紙が同封されているため、丁寧に作業すればまるで純正かのようなフィット感で取付けることができます。

続いてドアスピーカーの交換に取り掛かりますが、200系ハイエースの純正ドアスピーカーはリベット止め。ドリルを使ってリベットを揉み、純正スピーカーを取り外します。もちろんそのままでも音質は十分向上するはずですが、これだけでは不十分。振動対策として木製のインナーバッフルボード(KTX-Y176B)の装着が必須。格段に音が良くなります。

フローティングビッグDA(DAF11V)

最後はいよいよメインユニットの取付けです。フローティングビッグDA「DAF11V」は、11インチという大画面でありながら、ユニットはコンパクトな1DINサイズ。さらに専用の配線キットがあるため、簡単に取り付けることができます。

最後は取り外した内装パネルを戻し、ヘッドユニットへディスプレイを取付け作業は完了。ディスプレイは奥行、高さ、角度の調整ができるため、見やすい位置に調整するのはもちろん、幅広い車種に取付けできそうです。

圧巻の存在感!でも既存車種に違和感のない秀逸なデザイン

筆者の200系ハイエースは、4ナンバーの標準ボディでインパネは決して小さくありませんが、11インチのディスプレイはなかなか存在感があります。「どうせつけるなら思い切ってデカいのを!」と意気込んではいたものの、実際大きすぎて違和感があるのではという不安がありました。

しかし、シルバーのベゼルが200系ハイエースのインパネとマッチし、心配していた違和感は全くなし。それどころか、最新車種のような雰囲気になり、まさか車齢15年、23万kmオーバーの車には見えません。

また、メイン画面に200系ハイエースの背景を設定することができるところも、オーナー心をくすぐるポイントです。
Aピラーに埋め込んだツイーターも、純正パネルと同色で自然と馴染んでいます。さらに“ALPINE”のロゴと、ツイーターのゴールドリングモチーフがお洒落。本来バンであるハイエースですが、車内の上質感がグッとアップしました。

ヌルサクのタッチ感度と大画面は操作感抜群

最新のスマートフォンでも説明書をよく読まないという、悪い癖のある筆者ですが、まるでタブレットのような見慣れたアイコンのおかげで直感的に操作できます。さらに、タッチ操作も最新スマートフォン並みにサクサクヌルヌル。つい無駄な操作ばかりしたくなってしまいます。

まるでスマホ!?Googleマップの利便性をフル活用できる

スマートフォンとの接続も、USBケーブルを繋ぐだけで完了。いつも使用しているGoogleマップもアイコンをタップするだけで使用でき、11インチという余裕たっぷりの画面に地図が表示されます。
使い慣れたGoogleマップですが、やはり大きな画面の視認性は圧巻。Android Autoの場合、地図の拡大縮小もピンチイン/アウトで操作でき、Googleマップの使用感が数段アップしました。
また、「OK Google」と声を掛けることでGoogleアシスタントが起動。目的地はもちろん、「近くのコンビニ」や「近くのガゾリンスタンド」など、ドライブ中に検索しがちなスポットを、声だけで簡単に検索できます。

表現豊かな厚みのある音は流石アルパイン

そして、やはりうれしいのが有線(USB)でも、Bluetoothでも繋がるオーディオ機能。Googleマップを使うことが無い場合でも、持っているだけで勝手にBluetoothに接続されるのが便利です。
気になる音質ですが、そこは音のアルパイン。中音域から高音域の表現が豊かになり、聴き疲れの無いクリアな音質です。今回ツイーターを追加しフロントスピーカーの交換だけでしたが、ここまで良い音になるのなら、リアスピーカーとサブウーファーを追加したくなってしまいました。

バックカメラと4×4地上デジタルチューナーは同時購入がおすすめ

自分のためというよりも、妻のために付けたと言ってもいい、テレビチューナーとバックカメラ。
まず、4×4地上デジタルチューナー(TUE-T500)は、さすがフルセグというだけあり、以前付けていたナビのワンセグとは映りが雲泥の差です。
また、付属のリモコンで操作しやすいのはもちろん、DAF11Vと組み合わせることでリモコンの受光部を設置する必要がなく、見た目をすっきりさせることができます。
そしてバックカメラについては、純正と同じ取付け位置でありながら、ほぼ横まで見える広い画角とHDRの高画質で安心の後方視界を確保。これなら妻も安心してバックすることができそうです。(取り付け後、妻に感想を聞いてみたところ「すごく見やすかった!」と喜んでおりました。)

HDMI接続でYouTubeを大画面で楽しめる

弱小ながらYouTubeチャンネルを個人で運営している筆者。勉強のため、はたまた休憩のため、ちょっとした空き時間にYouTubeを見ることがよくあります。これまで、パーキングエリアなどでは、スマートフォンで楽しんできましたが、やはり画面が小さく満足できるものではありませんでした。

フローティングビッグDA「DAF11V」は、HDMI入力を備えており、USBの変換ケーブルさえあれば簡単にスマートフォンの画面を表示することが可能。もちろん、スマートフォンやビデオカメラで撮ったその日の映像を、帰りの車内で楽しむこともでき、お出掛けが一層楽しくなりそうです。

大画面は安全運転にも有効!新車にも既存車にもおすすめ

近頃スマートフォンの地図アプリが進化したこともあり、備え付けのナビ不要ではないかという意見をよく耳にします。確かに、ただ道を調べるだけなら地図アプリでもこと足りるかもしれません。
しかし、スマートフォンの画面で地図を見ながら運転することに関して、手で持たないまでもやはり小さな画面を見るのは危険。大きな画面で地図を確認でき、さらに声で操作できるのは安全という点でもありがたい機能です。

通話やメッセージのやり取りもハンズフリー

フリーランスである筆者は、移動中にクライアントさんからメッセージや電話が来ることが少なくありません。もちろん、運転中電話に出たりメッセージを確認することはしませんが、極まれに、「これは出るべき!」「すぐ確認したい」ということもあります。

そんな時、フローティングビッグDA「DAF11V」のハンズフリー機能がめちゃくちゃ便利!ハンズフリーで通話ができるのはもちろん、メッセージを読み上げてくれるため、大事な連絡を逃してしまうことがありません。

フリーランスはクライアントさんとの信頼関係が命!大事なメッセージには「確認しました。詳細は後程返信します」といったように、音声で返信もでき非常に助かります。

特に愛車を永く、大切にするオーナーにおすすめ

最新のディスプレイオーディオを導入したことで、今回世間的にはかなり使い込んだと言われてもおかしくない200系ハイエースの雰囲気は激変!車は見た目も大切ですが、やはり快適に過ごせる車内空間は、愛車を長く使っていく上で欠かせないポイントです。

新型車に乗っている方はもちろん、地図の更新をしていないカーナビを使っているというオーナーなら、アルパイン フローティングビッグDA「DAF11V」への交換を検討してみてはいかがですか?

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