イタリアのアルファロメオといえば実用大衆車からスポーツカー、果てはF1まで手を伸ばし、いずれのステージでもなかなかの結果を残している古くからの名門ですが、1950年代に発売したジュリエッタ SS(スプリント・スペチアーレ)も高額にも関わらず成功した名車でした。そして、ジュリエッタの後継ジュリア登場後も、ジュリエッタSSは『ジュリアSS』と名を変え、1965年まで生産されています。

 

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ  / Photo by Dennis Gerike

 

アルファロメオの高級2シーターツアラー、ジュリエッタSS

 

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ・プロトティーポ750  / 出典:https://www.favcars.com/alfa-romeo-giulietta-sprint-speciale-prototipo-750-1957-wallpapers-143536-800×600.htm

 

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ・プロトティーポ750 / 出典:https://www.favcars.com/alfa-romeo-giulietta-sprint-speciale-prototipo-750-1957-pictures-66422-800×600.htm

 

1957年、戦後のアルファロメオを支えた小型大衆車の最新版、ジュリエッタのオープンスポーツ版ジュリエッタ スパイダー用のシャシーに、当時ベルトーネに在籍していたカーデザイナー、フランコ・スカリオーネがデザインしたボディを載せた新型車が生まれます。

そんなジュリエッタのスポーツバージョン、ジュリエッタ スプリントよりも高性能な2座席高速長距離ツアラーとしてデザインされた試作車は、ボディの一部にアルミ製パーツを用いるなど軽量化した上で、非常に空気抵抗の少ない流麗なボディでした。

 

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ / 出典:https://www.favcars.com/alfa-romeo-giulietta-sprint-speciale-101-1958-1960-images-143545-800×600.htm

 

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ / 出典:https://www.favcars.com/wallpapers-alfa-romeo-giulietta-sprint-speciale-101-1958-1960-143540-800×600.htm

 

そして量産モデルは『ジュリエッタSS(スプリント・スペチアーレ)』として販売。

後のバージョンと比べるとノーズの低さが特徴で、前後オーバーハングが長く空気抵抗の少ない流線型ボディの恩恵で、1,290cc・100馬力のDOHCエンジンながら公称最高速は実に200km/h。

あくまでGT的な性格の車だったので、走行性能はレース志向のジュリエッタSZ(スプリント・ザガート)ほどではなかったと言われており、生産台数は1,366台程度ではありますが、高価格GTとしてはむしろ成功した部類だと評価されています。

 

ジュリエッタSSからジュリアSSへ

 

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ  / Photo by Mic

 

ジュリエッタSSとしては1960年から1962年はじめまで販売されましたが、ジュリエッタが1962年に後継車『ジュリア』に置き換わると、ジュリエッタSSもエンブレム類以外の外見はほぼそのままに、ジュリアSSと改名されました。

 

アルファロメオ ジュリア スプリント・スペチアーレ  / 出典:https://www.favcars.com/photos-alfa-romeo-giulia-1600-sprint-speciale-101-1962-1965-143357-800×600.htm

アルファロメオ ジュリア スプリント・スペチアーレ / 出典:https://www.favcars.com/alfa-romeo-giulia-1600-sprint-speciale-101-1962-1965-wallpapers-143365-800×600.htm

アルファロメオ ジュリア スプリント・スペチアーレ / 出典:https://www.favcars.com/alfa-romeo-giulia-1600-sprint-speciale-101-1962-1965-images-143362-800×600.htm

 

ジュリアでは1,570ccDOHCエンジンが搭載されるようになったので、ジュリアSSもジュリアのベルリーナ(セダン)に設定されたレーシングバージョン、TIスーパーやスプリント ヴェローチェと同じ112馬力を発揮するエンジンを搭載。

このジュリアSSでも公称最高速度は200km/hを維持し、1965年に生産を終えるまでの生産台数はジュリエッタSSが1,366台に対し、ジュリアSSでは1,400台だったと言われています。

なお、ジュリエッタSS/ジュリアSSの特徴としてフロントガラスの前に設置されたプラスチック製スクリーンがあり、これは高速ツアラーゆえの虫除け対策と言われることがあるものの、実際は空力上のパーツで雨天時にワイパーが持ち上がる問題への対策だそうです。

 

アルファロメオ ジュリア スプリント・スペチアーレ・ベルトーネ・プロトティーポ / 出典:https://www.favcars.com/pictures-alfa-romeo-giulia-sprint-speciale-prototipo-105-1965-143401-800×600.htm

 

なお、ジュリエッタがジュリアに発展した際、新型のジュリアSSを発売する計画もあってベルトーネによる試作車が作られましたが採用されず、結局ジュリエッタSSに小変更を加えて継続販売されるという経緯がありました。

 

主なスペックと中古車相場

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ / COPYRIGHT© TOYOTA MOTOR CORPORATION.All Rights Reserved.

アルファロメオ ジュリエッタ スプリント・スペチアーレ 1957年式

全長×全幅×全高(mm):4,120×1,660×1,245

ホイールベース(mm):2,250

車両重量(kg):860

エンジン仕様・型式:AR 00120 水冷直列4気筒DOHC8バルブ

総排気量(cc):1,290

最高出力:74kw(100ps)/6,000rpm

最大トルク:113N・m(11.5kgm)/4,500rpm

トランスミッション:5MT

駆動方式:FR

中古車相場:皆無

 

まとめ

 

アルファロメオ ジュリア スプリント・スペチアーレ  / Photo By  Bryce Womeldurf

 

ジュリエッタSS/ジュリアSSは空力重視の革新的デザインで、アルファロメオでも後に極めて美しい代表作、ティーポ33/2ストラダーレも手がけたフランコ・スカリオーネの作品でもあることから、まさに芸術品のような扱いを受けています。

しかし、この種の高級高性能ツアラーとしては販売台数が多かった方とはいえ累計でわずか2,800台足らず、それもコレクションの類が多いとなると実際に走る個体を見るのは希な話です。

復刻イベントとして日本でも開催されている『ラ・フェスタ・ミッレミリア』などに出場していればかなり貴重なので、もしエントリーリストで見かけたら是非とも足を運んでみることをオススメします。

 

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