クルマのガソリンエンジンを動かすために、最も重要なパーツと言っても過言ではないのが点火プラグです。プラグとも呼ばれる手のひらに乗るほどの小さな部品ですが、文字通りエンジンを点火させるための火花を飛ばす、無くてはならない存在なのです。今回はそんなプラグの重要性と交換タイミング、また交換方法などをご紹介していきます。

 

photo by Kevin Rheese

 

プラグの仕組みと役割

点火プラグとはその名の通り、ガソリンエンジンの燃焼室に流入する空気とガソリンに火を付けるために存在する重要なパーツです。

通常の4サイクルエンジンであれば「吸入・圧縮・燃焼・排気」という4行程を繰り返しているわけですが、この”燃焼”のタイミングで火花を飛ばし続けているのが点火プラグなのです。

そのため、エンジンの回転数が上がるに比例して点火の回数も増え、エンジンのシリンダー内で超高温に熱せられており、小さな見た目の割にかなりタフな役割を担っています。

そこでプラグには燃焼ガスで受けた熱を逃す必要があり、この熱を逃す度合いのことをプラグの熱価と呼ぶのですが、プラグの熱価がエンジンや走り方に適していないと、プラグの点火部(発火部)が焼けすぎたり、逆にすすを被ってしまったりして上手に点火が出来なくなってしまうのです。

プラグの点火が悪くなると、エンジンのレスポンスや燃費が低下してしまうので、交換する必要が出てきます。

 

プラグの交換時期について

一般的なプラグ交換のタイミングは、普通車で15,000km〜20,000km、軽自動車で7,000km〜10,000kmとされています。

軽自動車の方が交換タイミングが早い理由としては、普通車に比べて使用するエンジンの回転数が高いため、より多くの火花が飛んで電極が消耗するから。

ちなみに、上記のタイミングよりも早くエンジンのレスポンスが悪くなってしまったら、プラグの熱価がアナタの乗り方やクルマに適していないかもしれないので、プラグを外してみて、電極の焼け具合を確かめてみましょう。

ブラグの電極がガソリンやオイルで湿っていると”かぶり状態”、またすすで覆われた状態を”くすぶり状態”と言いますが、いずれもプラグの熱価が高すぎる、もしくは点火タイミングが適していないことから起きてしまう現象です。

特に2サイクルのバイクやキャブレターの車両で起こりやすいのですが、必ずしもプラグを交換すれば解消される症状ではないので、注意が必要となります。

また、電極が溶けたような状態は、”かぶり”や”くすぶり”とは逆にプラグの熱価が低すぎることで起こる現象です。

まずはプラグを外し、電極部を観察することで自分に適した熱価のプラグをチョイスするところから始めてみましょう!

 

プラグの交換方法

プラグの外し方はいたって簡単。

専用のプラグレンチを使って、普通のネジやナットを外すように回すだけ。

とはいえ適したトルクで締め付けないとネジ山の破損に繋がったり、電極の損傷に繋がります。

また外した際に、プラグの穴からエンジン内部に異物が混入しないように注意しないと、最悪エンジンを分解・清掃する必要が生まれるので要注意!

適したトルクなどに関してはプラグのネジ径によって異なるので、上掲の動画を参考にしてください。

エンジンレスポンスが悪いのに、プラグは適切な焼け具合。

そんな場合はプラグコードやディストリビューター、イグニッションコイルの不良が原因かもしれませんので、あわせてご紹介します。

 

まとめ

プラグの性能で勝敗が左右されることもあり、レースの世界では昔から重要視されていた。 / photo by SenseiAlan

 

エンジンの部品というと、中々素人には手を出しづらいようなハードルの高さを感じてしまいます。

しかし、実はただ工具を使って取り外すだけ。

むしろプラグ交換くらいから気軽に愛車のDIYを楽しんでみるのもアリだと思います。

自身でメンテナンスする部分が増えれば愛車への愛着が増すことは間違いありません!

みなさんも愛車への理解度を高める意味でも、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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