日本でトップクラスの人気を誇るレーシングドライバー織戸学選手。その愛車であるトヨタ86のカスタムが、バージョンアップされたという情報をMotorz編集部がキャッチ!その内容は……スーパーチャージャーと、人気のスロコン感度MAXの組み合わせ!?一体どんな仕上がりになっているのでしょうか。早速取材に行ってきました!
取材当日……
2019年5月某日、織戸さんが経営するシミュレーターショップ『130R YOKOHAMA』へ取材に向かうと、そこにはいつものようにピカピカの86がありました。
今回のバージョンアップの詳細をきいてみると、何やらスーパーチャージャーを装着したとのこと。
織戸選手:これまでNAエンジンで感度MAXやECUのテストを続けてきたけど、ほぼほぼ完成したので、次のパワーアップも兼ねて今回はHKSのGT2スーパーチャージャーをRastyさんで取付しました。これで60馬力近く上がっていると聞いています。
カタログ値200馬力のトヨタ86が60馬力アップしたということで、過激に進化するかと思いきや、織戸さん曰く、ストリートをトルクフルに楽しめるように仕上げているので、ノーマルのパワーに飽きてしまった人には是非おすすめしたいカスタムとのこと。
ちなみに、織戸さんと86の組み合わせというと、お馴染みのスロットルコントローラー「感度MAX」を連想してしまいがちですが、意外にも取材開始時点では装着されていませんでした。
これは、一度ノーマルのスロットルに戻した段階でセッティングを出し、その後感度MAXをつけてどう変わるかを、チェックするためだそうです。
そんな話を聞いていると、突然「せっかくだから、乗ってきて感想を教えてよ。」と言われ、急遽Motorz編集部のヤマトが織戸さんの86をインプレッションすることになりました。
感度MAXとは
今回のインプレッションをお伝えする前に、まず伝えたいのがスロットルコントローラー「感度MAX」について。
トヨタ86/スバルBRZ界隈では絶大な人気を誇り、従来のスロコンとは一線を画すパーツです。
現代のクルマでは、ほぼ全てが電子スロットルとなっていますが、この電気信号がクセモノで、どうしてもワイヤーだった頃よりもダイレクト感がなく、ドライバーの意思に対してラグが発生してしまいます。
これは、日常使用なら良いですが、0.1秒を争うレースの世界では深刻な問題。
織戸さんはこの問題に真っ向から向き合い、従来の「スロットル開度に疑似信号」を送るスロコンではクリアできない数々の問題を発見。
それにより根本から考えを変えて製作されたスロコンが、感度MAXなのです。
そのため、スロットルボディに直接作用する感度MAXは、これまでのスロコンとは違うダイレクトさを生み出し、けただけで、まるでトルクが上がったかのような感覚すら感じることができるのです。
もっと知りたい方はモタガレの記事をチェック!
レーシングドライバー織戸学選手が本気で作ったスロコン!「感度MAX」って何がスゴいの?
MAX織戸86×スーパーチャージャーをインプレッション!
60馬力アップというスーパーチャージャー仕様の織戸86ですが、意外にもAT仕様でした。
チューニングカーというと大半がMTなので、ATであることに少々驚きましたが、走り出すと、そんなことはどうでもよくなります。
なぜなら、ターボと違って低回転から効くスーパーチャージャーの特性もあり、AT特有の発進のかったるさは感じません。
さらに、1,800回転ぐらいでしっかりと過給によるトルク増を感じるため、幹線道路でもすぐに流れに乗ることができました。
高速道路でも、合流時の40km/h〜80km/hや、追い越し時の80km/h〜100km/hなどの加速範囲ではパワー不足など全く感じず、余裕があるほど。
少しアクセルを踏み込むだけで、目的の速度まで、すぐに達してくれるのです。
足回りは開発中のオーリンズが装着されており、やや硬めでしたが、既にかなり仕上がった状態だったことと、ATなことも相まって、86よりもハイクラスの高級スポーツカーでクルージングしているような錯覚を覚えるぐらいの完成度でした。
MAX織戸86×スーパーチャージャー×感度MAXをインプレッション!
最初のテストを終え、130R YOKOHAMAに戻り、感度MAXを取り付けます。
わずか1分で取付が完了した後、さっきまでと同じように発進しようとアクセルを踏み込むと、クルマが全く別物に変わっていることに気づかされました。
ゼロ発進時、0.2秒か0.3秒ほど感じていた過給が始まるまでのラグが全くなくなり、クルマが勢いよく発進したことにまず驚きを隠せません。
アクセルレスポンスが劇的に改善されたことで、過給の始まる回転数までの時間が短くなり、アクセル開度と回転の上昇にダイレクト感が大きく増したため、高級スポーツカーのクルージングが、本気で走れるチューンドカーの感覚に大きく変わったのです。
感度MAXナシの状態よりも、腰にダイレクトにパワーとトルクを感じるため、もっともっとアクセルを踏みたい!と思う感覚を強烈に感じ、あっという間に法定速度ギリギリに達してしまいます。
スロコン自体ではスペックは変わらないはずなのに、何か大幅に出力が向上するチューニングを行ったような錯覚に陥るほど、運転が楽しくなりました。
高速道路でも、前走車などの理由で速度が落ちてしまった後、再加速することがとにかく楽しいのです。
織戸さんの86は、ATであることなんてすっかり忘れ、スポーツドライビングをしっかりと楽しませてくれる一台に、わずか1分で変わってしまいました。
まとめ
Motorz編集部がインプレッションを終えた後、織戸さんと、130R YOKOHAMAの店長で、86BRZレースに参戦中の岡田選手もすぐに86に乗り込みました。
戻ってきたときには二人とも満面の笑みで、「速い!速くなった!」と大満足の仕上がりです。
Motorzと運営会社が同じ車のパーツの通販サイト「モタガレ」にも、「ターボやスーチャーを付けた状態で感度MAXは使えますか?」というお問い合わせをよく頂きますが、問題なく使用可能と声を大にして言えます。
むしろ、これは付けるべき。
価格は39,800円。決して安い金額ではありませんが、もしかすると大掛かりなチューニングを施すよりも、はるかに効果を体感できるかもしれません。
わずか1分で装着できて、クルマに激しいダメージやメンテナンスコストを生むことがなく、ドライビングプレジャーを増やしてくれるスロコン「感度MAX」。
86/BRZ用だけでなく、トヨタ/レクサス車用も販売していますので、是非チェックして、違いを体感してみてください。
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