車を適正な状態に保ち、安全に運転できるようにしておくことは、ドライバーの義務です。そのため、教習所では運転者自らが行う「日常点検」の項目について習います。しかし、どこをどう整備すればよいか、どれだけの頻度で点検をすれば良いか分からないという方も居るのではないでしょうか。今回は教習所で習った日常点検の項目について、振り返ります。

日常点検の項目

教習所で習う日常点検の項目は大きく分けて、以下の3つです。

  • エンジンルームの点検
  • 車の周りを回っての点検
  • 運転席に座って点検

これらを細別すると全部で15項目に分かれており、どれも安全に車を運転するためには必要不可欠なものとなっています。

では、ひとつずつ具体的に見ていきましょう。

エンジンルームの点検

出典:写真AC

ボンネットを開け、エンジンルームを覗きながら以下の項目を点検します。

  • ウィンドウォッシャー液の量の確認
  • ブレーキオイルの量や色の確認
  • バッテリー液の量の確認
  • 冷却水の量の確認
  • エンジンオイルの量や色の確認

ウィンドウォッシャー液の量を確かめる

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC#/media/File:Windshield_Wiper_1.jpg

容器内に、ウィンドウォッシャー液が十分入っているかを確認します。

もし不足しているようであれば、カーショップで購入しましょう。

ブレーキオイルの量や色を確かめる

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Brake_fluid_reservoir_in_%C5%A0koda_Fabia_I.jpg#/media/File:Brake_fluid_reservoir_in_%C5%A0koda_Fabia_I.jpg

ブレーキリザーバタンク内のオイル量が適切かどうかを確認。

容器に書かれているMAXとMINの間にオイルが収まっていれば、適量です。

オイルが少ないと、ブレーキが効かなくなってしまい、事故に繋がる恐れもありますので、よく注意して確かめてください。

バッテリー液の量の確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Brake_fluid_reservoir_in_%C5%A0koda_Fabia_I.jpg#/media/File:Brake_fluid_reservoir_in_%C5%A0koda_Fabia_I.jpg

バッテリーの量が、容器に書かれたUPPERとLOWERの間にあるかどうかを確かめます。

液量が少ない場合は、エンジンが掛からなくなる場合があり、バッテリーが破裂してしまうこともあるので、必要であればカーショップで購入しましょう。

冷却水の量の確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC#/media/File:Automobile_radiator.jpg

ラジエーターリザーバタンク内の冷却水が、FULLとLOWの間にあるかどうかを確認します。

ここでもし冷却水が少ないと、ラジエーターから水漏れしたり、オーバーヒートの原因になってしまうので、量が足りない場合は補充するか、整備工場で点検してください。

エンジンオイルの量や色の確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB#/media/File:Motor_oil_refill_with_funnel.JPG

オイルレベルゲージを引き抜き、エンジンオイルが規定の範囲内にあるかどうかを確かめます。

量が少なかったり、オイルが汚れていたりする場合は補充が必要です。

エンジンオイルが不足していたり汚れていたりすると、燃費が悪くなるだけではなく、エンジンブローに繋がる恐れがあるので、しっかりと確認してください。

車の周りを回っての点検

出典:写真AC

続いて、車周りの点検です。

車体の各部を見ながら、以下の項目を点検します。

  • タイヤの空気圧の確認
  • タイヤに亀裂や裂傷および不自然な摩耗などないか確認
  • タイヤの溝の深さの確認(溝の深さが1.6mm以下になるとスリップ・サインが表れる)
  • ランプ類の点灯や点滅、汚れや損傷の確認

タイヤの空気圧の確認

photo by poolie

タイヤ接地部のたわみを見て、空気圧が適正かどうかを確認します。

指定空気圧は運転席ドアの端に貼り付けられたラベルに書かれているので、それを見ながら空気圧を確かめてください。

必要であれば、タイヤゲージも使用してより正確な診断をしましょう。

空気圧が不足していると走行が不安定になり、燃費にも影響しますので要注意です。

タイヤに亀裂や裂傷および不自然な摩耗などないか確認

出典:写真AC

タイヤ全体を見て、表面に亀裂や裂傷、異状な摩耗がないかどうかを確認。

溝に小石や異物が挟まっていれば、マイナスドライバーで除去してください。

仮にタイヤが痛んだ状態で走行すると、事故に繋がる恐れがあるので大変危険です。

タイヤの溝の深さの確認

photo by m00by

タイヤの溝に十分な深さがあるかどうかを、スリップサインを目印にして確かめます。

必要であれば、デプスゲージも使用しましょう。

スリップサインは溝の厚さが1.6mm以下になると現れるので、もしこの目印が出てくるほどタイヤが摩耗しているのであれば、タイヤの交換が必要です。

ランプ類の点灯や点滅、汚れや損傷の確認

車体に備え付けられている全てのランプの点灯、点滅具合、損傷や汚れの有無を確かめ、必要であれば交換します。

ランプ類に異状があると、事故の原因になります。

運転席に座って点検

出典:写真AC

最後に運転席に座っての点検です。

以下の項目を確かめてください。

  • エンジンのかかり具合と異音の確認
  • アクセルペダルを踏んで、エンジンの加速や低速の確認
  • ブレーキペダルの踏みしろの確認(床板とブレーキペダルの間が適当か)
  • ブレーキペダルのききの確認(ブレーキのききは安全に直結するため、踏みごたえの違いがないか)
  • パーキングブレーキレバーの確認(引きしろが多いとロックのききが甘くなり危険)
  • ウィンドウォッシャー液の噴射状態の確認
  • ワイパーの動きや拭き取りの確認

エンジンの掛かり具合と異音の確認

スズキ CA72V アルトワークスRS-XのDOHCターボ版F5Aエンジン 出典:https://bringatrailer.com/listing/1987-suzuki-alto-works-rsx/

エンジンがすぐに始動し、アイドリング時に強い振動や異音がないかを確かめます。

仮に問題があれば走行時のトラブルに繋がるので、よく確認してください。

アクセルペダルを踏んで、エンジンの加速や低速の確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%80%E3%83%AB#/media/File:Pedalerie_Peugeot_206.jpg

車を加速させた時に、アクセルペダルに引っ掛かりがなく、ノッキングやエンストを起こさないかどうかを確かめます。

ブレーキペダルの踏みしろと効き応えの確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%9A%E3%83%80%E3%83%AB#/media/File:Pedal.jpg

ブレーキペダルをいっぱいに踏み込んだ際、床との隙間や踏みごたえが適切かどうかを確かめます。

床との隙間が少なくなっていたり、踏み心地がおかしい時は、ブレーキの効きが甘くなっている可能性があるので要注意です。

サイドブレーキの確認

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:P997_carrera_s_alu_handbremsehebel_P1010086.JPG#/media/File:P997_carrera_s_alu_handbremsehebel_P1010086.JPG

サイドブレーキを引いた時に、引きしろに過不足がないかどうかを確認します。

ペダル式の場合は、踏みごたえで確かめてください。

ウィンドウォッシャー液の噴射状態の確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC#/media/File:Mercedes-Benz_O530_Blinker_sw.jpg

ウィンドウォッシャー液の噴射する向きや、高さが適切かどうかを確かめます。

ここに問題があると、雨天時やガラスが曇った時に視界確保が難しくなる場合があるので、よく注意してください。

ワイパーの動きや拭き取りの確認

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%91%E3%83%BC#/media/File:Tergicristallo.jpg

ウォッシャー液を吹き付けてワイパーを動かし、低速時と高速時の動作に問題がないかを確認します。

ワイパーのブレードラバーは消耗品なので、定期的に交換するようにしましょう。

まとめ

©フリー素材のぱくたそ

以上、教習所で習う日常点検項目の復習でした。

普段の点検を怠っていて、故障や不具合が出てしまうと、安全面の問題だけではなく、高い修理代が掛かることになってしまいます。

身の安全も勿論大事ですが、普段のメンテナンス代のことも考えて、日常点検を行ってみるのも良いでしょう。

どれも簡単にできることなので、時間を少し作って実践してみてください。

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