エンジンを搭載する自動車には、必ずエアクリーナーが備えられています。エアクリーナーはエンジンの吸気の入り口にあり、余分なゴミや粉じんを取り除く重要なパーツ。エアフィルターは定期的に交換する保安用品ですが、交換した覚えはありますか?もし取り換えないと、かなり大変なことにもなりかねません。

STI製低圧損エアクリーナーエレメント WRX STI

WRX STI ts用STI製低圧損エアクリーナーエレメント / ©SUBARU

エアクリーナーの役目

エアクリーナーは、「エレメント」「エアフィルター」とも呼ばれ、エンジンの吸気口に備え付けられている集塵装置です。

エンジンは、エアクリーナーより導入された空気が燃料と混ぜられ混合気となり、シリンダー内で爆発・燃焼し、出力やトルクを発生します。

混合気の均一な完全燃焼を目指すなら、エンジンに導入する空気は限りなくクリーンでなければならず、ごみやほこり・塵などを空気から除去するエアクリーナーが必要なのです。

エアクリーナー交換でエンジン出力アップ!?

WRX STI エンジンイメージ

WRX STI ts エンジンイメージ / ©SUBARU

純正品のエアクリーナーを社外品のチューニング用に交換すると、エンジンの吹け上がりが良くなり、出力もアップしたように感じられます。

なぜなら純正品は、防塵効果を主目的として、マージンを大目に割り当てており、防塵効果「必要以上」、吸気量は「必要十分」だからです。

対してチューニング用エアクリーナーでは、純正品より防塵効果のマージンを下げて、吸気量を上げています。

そのため、「防塵効果」は「必要十分」、吸気量は「必要以上」となり、エンジンの爆発・燃焼に十分な空気を混合気に混ぜることができるのです。

そのため燃焼が安定し、より吹き上がりのよいエンジンフィールにすることができます。

エアクリーナーの定期交換は必要?

エアクリーナーはごみやほこり・塵がエンジン内へ侵入するのを防ぐ集塵装置なので、当然クルマを走らせるにつれ、汚れていきます。

エアクリーナーが汚れると、フィルターの微細な目からの空気吸入が阻まれ、エンジンで爆発・燃焼行程が行えず、結果、パワーやトルクが出力できなくなってしまうのです。

エアクリーナー交換の目安は、走行距離にして3~5万kmごと。

エアクリーナーは消耗品と考え、法定点検時に清掃をしてもらったり、必要なら交換をしてください。

エアクリーナー定期交換のメリット

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出典:https://www.photo-ac.com/profile/766590

エアクリーナーを定期的に交換すると、次のようなメリットがあります。

①エンジンの調子が良好に!!

エンジン状態を良好に保つには様々な要因がありますが、エアクリーナーもその1つ。

エアクリーナーが目詰まりした場合、空気の流入量が落ち、エンジン出力の低下につながります。

そのため、アクセルを踏んでも出力が上がらず、発進や加速時にもたつきを感じるでしょう。

そこでパワーを得ようとアクセルを踏んでも燃料が噴射されるだけで、燃焼に必要不可欠な空気の量が足りないので、パワーが上がるはずはありません。

燃費が落ちた、エンジンの吹け上がりが悪いと感じたら、エアフィルターを疑ってみてください。

エアクリーナー定期交換のデメリット

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Photo by セーラム 出典元:https://www.photo-ac.com/profile/919961

では、エアクリーナーを定期交換した場合の、デメリットはあるのでしょうか?

①出費があり、時間がかかる場合も

エアフィルターを交換するには、当然部品代や工賃が必要です。

純正品なら部品代で3,000~5,000円程度、工賃は10分程度の作業なので1,000~2,000円程度で、合計4,000~7,000円かかります。

また、エアフィルター交換時は、当然自動車は使えません。

ディーラーで予約しておけば作業はスムーズに終了しますが、カー用品量販店などで予約なしだと、作業までどれくらい待つことになるかわからず、大切な時間を浪費します。

②チューニング用の場合、パワーダウンの可能性も

チューニング用エアクリーナーの場合は、吸気に主眼を置いているため、防塵フィルターは少なめになっています。

そのため、クリーンな空気を大量に取り入れると、エンジンの燃焼も多くなりますが、あまりに多すぎるとパワーダウンする可能性も。

これは排気系がノーマルのままで、設計想定以上の排気ガスが流されると、うまく排気できないためです。

この場合、マフラー・エキマニ・途中のパイプも交換する排気系チューニングを行うと、排気ガスの流れが良くなり、エンジンのパワーアップが見込めます。

まとめ

エアクリーナーは地味な存在ながら、エンジンの安定稼働に大きな役割を果たしています。

法定点検以外でも、日ごろからエアクリーナーをセルフチェックし、汚れや破損に早めに気付くように心がけましょう。

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