真夏の車内は、サウナ並に暑くなることもしばしば。クーラーを全開にしても、車内の温度が下がるまでにはしばらくかかり、走り始めるまでに汗だくになった経験はありませんか?そんな真夏に、クルマを屋外に駐車する際の注意点や暑さ対策などをご紹介します。

掲載日:2019.8/1

出典:写真AC

炎天下の車内はわずか15分で熱中症レベルに

© 一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)

真夏の車内は、かなり過酷な空間になっています。

JAFの調べによれば、外気温35℃の日にクルマのエアコンをOFFにした状態でクルマを放置すると、わずか15分で車内は熱中症指数が危険レベルに達するのだそうです。

また、さらに時間を置くと車内は50℃以上に達し、命の危険に関わるレベルになります。

ダッシュボードで目玉焼き!?故意に触れば火傷


JAFの実験では、ダッシュボードの最高温度は79℃まで達し、フライパンに卵を載せて置くと、目玉焼きが焼けるほど。

また、ハンドルも同様で、不意に触ると火傷することもありえます。

ダッシュボードに置いておくと危険なもの

これほどダッシュボードが高温になれば、目玉焼きが焼けるどころか、トラブルを引き起こす可能性もあります。

例えば、スマートフォンのような電子機器にとって熱は大敵。

また、100円ライターやスプレー缶などは、最悪爆発してしまうこともあるのです。

これはダッシュボードではなく、高温化した車内に置いているだけで、爆発の恐れも。

メガネや水の入ったペットボトルは、フロントウインドウから差す太陽光を一点に集中させて着火する『収れん火災』を起こしかねません。

ほかにも炭酸飲料の入った容器も爆発の恐れがあり、プラスチック製品や化粧品は溶けてしまいます。

車内に直射日光を入れないことが一番の対策

KAAOO 車用サンシェード / © 1996-2019, Amazon.com, Inc.

日陰のないところに駐車する際の対策は、サンシェードが有効です。

サンシェードは、直射日光からの侵入を防ぎ、ダッシュボードやハンドルが高温化するのを防いでくれます。

また、ダッシュボードやハンドルに白いタオルを被せておくのも効果的です。

© Honda Motor Co., Ltd.

最近ではUV/IRカットの窓ガラスを装備しているクルマも増えてきましたが、断熱フィルムをクルマの窓ガラスに貼ることも有効な手段。

フィルムには透明なものと若干の色付きのものがありますが、フロントガラスとフロントドアの窓ガラスに色付きフィルムを貼ると違法改造になってしまうので、注意が必要です。

また、駐車時に窓ガラスに3cmぐらいの隙間を開けた状態であれば、中に熱気がこもりにくく、密封しているよりも低い温度を保てます。

しかし、わずか3cmでも、プロの窃盗団はこの隙間からピッキングをして車上荒らしをする事は十分可能で、あまりおすすめ出来ません。

とにかく、駐車中のクルマには車内へ直射日光やUV、IRが入らないような対策と、上記で紹介したトラブルを起こす要因となる危険なものは入れないでおきましょう。

救出のために、窓ガラス割るのも辞さないが……

出典:写真AC

真夏の駐車時に、子供をクルマの中に残して、命の危険にさらす事故が毎年のように報道されています。

去年の4月26日には、茨城県内のある商業施設で、生後3ヵ月の乳児が駐車されていた軽自動車の中で死亡する事故が起こりましたが、その原因は車内で寝たまま約4時間に渡って放置されたことによる熱中症でした。


また、パチンコ店チェーンのマルハンでは、店内に「お子様の車内放置を発見した場合は救出の為、車の窓ガラスを割る場合があります」とポスターを貼り、従業員が駐車場を巡回したり、店内アナウンスをして注意喚起を行っています。

2018年7月12日の千葉県八千代市のマルハン八千緑が丘店。

この日、日中の気温は30℃を超える中、駐車場のクルマの車内にぐったりとした女児を従業員が発見し、窓を叩いたり声をかけても反応がなく、店内アナウンスでクルマの持ち主を呼び掛け、警察に通報しました。

最終的にクルマの窓ガラスを割ろうとしたその瞬間に、女児が寝返りをうち、意識があることを確認。

その10分後にクルマの持ち主である母親が戻ると、「短時間じゃないですか」、「こんなことで子どもは死にません」と逆ギレするという始末でした。

さらに、マルハンの窓ガラスを割る場合もあるという注意書きに対し、一部で「託児所を作れ」という批判もあるなど、パチンコへ行く親が責任転換を持ち掛けた自己中心的な意見に思います。

「真夏の車内に子供を置き去りにしてはならない」と社会的にもこれだけ叫ばれているにもかかわらず、なぜこのような事故は無くならないのでしょうか。

まとめ

出典:写真AC

温暖化のせいなのか、日本の真夏の暑さは尋常ではなくなってきました。

それに従い、駐車直後の車内はかなり暑い空間になっています。

そんな灼熱地獄の車内対策を行い、悲しい事故を起こさずに真夏をのりきってください。

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