京都発の電気自動車(EV)メーカーGLM株式会社から、昨年パリのモーターショーで公開された『GLM G4』が遂に日本でも発表されました!2019年の量産を目標に、日本初のEVスーパーカーを目指して開発されているこの車両は、何を目指し、どのように今後展開していくのでしょうか?
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GLM-G4車両コンセプト
コンセプトは『Road Yacht(ロードヨット)』。
路上を走るヨットをイメージしていて、現代のラグジュアリーカーの新境地を拓く、新時代の「グランドツーリングカー(GTカー)」という位置づけを目指し、開発が進められています。
代表取締役社長 小間裕康氏コメント「約7年間、当社は自動車メーカーとしての実績を作ることに注力してきました。その上で『人々がワクワクするような時間を提供できる車』をつくることを掲げてきました」「そして今、G4の開発で、一歩前に、歩を進めようとしています。ZZで目指したのは『童心に帰る、子どものように楽しめる時間を与えてくれる車』でした。一方でG4は『官能的な時間を与えてくれる車』を目指します。日常の喧騒から離れるため、鞄ひとつで旅に出かけ、歴史に触れ、アートに触れ、音楽に触れ、食に触れ、一つまた豊かな時間を送る。そういったきっかけを与えてくれる車、そういった気持ちにさせてくれる車です。つまり、利便性だけではない、何か大事なものを気づかせてくれる車です。便利とは異なる官能的な世界を届けていきたい、そう心から思う次第です」「当社がこうした取り組みを実現できるのも、日本に、非常に優れた自動車技術があるからです。GLMは、そうした技術をもつ素晴らしい会社に支えられています。GLMはその高い技術を結集して、自動車の可能性を飛躍的に高めていきます。我々はG4を日本のテクノロジーショーケースとなる作品として世に送り出し、日本の素晴らしい技術が世界各国の自動車に組み込まれる、そんな未来を描いています。」
販売目標1,000台を目指して
日本初のEVスーパーカーとして、2016年パリモーターショーでコンセプトモデルが公開された『GLM-G4』。
当時も、その前後ドア4枚が跳ね上がる「Abeam Sail door(アビールセイルドア)」が採用されたデザイン性の高い外装や、高い性能からかなりの注目を集めましたが、なんと、この度2019年の量産を目指し、想定価格4000万円での販売が発表されたのです。
そして今後は、各国のモーターショーに出展し、世界的なマーケティングの展開を予定!
販売台数は1,000台を目指し、同車だけで400億円程度の売り上げを目標をとして事業を展開していきます。
GLM G4 スペック
GLM G4のスペック
駆動方式:4WD
搭載モーター:Multi saliency power packeage×2基(専用開発品)
最高出力:400kW(540馬力)
最大トルク:1000Nm(101kgm)
0-100km/h加速:3.7秒
最高時速:250km/h
航続距離:400km特長
・専用開発の高効率・高出力なモーター「Multi saliency power package(マルチ・サリエンシー・パワー・パッケージ)」による様々な走行シーンでの効率と運動性能を向上。
加えて同パッケージを前後に2機搭載し、協調制御を行いながら、走行性能を向上させます
・トランスミッション(伝動装置)の多段化で、パワートレインの出力に左右されない運動性能の向上
・IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタと呼ばれる大きな電流や電圧に耐えるパワー半導体)の改良によるスイッチングロス(電気回路の開閉で生じる電力損失)低減と電費の向上
・シャシー構造に複合素材を採用、軽量かつ強固に加えて、多車種への応用が可能。
本パッケージをベースに車を開発すればコストを圧縮できます販売予定価格:40,000,000円
世界のEVスポーツとの0-100km/h比較
GLM G4はスペックだけ見ても、非常にハイスペックなクルマであることがわかりますが、世界のEVと比べると、どのようなクルマと同じ水準なのでしょうか?
近年各メーカーでも取り入れている0-100km/h加速で、世界のEVスポーツと比較していきます。
テスラ モデルS P100D 2.7秒
世界中が注目するアメリカはシリコンバレー発のEVメーカー、テスラ。フラッグシップであるモデルSは、0-97km/h加速(0-60mph加速)を2.7秒という、スーパーカー顔負けの加速力を持った一台。
価格は1700万円台と非常に高額ではありますが、G4と比べると2300万円ほど安く、ある意味、今いちばん手が出しやすいEVのひとつなのかもしれません。
なお、このモデルS P100Dは、EGT(エレクトリックGT)というEVレースへの参戦が決定しており、レース車両は0-100km/hを2.1秒というタイムを記録。
現時点では1秒以上G4の方が遅いことになりますが、量産までの2年の開発を経て、EGTでの直接対決が見てみたい一台です。
駆動方式:AWD(前後モーターによる4輪駆動)
搭載モーター:2基
最高出力:760馬力
最大トルク:967Nm
0-97km/h加速:2.7秒
最高時速:250km/h
航続距離:613km(欧州基準)
販売価格:17,041,000円
NextEV NIO EP9 2.7秒
世界最高峰のEVフォーミュラレースである、フォーミュラEの初代シリーズチャンピオンにも輝いた中国のメーカー「NextEV」の独立ブランドから発表されているNIO EP9
モーターを4基搭載し、最高出力はなんと1300馬力オーバーという、スーパーカーを超えたハイパーカーです。
このクルマ、世界各国のEVスポーツが持つ記録を次々塗り替えており、ニュルブルクリンク北サーキットでは7分5秒12というタイムを記録。
これは、和製スーパーカーである日産R35GT-Rより持っていた7分08秒68という記録よりも3秒も速い驚異のタイムです。
価格はおよそ1億3千万円と、G4とは少々ステージの違う一台ではありますが、いつか直接対決も見てみたい一台です。
駆動方式:AWD(前後モーターによる4輪駆動)
搭載モーター:4基
最高出力:1,341馬力
最大トルク:1480Nm
0-100km/h加速:2.7秒
0-200km/h加速:7.1秒
最高時速:320km/h(200mph)
航続距離:426km
販売価格:約130.000,000円(120万ドル)
AMZ(Academic Motorsports Club Zurich)グリムゼル 1.5秒
2017年時点で、0-100km/h世界最速のEVは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の学生達が作ったこちらのフォーミュラのようです。
パワーはおよそ200馬力と、スポーツカー並ですがトルクは驚きの170kgm越え。
そして車重がなんと168kgという超軽量な車体で、驚異の0-100km/h1.513秒と言う記録を達成しています。
市販されているわけではないので、比較としては成立しませんが、EVの未来を感じざるを得ない一台であることは、間違いありません。
車体内部動画も公開!年内には走行シーンの公開も予定
まとめ
GLM取締役の田中智久氏は「今後は和製テスラのようになっていくのか?」という質問に対しこう回答しています。
「ご質問いただいたように、私ども和製テスラと言われることが多いのですけれども、私たちが見ている世界は少し違うところがあります。
例えるなら、私たちが目指すのはEV版のフェラーリ。というような高付加価値を提供できる企業を目指しています。」
また、GLM代表取締役社長である小間裕康氏は、今後の展望として
「我々の車に搭載されている技術を、他車に提供していきたい。
日本のテクノロジーというものを、まず自分たちの”非常に尖った車”に埋め込んで体現し、しっかりとお客様に楽しんでもらう。
その上で、その技術の良質さを知った会社様に、日本の技術を提供していく。
最終的には、自動車産業に自動車業界以外の企業を巻き込んで、自動車を使った新たなビジネスを作り上げたい。」
とも回答していました。
おそらく、2019年に販売が開始された際には世界中が注目するであろうEVスーパーカーGLM G4。
量産の暁には、世界中のEVにMade in Japanの技術がふんだんに使われた車両が生まれるきっかけとなる、革命的な一台になるかもしれません。
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