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「自分たちだけでクルマを作る」夢に挑むベンチャー企業「GLM」が突き進む未来とは?

京都を本拠地とするEVメーカー「GLM」をご存知ですか?クルマ好きなら知っているであろう幻の国産スポーツカー「トミーカイラZZ」をEVマシンとして復活させ、あのグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにも出場を果たした新進気鋭のベンチャー企業です。今回は、事業拡大に向け、新しい人材を広く募集するなど成長を続けるGLMの設立から今までを振り返っていきたいと思います。

出典:http://tommykairazz.com/philosophy/

EV自動車メーカー「GLM」とは?

出典:http://tommykairazz.com/specification/

2010年、京都大学の「京都電気自動車プロジェクト」を母体に生まれた、電気自動車メーカーである「GLM」。

代表取締役を務める小間裕康氏がこの会社を立ち上げた動機は「自分たちだけで、クルマを一から作りたい」という夢を実現させる為でした。

無謀とも取れる挑戦ながら、「この会社ならやりたいことをやれる」と感じた人々が、大手自動車メーカーや他業種からGLMのもとへ次々と集まっていったのです。

そして彼らは、設立から2年が経った2012年に日本初のEVスポーツカー認証取得に成功。

これは日本のベンチャー企業としては初の快挙であり、ここに夢への第一歩を踏み出したのです。

また、EVが持つ「エコロジー」なイメージを背負いつつ、彼らの場合そこに確かな「クルマ愛」があることも見逃せません。

その証拠と言えるのが、話題となった「トミーカイラ ZZ」の復活プロジェクトでした。

 

伝説を新しい形で蘇らせた「Tommykaira ZZ」

出典:http://tommykairazz.com/drivability/

京都に本拠地を置くチューニングメーカー「トミタ夢工場」は、1997年に同社のブランドである「トミーカイラ」より念願のオリジナル・スポーツカー「ZZ」を世に送り出しました。

アルミ・フレームにFRP製ボディというレーシングカーさながらのパッケージは人々を魅了したものの、法改正の影響で間も無く販売が中止されてしまいます。

その進化版の「ZZⅡ」は2001年にプロトタイプまで完成していましたが、けっきょく紆余曲折を経て開発が中止。「トミーカイラ」の名とともに、その存在は永く幻となっていたのです。

そして10年近くが経った頃、EVというまったく別の形でスポーツカー生産を志していたGLMは、同郷でもあるそのブランドを復活させるべく動き出します。

全く違う生い立ちを持ちながら、「クルマを作りたい」という夢のもとに、新たなコラボレーションが実現したのです。

出典:http://tommykairazz.com/specification/

こうしてトミタ夢工場の創業者である冨田義一氏が社外取締役に就任し、プロジェクトがスタートします。

開発を進めていく中で、次第にGLMは多くのパートナー企業から協賛を得るようになり、最新技術を結集した電動パワーユニットを完成させるのです。

その出力は実に305psを達成し、最大トルクも42.3kg−mという申し分のないスペックに到達していました。

シャシーには”初代ZZ譲り”の技術ともいえるアルミ製バスタブ・モノコックを採用し、そこにFRP製のボディをマウント。

車重わずか850kgというスーパーEVへと生まれ変わった「ZZ」は2015年10月に量産を開始、その痛快な走りでEVに対する偏見を見事打ち破ることに成功したのです。

出典:http://tommykairazz.com/drivability/

シフトチェンジなしのシームレスな加速、そしてタイヤのスキール音がはっきりと聞き取れる静粛性は、新たなスポーツドライビングの可能性を示したと言えます。

その注目度の高さから、発売前の同年6月にはイギリスの伝説的イベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」への招待出場という快挙も成し遂げました。

 

クルマの新しい概念に挑む「GLM G4」

出典:http://glm.jp/jp/products/

しかし、ZZ開発で得た「少量生産スポーツカー」の開発ノウハウは、”足がかり”であるとGLMは考えている様です。

次なるステップは「量産車」の開発であり、いよいよ独立した自動車メーカーとしてのブランディングにも着手しているのです。

出典:http://glm-g4.com

2019年の市販化を目指して開発が進められる「GLM G4」はその第1弾で、2016年のパリ・モーターショーでコンセプトモデルが初公開されました。

驚くべきはその運動性能で、前後2基の電動パワーユニットは総出力540psを達成!

0-100km加速が僅か3.7秒という、高性能スポーツカーとして遜色の無い性能を誇ります。

出典:http://glm-g4.com

一見、そのスタイリングは2ドアクーペに見えますが、前後に開くガルウィング式4ドアを採用しているのも大きな特徴です。

タイトなデザインなのに4名が座れるスペースが難なく確保出来るのも、パワーユニットがコンパクトなEVの大きな長所なのです。

こうしたオリジナルの市販車に加え、GLM社内では「プラットフォーム事業」と言われるプロジェクトも進んでいます。

これは自動車製造に新規参入するメーカーへ向けて、開発ノウハウを生かしたプラットフォームを提供する、というOEM事業です。

自動車を製品化することの敷居を下げ、多くのメーカー参入を促すことで「多様性のあるクルマ社会」を作り上げることも、彼らの今後のビジョンなのです。

 

これからが最高に面白い!!GLMが新しい仲間を募集

出典:http://glm.jp/jp/technology/#/platform_chassis/

そんなGLMが事業拡大に向けて現在、広く新しいメンバーを募集しています。

公式ホームページの採用情報を見ると、パワートレイン設計や車体開発などのエンジニア職だけでなく、国内外事業開発やセールス部門といった、異業種部門の採用も進められている様です。

絶対的リーダーや体系的な組織を置くのではなく、「個の能力をいかに発揮させるか」を重視するGLMの思想は、既存の自動車メーカーとは一線を画すものと言っていいのではないでしょうか。

何もないところから考えることをおもしろがり、

無理だと言われるとなおさらつくってみせようと燃えてくる。

どこかからの指示ではなく、自分で仕様を決め、その責任も自分で引き受ける。

GLMは、そんな自律した技術者たちの集団となりました。

GLM ホームページより抜粋

新しいことに挑戦したい、クルマ社会を変えたい…と考えている人たちにとって、今これほど魅力的な職場はないかもしれません。

 

まとめ

出典:http://tommykairazz.com/gallery/

「スポーツカーをEVで作る」というGLMの挑戦、いかがでしたでしょうか。

彼らの情熱的プロダクトは、「エンジンを積んでいなければクルマじゃない」という固定概念への挑戦にも見えます。

トミーカイラというブランドを敢えて復活させたことや、過去のレーシングカーに習ったアルミフレームなどの製造技術は、ただ「新しいこと」を追い求めるのではなく、GLMが日本の自動車産業を”伝承”しようとしていることを物語っているのではないでしょうか。

そして今、電動モーターというパワープラントは、既にガソリンエンジンを凌駕する域にまで進化しています。

エコだけど非力、物足りない…という電気自動車のイメージを根底から変えたGLMの功績は、現時点でも非常に大きいと言えます。

成長を続けるGLMが、日本の産業界が誇る”一流自動車メーカー”となる日も、そう遠くないのかもしれません。

 

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Writer Introduction
Shinnosuke-Miyano

20代の頃はメカニックをしたり、お洋服の仕事をしたり、とりとめのない日々を送ってきました。 クルマの楽しさやレースの奥深さを、時にマニアックに、時にエモーショナルにお伝えしていければと思います。 https://www.facebook.com/shinnosuke.miyano

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