車を維持していく上で避けて通れない車検。車を持っている方なら、毎回時間と費用に頭を悩ませているという方も多いと思います。そんな私たちになじみ深いと言っても良い車検が、公道を一切走ることの無いGTマシンにも存在することをご存じでしょうか?
hoto : Kiyoshi WADA Text : Shingo MASUDA
市販車の車検とは全く違うGTマシンの車検
車検といっても、市販車が2年に1回(貨物車は1年に1回)受ける車検とは全く違います。市販車の車検では、主に国が定めた最低限の安全基準である“保安基準”に適合しているかを検査しますが、GTマシンの車検は、レースの公平性と安全性を保つことが目的です。
GTマシンの車検は、搬入日である金曜日の午後から行われ、決勝終了後まで計4回実施されます。
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ホモロゲーションやレギュレーション、安全性をチェック
FIA-GTに属し、GT300クラスに出場するARTA 55号車 NSX-GT3。車検ではメーカーから出されているNSX-GT3のホモロゲーション、そして、レースのレギュレーションに適合しているかが検査されます。
また、ターボの加給圧が適正になっているか(NA車はエアリストリクターの径)、さらに、前戦までの獲得ポイントによって決まるサクセスウエイトなどもチェック。スーパーGTでは車検を行うことで、レースの公平さを保っているのです。
もちろん、ロールゲージやシートベルトといった安全装備や、ヘッドライト、ウインカー、マーシャリングシステムも検査されます。
車好き、レース好きにはたまらない公開車検
スーパーGTならではの光景とも言える車検ですが、応援する私たちにとって見逃せないのが、土曜日の予選、朝1番で行われる公開車検です。
各チームのマシンがピットレーンに並ぶ公開車検では、GTマシンを間近で観ることができます。各マシンはタイヤとフードが外された状態のため、車好き、レース好きにはたまらない光景です。