日本一の観客動員数を誇るスーパーGT。その魅力は、スープラ、GT-R、NSXといった車好きにはお馴染みのスーパーカー達が、抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げながらレースが展開していくことです。そして、シーズンのチャンピオン争いを面白くしているのがサクセスウエイト。チャンピオン争いをさらに面白くするサクセスウエイトについて、ARTA55号車 NSX-GT3を担当する岡島エンジニアに話をお伺いしました。
Photo : Kiyoshi WADA Text : Shingo MASUDA

50kg増でラップタイムは1秒ダウン!?

サクセスウエイトとは、2020年シーズンまでウエイトハンデと呼ばれ、その名の通り、ウエイト(重さ)によるハンディキャップのこと。2021年からは、サクセスウエイト(略称SW)に改称されました。
搭載するウエイトは、前戦までの獲得ポイントによって決められます。例えば、GT300クラスの場合、前戦で1位となり20ポイントを獲得すると、次戦では60kgを積まなければなりません。

第4戦が行われたツインリンクもてぎを例に挙げると、50kgの増えることでラップタイムの落ち込みは約1秒程度。60kgというと人1人分程度の重さですが、軽さが武器のGTマシンにとってその影響は計り知れません。

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FIA-GTのARTA 55号車 NSX-GT3にとってウエイトの影響は甚大

ARTA 55号車 NSX-GT3が参戦するGT300クラスには、FIA-GT、JAF-GT、マザーシャーシという3種類のマシンが走っており、FIA-GTであるARTA 55号車は重量で不利。そんな状況でも、勝った分サクセスウエイトを積まなければならないのは相当キツイはずです。

2020年シーズンの第6戦が行われた鈴鹿サーキットで、100kgのウエイトを積み戦った経験があるARTA 55号車 NSX-GT3。やはりマシンに対する影響は大きく、さらにセッティングの幅が狭いFIA-GTに属するNSX-GTは、かなり苦労したようです。

サクセスウエイトのシステムを知ればスーパーGTがかなり面白くなる!

サクセスウエイトは、我々見る側にとってチャンピオン争いを面白くしてくる存在です。しかし、ウエイトが増えればタイムが遅くなるのはもちろん、タイヤへの負担が大きくなりチームにとっては厄介な存在のはず。

ウエイトの搭載量を把握しチームの順位がどう変わっていくのか、レース運びがどう変化していくのかに注目してみるのも、スーパーGTをさらに楽しむポイントです。

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