1950年より、実に70年以上の歴史を誇るモータースポーツといえば「F1」です。そんな、F1に参戦してきたドライバーたちの中には、親子で夢の舞台へ駆け上がったドライバーも多数存在。歴史を築き上げてきたF1ドライバーたちの中で、懐かしい響きを持つ苗字を背負った”2世”ドライバーたちを、ご紹介しましょう。

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F1に親子で挑む”2世”が続々登場

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世界中から注目を集め、高い人気を保ち続けているモータースポーツカテゴリー「F1(フォーミュラ1)」は、1980年代後半から1990年代前半に生じた”F1ブーム”以降も、手堅くモータースポーツファンの心を掴み、年に1度、三重県・鈴鹿サーキットで開催される「日本GP」では、10万人を超える観客を集めています。

アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハ―、ジャン・アレジ、中嶋悟など、多くのレーシングドライバーがF1に挑戦し、ファンたちを沸かせてきました。

そんな、サーキットのヒーロー達の息子世代も、F1へと上り詰めて活躍し、父親に負けじと劣らない活躍を見せています。

親と子でF1での成績が逆転する場合も!

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”2世”として好成績を期待され、F1へのステップアップを果たしたドライバーたちですが、息子が親の戦績を凌駕する才能を持っていることもしばしば。

現役ドライバーで言えば、ヨス・フェルスタッぺン&マックス・フェルスタッぺンの「フェルスタッぺン親子」がその代表例で、父であるヨスは、ベネトンやティレルなど中堅チームを渡り歩いて実績を積みあげていきましたが、F1でのレース最高位は3位と1勝も挙げられずにキャリアを終了しています。

一方で、息子のマックスは2015年よりF1へレギュラー参戦。トロロッソよりデビューし、2016年にレッドブルへ移籍しています。

そして、2020年シーズン終了時点で、通算10回の優勝を挙げる活躍を見せました。

反対に、ミハエル・シューマッハ&ミック・シューマッハの「シューマッハ親子」、父ミハエルは、1991年よりデビューしてジョーダンやベネトン、フェラーリと渡り歩きながら、通算91勝と7度のドライバーズチャンピオンを獲得。

一方の息子であるミック・シューマッハは、2021年よりハースでF1デビュー。

2020年FIA-F2選手権ドライバーズチャンピオンの経歴を引っ提げて、鳴り物入りでF1へ昇格しましたが、現状のベストリザルトは13位完走と、目だった成績は残せていません。

主な”2世”F1ドライバーたち

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それでは、数多く存在するF1ドライバーの中で、2世にあたる選手たちをご紹介しましょう。

マックス・フェルスタッぺン(父:ヨス・フェルスタッぺン)

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マックス・フェルスタッぺンは、父にヨス・フェルスタッぺンを持つ現役若手F1ドライバーで、もっともチャンピオンに近いと言われるオランダ国籍のドライバーです。

父のヨスは、1990年代から2000年代前半まで中堅チームでF1を戦ってきたドライバー。

ミハエル・シューマッハとも、チームメイトとして一緒に戦った経験を持ちます。

マックスは4歳からカートレースを始め、若年層から英才教育を受けてきたドライバーです。

オランダやベルギーをメインに、レーシングカート選手権へのチャレンジを開始し、最終的に世界選手権でのチャンピオンに上り詰めます。

そして2014年に、「ヨーロッパF3」での4輪レースデビューを叶え、ランキング3位に食い込む活躍を見せました。

この活躍が認められ、F1チーム「レッドブル・レーシング(レッドブル)」の育成ドライバープログラムへ参加。2015年にレッドブルの弟分チームである、「スク―デリア・トロロッソ」よりF1デビューを果たします。

そして、2016年シーズンの途中までトロロッソでポイント獲得を積み重ねていく活躍を見せると、兄貴分であるレッドブルのドライバーに大抜擢。

レッドブルでのデビューレースである第5戦スペインGPでキャリア初勝利を挙げ、いまだに破られていない18歳227日での最年少優勝記録を打ち立てました。

2021年現在、日本のホンダと手を組んだレッドブルのエースドライバーとして、現役の”絶対王者”であるルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の対抗馬として君臨。F1へ、参戦し続けています。

ミック・シューマッハ(父:ミハエル・シューマッハ)

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ミック・シューマッハは、7度のF1ドライバーズチャンピオンを獲得したミハエル・シューマッハを父に持つ、”期待のホープ”。ドイツ国籍のドライバーです。

1994年から1995年、2000年から2004年までと、7回もの王座に輝いたミハエル・シューマッハは、「皇帝」のニックネームでF1ファンから称えられる名ドライバーの1人。

ミハエルの息子として生まれたミックは、2008年からレーシングカートでキャリアをスタートさせました。

国際クラスのカートレース大会で実績を積んだのち、ドイツ&イタリアのF4選手権、ヨーロッパF3で4輪レースを経験。ヨーロッパF3では、シリーズランキング最高2位の好結果を残します。

そして2019年より2シーズン、F1直下カテゴリーである「FIA-F2選手権」に参戦。2020年は、並み居るライバルたちと競り合い、堂々のドライバーズチャンピオンを獲得しています。

そんなFIA-F2での活躍が評価され、2021年よりハースF1チームでF1デビューを実現。

同じくFIA-F2を戦ったロシア国籍のライバルドライバー、ニキータ・マゼピンと”ルーキードライバーコンビ”で、注目を集めています。

ジャック・ヴィルヌーヴ(父:ジル・ヴィルヌーヴ)

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ジャック・ヴィルヌーヴは、伝説のフェラーリF1ドライバー、ジル・ヴィルヌーヴを父に持つカナダ国籍のドライバーです。

レース中のアクシデントにより事故死した父・ジルは、1970年代から1980年代前半までフェラーリF1のドライバーとして勝利を挙げるなど活躍。

チャンピオンには届かなかったものの、シリーズランキング2位にまで食い込んだ経歴を持ちます。

ジャックは、父をレース中の事故で失うも、同じくレーシングドライバー人生を歩む決意を固め、全日本F3選手権での武者修行やアメリカのインディカーレースの一種であった「CART」でチャンピオンを獲得するなど、着実に実績を挙げていきました。

そして1996年に、ウイリアムズからF1デビュー。

ルーキーイヤーから、チームメイトのイギリス国籍ドライバーであるデイモン・ヒルやミハエル・シューマッハらと激しいチャンピオン争いを繰り広げます。

そして1997年には、ミハエル・シューマッハとのバトルを制してドライバーズチャンピオンを獲得。

その後所属した「B・A・R」ではホンダ製パワーユニットを搭載したマシンを操るなど、日本にも縁のあるドライバーです。

中嶋 一貴(父:中嶋 悟)

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中嶋 一貴は、日本国籍初のF1フルタイム参戦ドライバーとなった、中嶋 悟を父に持つドライバーです。

ホンダとの結びつきが強い父・悟は、1987年から1991年までロータス ティレルでF1参戦を実現し、レースでの最高位は4位。

対する、息子の一貴はトヨタとの結びつきを選択し、17歳で受講したトヨタのレーシングスクール「FTRS」でスカラシップを獲得。

フォーミュラ・トヨタ、全日本F3、F3ユーロシリーズ、GP2(現・FIA-F2選手権)と順調にステップアップをしたのち、2007年最終戦ブラジルGPでF1デビューを果たしました。

その後2008年より2シーズン、ウイリアムズからレギュラー参戦。

モナコGPでは日本国籍ドライバー初のポイント獲得を達成するなど、着実な結果を残すも表彰台には届かず、2009年以降はF1のシートを失います。

その後は日本へ帰国し、スーパーフォーミュラやスーパーGTに参戦しているほか、WEC(世界耐久選手権)にトヨタ陣営のレギュラードライバーとして参戦。

2018年から2020年まで「ル・マン24時間耐久レース」で総合優勝を成し遂げるなど、著名な日本国籍ドライバーの1人として歴史に名を刻んでいます。

F1を目指す”2世”レーシングドライバーにも注目!

出典:https://superformula.net/sf2/headline/30033

上記に挙げたドライバー以外にも、F1を目指す”2世”レーシングドライバーは多くいます。

2021年、「全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権」に参戦しているフランス国籍ドライバー、ジュリアーノ・アレジは、かつてフェラーリなどでF1に参戦してレース優勝経験を持つジャン・アレジを父に持ち、FIA-F2選手権にもチャレンジしていたドライバーです。

2021年第3戦オートポリスでは中嶋 一貴の代役としてスーパーフォーミュラにも参戦し、わずか2戦目にして優勝を遂げる快進撃を見せました。

日本から再びF1、世界を目指す”2世”ドライバーの活躍にも注目です。

まとめ

出典:https://www.redbull.com/jp-ja/redbullracing/race-french-grand-prix-2021

70年の歴史を持つF1では、かつて参戦したドライバーたちの息子が、父と同じ舞台で栄光をつかむために奮起し、ドライバーズチャンピオンを獲得すべく戦っています。

ミック・シューマッハに続けと、ジュリアーノ・アレジなど、世界中からF1を夢見る”2世”若手ドライバーたちが実力を磨いているのです。

ぜひ、”2世”ドライバーのF1での活躍に、注目してみてください!