グラベルラリーのSS(スペシャルステージ)だけを抜き出したような、オフロードの短距離コースを全開で攻めるタイムアタック競技「ダートトライアル」。シリーズを追って観戦しよう!あるいは自分でも参戦しよう!と思っても、まずどこで見られるのか?という情報は必要です。その開催地として、まず北海道・東北編をご紹介します。

出典:http://blog.jdcea.org/

似ているようで全く違う「ダートコース」と「オフロードコース」

まずは、「ダートコース」と「オフロードコース」という、同じく未舗装路でありながら、異なる2種類のコース。

オフロードコースはランドクルーザーやジムニーのようなクロカン(クロスカントリー)4WDが攻める「極悪路」であったり、オフロードバイクが攻めるジャンプ台があるコースなど、かなり多様で大きな起伏があるコースとなっています。

対してダートコースは「未舗装サーキット」とも言えるコースで、ジャンピングスポットや路面のわだちが深いところはあるものの、基本的には平坦なオフロードコースと考えればいいでしょう。

「あそこもオフロード車やオフロードバイクが走っているけど、もしかしてダートトライアルやってるのかな?」という場所でも、未許可な事も多いので注意が必要です。

それを踏まえ、以下JAF公認ダートトライアル競技が開催されているコースを、北海道と東北からご紹介したいと思います。

 

自然がいっぱい北海道編!

出典:http://blog.jdcea.org/

北海道のダートトライアルコースは、大きく4カ所!近郊型から大自然のど真ん中、果ては氷上コースまで、さまざまなコースが見られます。

中にはWRC(世界ラリー選手権)ジャパンのSSで使われたコースもあるので、見たことがある人もいるかもしれません。

 

オートスポーツランドスナガワ

札幌から約80km弱と、北海道の感覚では近距離と言っても過言では無い砂川町中心部からほど近い石狩川の河川敷に広がるのが「オートスポーツランドスナガワ」。

舗装路ではジムカーナ、ダートコースではダートトライアルの開催可能であり、どちらも全日本シリーズの会場になっている、いわば北海道におけるスピード競技(ダートトライアルやジムカーナ)のメッカです。

高低差の少ないフラットダートによる高速コースとなっていて、障害物も少ないので観戦もしやすいのがありがたい。

非常にアクセスが良好で、ダートトライアル全日本戦、北海道地区戦にラリーも含めて年間数戦開催されているので、北海道観光の際にダートラやラリーSS(スペシャルステージ)観戦を組み込んでも楽しめると思います。

オートスポーツランドスナガワ

北海道砂川市オアシス町158

WEBサイト(オートアドバイザーピットビームス/株式会社邦明商事):http://www.homei-gr.com/beams/sunagawa/top.html

 

新千歳モーターランド ダートコース

出典:http://ncml.jp/

こちらも札幌から約60km弱とアクセス良好、さらに苫小牧からは約20km弱なので、フェリーで道外から訪れる人にとっても立ち寄りやすいのが新千歳モーターランドです。

舗装路が併設されていてジムカーナも開催されている事と、フラットな高速ダートコースという点もスナガワと共通ですね。

冬季には雪上トライアルがダートトライアル北海道地区戦などの一貫として行われます。

新千歳モーターランド

北海道千歳市美々1292-560

WEBサイト:http://ncml.jp/

 

糠平湖氷上コース

出典:https://www.youtube.com

北海道のど真ん中、上士幌町の糠平湖に冬季特設されるのが糠平湖氷上コースです。

いかにも北海道らしく、ダートトライアルの北海道地区戦は「糠平湖氷上タイムトライアル」として、ここ糠平の氷上で開幕を迎えます。

どこまでも平らな雪上の氷原コースを全開で攻められるのは、冬季に凍りつく湖上会場ならでは!

内陸山間部の冬季特設コースということでアクセス良好とはいきませんが、冬の北海道を訪れるなら、ぜひとも観戦してみたいコースです。

糠平湖氷上コース

北海道河東郡上士幌町字ぬかびら源泉郷

WEBサイト:無し

 

イーストジャパン オフロードスタジアム

出典:https://www.youtube.com

こちらも糠平湖同様、北海道のど真ん中にある士幌町が所在地。

かつては「廃車コース」と言われたこともあったイーストジャパンオフロードスタジアムの特徴は、純ダートコースのため起伏が激しい上に狭い道の周囲は樹木が生い茂り、ダートコースというより過酷な林道というべきレイアウトとなっています。

以前はコース脇に多数の廃車がズラリと並んで壁を形成し、コースオフは廃車との激突を意味するという凄まじいコースでしたが、現在は整備されており、少なくとも競技区間に廃車の壁は無さそうです。

それでも走行映像を見るとまるでラリーのSSのようで迫力満点!

しかし観戦もラリー同様、ギャラリースポットの樹木の間を縫うように見る形になるので、臨場感あるハードな観戦になるかもしれません。

イーストジャパン オフロードスタジアム

北海道河東郡士幌町字士幌東17線163

WEBサイト:無し

 

ちょっと寂しい状況ながら、まだ多くのアタッカーがひしめく東北

以前はダートトライアルが盛んだった東北ですが、東日本大震災後に仙台ハイランド(宮城県仙台市)とメーハイランドSSパーク(福島県二本松市)が相次いで閉鎖され、大石田スポーツランド(山形県大石田町)での開催も無くなったことで、かなり厳しい環境になってしまいました。

それでも特設会場でのスノートライアルを除き、2箇所の会場で多くのダートトライアラーによる熱いアタックが開催されているのです!

 

サーキットパーク切谷内

青森県五戸町にある本州最北端のダートトライアル会場であり、現在では東北唯一の全日本ダートトライアル開催会場となっています。

舗装路が併設されてジムカーナも開催されているという点ではスナガワや千歳と同様ですが、こちらは険しい地形を生かしたダートコースで、イーストジャパンと少し似ています。

違いはコース幅は若干広くてストレート区間も短く、高低差のの激しい悪路でひたすらコーナリングを繰り返すという、かなりのテクニカルコースだという事。

その地形ゆえ、コース全体とは言えませんが、観戦でもかなり見通しが利くコースです。

サーキットパーク切谷内

青森県三戸郡五戸町大字切谷内字石ケ沢40-103

WEBサイト:無し

 

エビスサーキット西コース

出典:https://www.youtube.com

数あるダートトライアル場でも「異色」と言えるのがこのコース。

前述の相次ぐ南東北ダートコースの閉鎖を受けて開設されたのですが、なんと通常の舗装サーキットにあるグラベルエリアを拡幅・活用しているのです。

そのため、パドックはサーキットそのもの、スタートとゴールは舗装路という、ダートトライアルとは思えない光景が現出しています。

コース途中で舗装路を使ったり横切ったりと、路面の変化がこれほど激しいダートトライアル場は本当に珍しいでしょう。

本格サーキットであるエビスだけにトイレなど設備面も整っており、東北サファリパークが併設されているのも特徴です。

エビスサーキット

福島県二本松市 沢松倉1

WEBサイト:http://www.ebisu-circuit.com/

 

まとめ

出典:http://blog.jdcea.org/

氷上コースあり、ラリーのSSのようなコースあり、フラットダートあり、果ては舗装路まで活用とバラエティに富んでいるのが北海道と東北のコースです。

どちらも広大な地域にコースが点在しているため、競技会の日やその前後は、コースに向かう屈強な競技車が高速道路や一般道を走り、あるいは積載車に乗せられている姿を見ることができ、観戦前から気分は盛り上がります。

是非とも皆さん、ダートトライアル会場に足を運んでみてください!