6月10~12日にカナダのモントリオールにあるジル・ビルヌーブサーキットでF1第7戦が開催。今年は波乱が多い決勝レースだが、今回もスタートから最終ラップまで「まさか」の展開が続く1戦となった。

©Pirelli

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ベッテルがロケットスタートでトップへ、メルセデス2台はまた同士討ち

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11日(土)に行われた公式予選。Q1からアクシデントが相次ぎ赤旗中断になるなど混乱が絶えないセッションになったが、エンジンパワーが求められるコースでメルセデス勢が速さをみせる。

中でも最終のQ3ではチームメイトバトルが白熱し、ルイス・ハミルトンが1分12秒812を記録するとニコ・ロズベルグも1分12秒874と肉薄。2回目のタイムアタックでは両者ともベストタイムを更新できなかったが、メルセデス勢がフロントローを独占した。

翌12日の決勝レース。スタートでは3番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が好ダッシュをみせ、あっという間に2台をパス。トップで1コーナーへ進入する。

背後ではハミルトンとロズベルグが2番手争いを演じるが、またしても接触。マシンの破損はなかったがロズベルグがランオフエリアに押し出される形となり、大きく後退。

ランキング1・2位を争う2人が早くも明暗が分かれるレースになってしまった。

2ストップで攻めるベッテルに対し、ハミルトンは…?

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序盤からトップ争いはベッテルとハミルトンの一騎打ちになり、3番手以下を置き去りにするペースで周回していく。

両者ともに予選で使用したウルトラソフトタイヤでレースを進めていたが、早くも戦略が分かれることに。ベッテルは11周目に1回目のピットストップを行いスーパーソフトタイヤへ交換。2ストップ作戦を選択する。

一方ハミルトンは長持ちしないと言われているウルトラソフトでの走行を続け24周目にピットイン。ここで今週末の中では一番硬いタイヤであるソフトを選択。

つまり、このまま最後まで走り切る作戦だったのだ。

これで2台の戦略が分かれたことで、レース中盤は、接近戦ではなく最終ピットストップを終えた後の順位を争う「目に見えない攻防戦」が展開された。

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トップのベッテルは自身の2度目のピット作業でかかるロスタイム分をカバーできるリードが必要。それに対しロングランでタイヤマネジメントを強いられる2番手ハミルトンは、それを阻止するべくライバルとの差を広げさせないペースで走る必要があった。

最終的に相手を上回っていたのはハミルトン。約10秒差に抑え、44周目にベッテルが2度目の作業を終えてコースに復帰した時にはトップを奪い返していた。

それでも今季初優勝のために諦められないベッテルは最後まで猛追したが、逆転には至らすチェッカーフラッグ。前回のモナコGPに続き2連勝を飾った。

2位にはベッテルが続き、3位にはバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)が入り今季初の表彰台を獲得した。

ランク首位のロズベルグがは3戦連続で表彰台を逃す

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一方、スタートから不運に見舞われたロズベルグは順位を取り戻すのに苦戦を強いられる。

途中で4番手までポジションを回復するがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との接近戦が続き、なかなか表彰台圏内まで手が届かない。

そしてファイナルラップのバックストレートでアウトから抜きにかかるが、ブレーキングの際に白線を踏んでしまいスピン。

幸い後続との差が大きく離れていたため順位を失うことはなかったが、結局5位で終わり開幕4連勝から一転、3戦連続で表彰台を逃してしまった。

ドライバーズランキングでは首位を守れたものの、2位ハミルトンにわずか9ポイント差に迫られることに。ヨーロッパラウンドに入って以降、流れが悪くなり始めており、次のアゼルバイジャンで踏ん張れるかがポイントとなりそうだ。

まとめ

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次回の第8戦は、初開催となるアゼルバイジャンのバグー。市街地コースが舞台となる。さらに激化しているメルセデスの2人によるバトルの行方は。フェラーリを始めとするライバルチームの逆襲があるのか。次回も目が離せない。