F1 ヨーロッパGP「アゼルバイジャン」で大活躍だったペレスを中心に、初開催のバクー市街地コースの特色を主観を交えながら振り返ります!2016年のF1は、彼から目が離せないかも知れませんよ!?

GP EUROPA F1/2016 - BAKU (AZERBAIJAN) 16/06/2016 © FOTO STUDIO COLOMBO PER PIRELLI MEDIA (© COPYRIGHT FREE)

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まずは今回の舞台であり、初開催のバクー市街地コースの特色からご紹介します!

※この記事は2016年の記事です。

壁とマシンの近さに見応えがあったバクー市街地コース

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今季からF1カレンダーに加わったバクー・シティ・サーキット。レース前から全サーキットの中で最も幅が狭いコーナー(ターン8~11)が見どころとされていました。

しかし実際に見て感じたのは、それ以上に「壁際での攻防」がスリリングでしたね。

その中で最もレースを演出していたのは、バトルが多発する1コーナーでした。

GP EUROPA F1/2016 - BAKU (AZERBAIJAN) 19/06/2016 © FOTO STUDIO COLOMBO PER PIRELLI MEDIA (© COPYRIGHT FREE)

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1コーナーは、入口は広いものの、出口に向かって徐々に狭くなるという特徴があります。

そのため、複数台でバトルをするには非常にリスキー。

そんな中でバトルが行われたため、出口付近では他車と壁の間をすり抜けるようなオーバーテイクも見られました。

こういった観点から、ドライバーの集中力が非常に求められるレースであったことは、間違いないかと思います。

 

現代のF1ドライバーは技量が高い!?

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壁が近い市街地コースでありながら高速サーキットであるという要素を持つバクー。

当初は荒れたレースになると予想されていましたが、大方の予想を裏切りレース中に目立ったクラッシュは起こりませんでした。

 

2016年は波乱が起こりやすいサーキットでも、クリーンなレースが多くなっています。

同じ市街地コースのモナコでは、雨でスタートこそセーフティカー先導となりましたが、結局その後は一度も姿を見せることはありませんでした。

またカナダも壁に囲われる高速コースのため例年クラッシュが多く見られますが、大きな中断もなく、見応えある上位争いが展開されました。

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そして迎えたバクーでは、予選こそ多少アクシデントがあったものの、決勝ではセーフティカーの出る幕はなく、接触寸前のハイレベルな戦いが頻繁に起こるレース展開に。

波乱要素のレースも面白いですが、ドライバーの危機回避や順位争いでハイレベルなテクニックが見られる今季のF1。

まさしく世界最高峰の自動車レースというのに相応しいのではないでしょうか?

 

そして、そのハイレベルなレースで光った選手がセルジオ・ペレス(フォースインディア)!

 

初開催バクーを攻め切ったペレス!今季2度目の表彰台を勝ち取る!

GP EUROPA F1/2016 - BAKU (AZERBAIJAN) 17/06/2016 © FOTO STUDIO COLOMBO PER PIRELLI MEDIA (© COPYRIGHT FREE)

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ペレスは決勝を7番グリッドからスタート。

 

速さが目立つような順位ではありませんが、これには理由がありました。

ペレスのマシンは、フリー走行中にクラッシュした影響でギアボックスを交換しています。

これによって5グリッド降格のペナルティを課され、公式予選で2番手のタイムを刻むも、7番手スタートに。

つまり、決勝でのポテンシャルは折り紙つきです。

 

スタート直後からその速さが光り、オープニングラップで5番手に浮上すると、そこから驚異的な走りを披露。

タイヤがもたず、早い段階でピットへ滑り込むドライバーを尻目に、安定した走りで16周を走り抜きピットへ向かいます。

 

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交換したタイヤはソフトタイヤ。

これが最初で最後のタイヤ交換となり、20周目にダニエル・リカルド(レッドブル)をオーバーテイク。

その後も快調なペースで周回を重ね、今度は3番手を走るキミ・ライコネン(フェラーリ)に忍び寄ります。

 

前を走るライコネンには、ピット入口の白線を踏んだとして、レース後5秒加算のペナルティを課せられていました。

つまり、ペレスはライコネンの後ろ5秒以内でゴールできれば、リスク無しで3位を手中に収めることができます。

それにも関わらず、果敢にアタック。最終ラップのホームストレートでライコネンを抜き去り、堂々の3位フィニッシュ。

今季2度目の表彰台となりました。

 

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データでも示されていたペレスの活躍

今回ペレスが好調だった要因ですが、一つはフォースインディア勢の最高速が伸びていたことです。

スピードトラップの計測ではチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが1位で「340.8km/h」

ペレスはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と同じ記録の2位で「338.5km/h」と、上位を陣取ります。

このお陰で、レースを楽に戦うことが出来ていたのではないかと思われます。

また、タイムを見てみると、ペレスの決勝最速ラップは4番手。1ストップ作戦のドライバーに限定するとメルセデスの2台に次ぐ3番手。

 

F1ヨーロッパGPタイム比較

これはチームメイトより1秒も速く、細かく分けた区間タイムも全セクターで上位勢と互角のタイム。なかでも第3セクターでは最速タイムを刻んでいます!

さらに、セクターごとのベストをつないだ仮想ベストでは、フェルスタッペンに次ぐ2番手!優勝したロズベルグをも上回ります!

全体的にはメルセデス勢に僅かに劣るもののフェラーリやレッドブルを凌ぐ速さで、チームの規模やマシンの性能を考えると驚異的。

 

出典:https://twitter.com/nico_rosberg

出典:https://twitter.com/nico_rosberg

ここ最近入れ替わりを見せるメルセデスの対抗馬は彼で間違いないでしょう。それだけにペナルティによる5グリッド降格が悔やみきれない結果となりました。

また、タイヤマネージメントに定評があるペレスは、これまで獲得した通算7回の表彰台の内、5回が1ストップ作戦で勝ち取ったもの。

今回もそれにならった形で3位に入りましたが、今までと違い、レース展開に助けられることもなく、自らの速さで掴み取るという素晴らしいレースをみせました。

このバクーでの活躍を見ると、似たような特性を持つ高速コースで、ペレスは要注目のドライバーとなりそうです。

 

 まとめ

最近、活躍著しいペレスに注目してレポートをお届けしました。

今後も勢いを増していきそうなので要注目ドライバーです!可愛げな笑顔で女性からの人気もあるんですよ!?

7月はなんと4戦もあるので毎週末レースに釘付けですね!?

まもなくタイトル争いも本格化してくる時期なので、夏のヨーロッパラウンドはF1も熱い展開になりそうです!