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1955年に販売を開始したシトロエンDSは、独特なスタイリングと独自のメカニズムを持ったシステムにより、「宇宙船」の異名が与えられました。シトロエンDSは、20年にわたり生産され、その思想は現在の「DS」に受け継がれています。今回は、1955年にデビューした「シトロエンDS」と、現在の「DS」に受け継がれる思想を紹介します。

出典:https://dspress.citroen.jp/permitted/document/others/
シトロエンDSとは?
シトロエンDSは、1955年10月にデビューした中型サイズの乗用車です。
1955年に発表された「DS19」は、宇宙船のようなスタイリングと独自の「ハイドロニューマチック・システム」を搭載。特徴的な「DS19」の設計と開発の中心となったのは、独学で航空エンジニアとなったアンドレ・ルフェーヴルと、油圧システムを考案したポール・マジェ、スタイリスト・彫刻家・画家のフラミニオ・ベルトーニの3人です。
フロントまわりでは、緩やかな弧で描かれるメッキバンパーとボンネットや、ステアリング操作と連動する「アクティブ・ヘッドライト」、湾曲したフロントガラスが、独特な表情を生み出しています。
サイドは、車両後方に向かって傾斜するルーフラインや、リアまで続くふくよかなボディパネル、リアタイヤを覆い隠したスタイルが特徴です。
リアまわりは、リアガラス上部に突き出た丸型ウインカーや、リアガラスの丸みや傾斜をそのまま連続させた形状のトランクリッド、メッキで縁取られたバンパーの中に佇むリアコンビランプが、シトロエンDSならではの後ろ姿を演出。インテリアは、ゆったりと座れるシートや、水平なダッシュボード、メッキで縁取られたアナログ時計やスイッチ類、そして1本スポークのステアリングが特徴的となっています。
外装・内装共に、メッキパーツをアクセントとして随所に使い、「フレンチラグジュアリー」を表現。走りの面では、シトロエン独自の「ハイドロニューマチック・システム」を採用し、サスペンションを中心に、ステアリングやブレーキなどを統合制御するシステムが構築されています。
中でも、「ハイドロニューマチック・サスペンション」は、金属バネの代わりにオイルと窒素を使った車高調整機構を備えるサスペンションで、上質な乗りが特徴です。
66年前に作られた車とは思えないほど斬新なデザインやメカニズム、メッキのさりげないアクセントがおしゃれな高級車が、シトロエンDSと言えるでしょう。

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シトロエンDSのラインナップ
シトロエンDSのラインナップは、「DS19」、「DS21」、「DS23」と、排気量違いで複数のバージョンが発表されました。
また、1958年に上級モデルの「DS19 Prestige」を発表。DS19は、1955年のデビューから1975年の20年間にわたり製造され、145万台を生産しています。

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復活した「DS」
2014年6月1日に、シトロエンの高級ブランドとして「DS」の名が復活しました。
新たに誕生した高級ブランド「DS」は、かつて20年にわたり製造されていた「DS19」が作り上げたアヴァンギャルドな価値を、現代風にアレンジした「フレンチラグジュアリー」を提唱。2015年には、DSブランド60周年と共に、新たなブランドロゴを発表しています。
そして現在のDSブランドは、「フレンチラグジュアリー」を表現したスタイル、テクノロジー、快適さと上品さ、上質な素材と洗練性を持ち合わせたラグジュアリーモデルとして、自動車業界でも一目置かれる存在にまで成長しています。

出典:https://dspress.citroen.jp/permitted/document/ds7/#photo
現在のDSラインナップ
高級ブランド「DS AUTOMOBILES」のラインナップ(2021年2月時点)は、コンパクトクロスオーバーSUVの「DS3 CRISSBACK」、エレガントクロスオーバーSUV「DS7 CROSSBACK」の2車種。
また、フューチャーモデルとしてCセグメントモデルの「DS4」と、プラグインハイブリッドセダン「DS9」の登場が予定されています。
今後、DSブランドがどのような「フレンチラグジュアリー」の世界を提供してくれるのか、目が離せないブランドとなっています。

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まとめ
「宇宙船」と呼ばれたシトロエンDSは、半世紀以上が経過した今でも斬新なスタイルの車です。
また、先進的な技術や上質な室内空間を持ち合わせ、シトロエンDSが作り上げた「フレンチラグジュアリー」の思想は、2014年以降「DS AUTOMOBILES」に受け継がれ、今でもフランスならではの高級車を世に送り出し続けています。
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