1100kg弱の軽量なボディに、4連スロットルを装備した4AGエンジン搭載のAE111型トレノ/レビン。レビトレの最終モデルでもあるAE111は、カローラベースらしい使い勝手の良いサイズ感と運転の楽しさで、今でも人気の高い1台です。
掲載日:2020/02/23
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トヨタAE111スプリンタートレノ/カローラレビンとは
1995年から2000年まで製造されていた、トヨタのFFコンパクトスポーツ、それがAE111スプリンタートレノ/カローラレビンです。
AE86が有名なレビトレ(レビンとトレノを合わせた俗称)ですが、このAE111は7代目であり、最後のレビトレでもあります。
特にラリー競技ではプロからアマチュアまで幅広く愛され、生産終了後も長きにわたって活躍。現在も大学自動車部では、現役車両が多く存在します。
今回は、そんなAE111型レビトレの魅力から、中古車で購入するにあたっての注意点まで、現オーナーの声をもとにご紹介します。
AE111型レビトレの魅力とは
AE111型が長らくモータースポーツで愛されてきた大きな理由の一つとして、名機4A-GEエンジンの最終バージョンが搭載された車両という点が挙げられます。
AE86でデビューした4A-GEエンジンですが、当然作ったら作りっぱなしなんてことはなく、随時改良が続けられました。
そしてAE111に搭載された最終仕様では、1気筒に5バルブを備えた20バルブエンジンに4連スロットルを装備し、NAながら165馬力をひねり出すまでに至っています。
また、そのパワーを支えるボディも適度なサイズ感と1トン前後の重量という、まさに楽しく走るには最適なスペックです。
また、トヨタの最先端技術が投入されていた車両でもあり、純正ヘリカルLSDやスーパーストラット、6速M/Tなど自慢の装備満載でした。
スペック
トヨタ・カローラレビン(AE111) | |
全長×全幅×全高(mm) | 4,305×1,695×1,305 |
ホイールベース(mm) | 2,465 |
車両重量(kg) | 990-1,100 |
タイヤサイズ | 195/55R15 |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC20バルブ |
排気量(cc) | 1,587 |
最高出力(PS/rpm) | 165/7,800 |
最大トルク(kgf・m/rpm) | 16.5/5,600 |
トランスミッション | 6速M/T |
駆動方式 | FF |
AE111レビトレの中古価格と注意点
現在の中古車市場では、40万円から80万円とタマ数の割に比較的広い価格帯となっています。
ここ5年程で倍近く値段が上がっており、今後も市場価格の上昇傾向は止まらない可能性が高い車両です。
ただし、値段が上がっても状態のいい在庫車が増えるわけではないので要注意。
本当に欲しいと考えている方は、すぐにでも購入を検討したほうが良いと言えるでしょう。
中古車を確認する際の注意点
中古車店で現車を確認する際に見ておくべき点は、この世代の車に共通して言えますが、エンジンヘッドカバーやオイルフィルター周りのオイル滲みが無いかをしっかりと確認しましょう。
もちろん、店舗側が清掃していたら確認はできませんが、そもそも滲みすら清掃していない店舗は避けるのが賢明です。
また、ウィンドウやドア周りのゴムモールの状態もチェックしておきましょう。
ゴムモール部品の新品はもちろんですが、中古すらめったに出ない部分です。
それまでの保管状況で今でも綺麗な物から、ボロボロで千切れているものまで千差万別。確実に見ておきましょう。
AE111レビトレの持病
中古車を購入する上で、事前に把握しておきたいのが車種特有のトラブル、俗に言うところの持病です。
AE111レビトレの代表的な持病をいくつか紹介しましょう。
まず多いのが、CPUの故障です。
これは、CPU内部のコンデンサが液漏れをおこしてしまう事が発端となってのトラブルで、同世代のトヨタ車にも多く見られるトラブルであり、CPUの交換(新品は出ません)が必須となります。
また、オイルの冷却能力が不足しており油温が上がりがちなのも持病の一つです。
もともと油量が少なく冷却性能が低いことに加え、ここ20年の平均気温の上昇が油温上昇に追い打ちをかけてしまっています。
特にスポーツ走行を予定している方は、オイルクーラーの設置は必須になるでしょう。
AE111レビトレの購入後の注意点
まずは、大前提として油脂類や冷却水等は現代の車よりも交換サイクルは短いです。
こまめに交換することで致命的なトラブルが減るため、長い目で見て出費が減るように日々のメンテナンスを行いましょう。
また、これも同世代の車に共通して言えることですが、新品部品は当然のこと、中古部品も見つからないという部分が増えています。
オークションサイトなどで壊れやすい部品を見つけたら、確実に入手しておくことをオススメします。
逆に言うと、しっかりメンテナンスをしていると年式相応のトラブルで済むため、しっかりと下調べをした上で、他のオーナーと情報共有が出来るようにしておくと多少安心できるかもしれません。
まとめ
最終型でも20年が経過している車ということもあり、ネオヒストリックカーの域に片足を突っ込んでいるAE111レビトレ。
年式相応のトラブルはありますが、それを補っても余りある魅力があるからこそ、今でも根強い人気があるのでしょう。
スポーツユースで使われている個体が多いため、今後ますますタマ数は減っていき、値段は高騰していくことは間違いありません。
AE111が欲しい方は、今がラストチャンスかもしれません。
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