ハッチバック車という、一見大衆向けの車でありながら、スポーツ走行もこなす「ホットハッチ」。海外、特に欧州で圧倒的な人気を誇っており、そのコンパクトなボディーからは窺い知る事の出来ないポテンシャルの高さも魅力の一つです。4枚ドアであったり、意外と車内スペースが広かったり、実用性も非常に高く持っていながら、走りを本気で楽しめる。そういったホットハッチの魅力をご紹介します!
ホットハッチとは?
諸説ありますが、ホットハッチという言葉には、正確な定義があるわけでは無いと言われています。
一般的には、比較的安価なコンパクトカーや大衆車をベースに開発されたスポーティーカーであることと、車両後部に跳ね上げ式のリアハッチを採用しているクルマの事を指しますよね。
ちなみに、初めてホットハッチと言われたのは初代フォルクスワーゲンゴルフGTIと言われています。
車重780kgの車体に、排気量1600cc(ベースのゴルフは1100/1500cc)のエンジンを搭載し、サスペンションやブレーキなどもベースモデルより強化したGTIは、大衆向けの居住性を確保しながら痛快な走りができることが魅力で、爆発的に売れました。
これによって、ホットハッチという言葉が一気に浸透。世間の認識は、日常生活の使い勝手を損なわずにスポーツ走行を楽しめる様なクルマとされていったと言われています。
現在、ホットハッチの人気は海外だけではなく、日本でも目立ち始めています。
例えばWRCやWTCCに参戦しているレーシングカーのベース車も、ホットハッチが非常に多いですよね。
ホットハッチのメリット・デメリット
「普段の使い勝手もよくて、スポーツ走行も楽しめるなんて最高じゃん!文句なしに買いでしょ!」なんて考える人もいるでしょうが、良い所ばかりではありません。
もちろんハッチバックならではのデメリットもあります。ここではメリット・デメリットを詳しく紹介していきます。
ホットハッチのメリット
車内の自由性が高いので、積載能力が比較的高い。
車種によって違いがあるのですが、基本的にシートアレンジを目的によって自由に変える事が出来ることと、ラゲッジスペースと車内が繋がっているため、多少大きな荷物でも積むことができます。
セダンの自動車だと、トランクは別スペースですし、なかなかこうはいかないですよね。
車種によって違いはありますがこういった利便性が高い事は、ホットハッチ・ハッチバックの特徴とも言えるでしょう。
手軽にスポーツ走行が楽しめる
ホットハッチが普通のハッチバックと違う所として簡潔に上げるとすれば、それは「走りを楽しむ事ができるかどうか」ではないでしょうか。
決して「スポーツカー」ではありませんが、そのスポーツ性は非常に高く、サーキットなどでも十分にドライビングを楽しむことができます。
日常の足として使う中にクルマを操縦する楽しみ・ワクワク感を感じさせてくれる、ハッチバックのコンパクトカー。これこそまさにホットハッチですね。
居住性が高い
前提として、ベースの車両が大衆向けの車両、ファミリーカーであることが多いので、車内のスペースは、スポーツカーなどに比べると広めです。
特に近年のハッチバック車であれば、後部座席でもパーソナルスペースを広く保つことができる車両は非常に多いです。
大人4〜5人が普通に乗れる広さで、居住性が良い部分もホットハッチの良い所なのではないでしょうか。
ホットハッチのデメリット
後部座席をたたまない状態では、ラゲッジルームが小さい
前述であったようにシートアレンジによって室内の広さは用途に応じて自由に変える事ができますが、通常状態でのラゲッジルームの容量は比較的少ない車両が多いです。
乗車人数が多い場合は後部座席をカーゴスペースに収納することができないので、その分荷室を大きくすることができません。
リアドアの開閉に、ある程度のスペースが必要
セダン車などトランクは、ドアというよりもあくまでも収納スペース専用の蓋。そのため、扉の開閉に無駄なスペースを必要としません。
ハッチバック車の場合、収納スペースの扉はあくまでドアなので、その開閉にはドアに見合ったスペースが必要になってしまいます。
実際、リアドアを開けようとしてもスペースがなくて、もう一度運転席に戻って車を少し前に出してから、もう一度リアドアを開けるという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
さて、ここまで大まかなメリット・デメリットを挙げてきましたが、メーカーさんの努力もあり、車種によって様々な特徴があります。
そこで、次のページではハッチバック車の中でも、特に人気のあるイチ押しなクルマをご紹介します!