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2016年のF1は北米大陸のカナダへと舞台を移します。今季初優勝を飾ったルイス・ハミルトンがいよいよ本領を発揮。さらに熾烈となったタイトル争いや荒れやすいことで知られるカナダGPの見どころをご紹介します。

©Pirelli
モナコ優勝のハミルトン、得意のカナダでロズベルグに迫るか?

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今シーズンは運に見放されていたルイス・ハミルトン(メルセデス)ですが、前戦モナコGPで待望の今季初優勝。
一方ランキング首位を快走するニコ・ロズベルグ(メルセデス)が7位に沈んだことで、ポイント差を24点に縮めることに成功しました。
現在のポイントシステムは1位に25ポイントが与えられるので、24点ならば1レースでひっくり返すことも可能。ロズベルグ優勢と見られていたチャンピオン争いも、どちらに転ぶのか予想がつかなくなってきました。
そこで次戦カナダへ目を向けるとハミルトンは得意としているレース。
かつて史上最年少優勝を飾った場所でもあり、歴代で見てもミハエル・シューマッハに次ぐ2番目に多い4度のカナダGP制覇を成し遂げています。

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反対にロズベルグはやや苦手としており、これまで優勝を飾ったことがありません。これはハミルトンにとって今回もポイント差を縮めるチャンス。
出来れば一気に差を詰めたいところでしょう。
脚光浴びるペレスは今回も要注目ドライバー!?

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モナコGPでの3位表彰台で大きな賞賛をさらったセルジオ・ペレス(フォースインディア)は、ここカナダでも大きな注目を浴びるかもしれません。
これまで中堅チームを渡り歩いた彼は、数少ない上位フィニッシュのチャンスをものにしてきています。
ここまで6度の表彰台を獲得しており、カナダでも2012年にザウバーで3位を獲得。
2014年はフォースインディアで最終ラップにクラッシュがあったため11位(完走扱い)に終わってはいますが、セバスチャン・ベッテルやフェリペ・マッサとの激しい戦いで表彰台を争うなど、力強いレースを披露しました。
また恐らく1ストップ作戦が主流となるという予想もペレスにとって追い風になると考えられています。
タイヤを労わった走りを得意とし、前戦モナコGPだけでなく昨年のロシアGPの3位獲得の際も1ストップ作戦にて勝ち取ったレースでした。
それだけでなく6度も表彰台に上ったドライバーとしては珍しいことに、予選でトップ3に入った経験はありません。
ということは逆説的にグリッド後方に沈んでも、戦略やタイヤマネージメントを駆使して、レースで逆転を狙えるスタイルは今回も強さを発揮する要素となるかもしれません。
活躍著しいレッドブル、カナダは少し苦手なコース?

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モナコでは最強といえるメルセデスを相手に全く引けを取らないポテンシャルを見せたレッドブル。
特にダニエル・リカルドはピット作業のミスがなければ充分優勝も狙える位置にいました。
ではカナダでもメルセデスを脅かす存在となるのでしょうか?
優れたシャシー性能を誇ると言われる今季のレッドブルのマシンですが、ルノーエンジンのパワー不足で高速コースが苦手と言われています。
しかし今季の成績をみると、カナダでは大きく心配することでもないようです。
特にリカルドは序盤戦の様々なタイプのコースで安定した成績を残し、ロシアGP(11位)とモナコGP(2位)を除く全てのレースで4位でフィニッシュ。
つまり、それほどテクニカルではないサーキットでも上位に食い込める走りができているのです。
今週末の舞台となる「ジル・ヴィルヌーブ・サーキット」は長い直線区間が多いのが特徴。これと共通するカタロニアサーキット(スペイン)では、ライバルエンジン遜色ない最高スピードを記録していました。
逆に路面がスムースなので起伏の多い路面を得意とするレッドブル勢の優位性が発揮されにくい部分もありますが、充分好成績が望めるのではないかと思います。
モナコ級に荒れやすい!舞台はジル・ヴィルヌーブ・サーキット

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モントリオール市内の人工島「ノートルダム島」にあるジル・ヴィルヌーブ・サーキットが今回の舞台です。
ここは1967年に開催された「モントリオール万博」の会場跡地で、パドックの裏側を流れるセントローレンス川は1976年に開催されたモントリオールオリンピックのボート競技会場でも知られています。
多くのコーナーはコンクリートの壁に囲まれているにも関わらず、F1の中でも高速サーキットに分類されます。
そのスピードはモナコをはるかに凌ぎ、一瞬のミスが命取りとなる上、セーフティカー出動の割合も非常に高く、レースが荒れやすいことで知られています。
なかでもこのコースの最終コーナーは「チャンピオンズウォール」と呼ばれ、歴代のF1王者たちが相次いでクラッシュしたことからそう呼ばれるようになりました。
もちろん現在でも多くのドライバーを苦しめる名所となっています。
壁が近いコースとしては珍しく非常に長いストレートが多いのも特徴。時速300kmを超えるポイントが計4カ所も存在します。
DRSゾーンはホームストレートとこのコース最長のバックストレートの2カ所に設置されているので、レース中のオーバーテイクは充分可能です。
レースの醍醐味が詰め込まれているサーキットと言えるでしょう。
今回ピレリが持ち込むタイヤはモナコ同様ウルトラソフト、スーパーソフト、ソフトの3種類。
前回始めて登場したウルトラソフトタイヤは、意外に耐久性が優れていることが証明されましたが、コース上で追い抜きが出来ないため、ラップタイムが落ち込んでも問題となりにくい部分もありました。
しかしカナダの場合は簡単に追い抜かれてしまうので、同じタイヤだとしても戦略までは同じようにいかないでしょう。
さらにセーフティカーの出動が多く戦略において柔軟な対応が求められ、緊急のピット作業が起こり得るコースなのでチームの総合力も試されるサーキットと言えます。
こういった要素を踏まえ、どのような戦略を立ててくるのか、目が離せません!
まとめ
北米のカナダGPはバトルあり、駆け引きあり、波乱ありの個人的に一押しのグランプリです。
F1カナダGPは日本時間6月13日(日)27:00決勝レースがスタート!
深夜のレースで翌日が辛いですが皆さん頑張ってくださいね?
万が一眠ってしまった方はMotorzでしっかりレポートまでお伝えします!