1981年の初代登場以来、改良を繰り返して末期には魅力的なRVとなっていたいすゞ ビッグホーン。1991年には2代目へとモデルチェンジし、改良を繰り返しながら11年の長きに渡って生産。2002年にいすゞが国内の乗用車事業から完全撤退するまで、同社の最上級SUVとして販売されていました。

 

2代目いすゞ ビッグホーン  / 出典:https://www.favcars.com/pictures-isuzu-bighorn-ubs25-1998-2002-396384

 

国内乗用車事業から撤退するまでいすゞのフラッグシップだったRV

2代目いすゞ ビッグホーン / 出典:http://www.isuzu.co.jp/museum/suv/ddbighorn/gallery_4.html

 

1991年12月のモデルチェンジで発売された2代目ビッグホーンは初代で問題とされ、改良で克服していった部分を、最初から取り入れて完成度を高めたRVでした。

初代はいすゞ初の本格RV(レクリエーショナル ビークル)とはいえ、初期にはエルフやファスターロデオのパーツの寄せ集めで完成度は低く、ユーザーがRVに求めた乗用車らしさにも欠けていましたが、少しずつ見直しながら10年も生産。

2代目では商用登録のバン系モデルを廃止して、3.2リッターV6ガソリンエンジンか3リッター直4ディーゼルターボを搭載。

ロングボディのほか軽快なショートボディも設定され、パワフルで操縦安定性も高く、内装がだいぶ改めらたことで快適性が向上しRVらしくなりました。

しかし1993年限りで小型乗用車の自車生産・販売を終了するなどいすゞの乗用車事業の先行きは厳しく、独自の乗用車はSUVのみとなったいすゞのフラッグシップに君臨するビッグホーンも、大幅な改良を一度に行ったり、モデルチェンジする余力はありません。

そのため先代同様に小刻みな改良を繰り返しながら11年間生産・販売されましたが、結局いすゞは国内での乗用車事業からの撤退を決断。

2002年9月をもって、他のSUVやOEM供給を受けていた乗用車の販売を終了。

ビッグホーンも同時に日本での歴史の幕を下ろし、輸出仕様も2003年で生産を終えました。

 

構造は先代を踏襲しつつ、快適性や利便性を向上

 

2代目いすゞ ビッグホーン  / 出典:http://www.isuzu.co.jp/museum/suv/ddbighorn/gallery_2.html

 

2代目ビッグホーンは強固なラダーフレーム上にラバーマウントを介してボディを載せるという、本格オフローダーらしい基本構造は先代から踏襲しつつ、先代ではリーフスプリングだったリアサスペンションがコイルスプリング化されるなど、乗り心地は大幅に向上しました。

そして、4WDシステムもパートタイム4WDながら上級グレードではオートマチックフリーホイールハブを採用し、1995年のマイナーチェンジでは走行中に2WD⇔4WDの切り替えが可能な『シフトオンザフライ』も搭載。

同時にボルグワーナー製の電子制御トルクスプリット4WDシステム『TOD(トルク オン デマンド)』が上級グレードに採用され、高速走行時の走行安定性と悪路走破性を両立させました。

それに加えディーゼルターボエンジンも燃料ポンプの電子制御化やターボチャージャー最適化、1998年のコモンレール直噴式DOHCディーゼルターボへの更新などと改良が加えられ、黒煙を減らしパワフルで騒音や振動も減少していきます。

ただし、これらの改良は販売不振で経営の非常に苦しかったいすゞにおいては一度に大規模なマイナーチェンジ、あるいはフルモデルチェンジで対応していくのが困難になっており、改良スケジュールも遅れがちでライバルに対して明確な優位を示すのが難しくなっていました。

そのため、2001年に電子制御スロットルやフル電子制御オートマの採用など最後の改良が加えられますが、月販目標わずか300台と非常に寂しい状態で最後を迎えています。

 

主なスペックと中古車相場

 

2代目いすゞ ビッグホーン / 出典:http://www.isuzu.co.jp/museum/suv/ddbighorn/gallery_1.html

いすゞ UBS69GW ビッグホーン イルムシャー ロング 1991年式

 

全長×全幅×全高(mm):4,660×1,745×1,840

ホイールベース(mm):2,760

車両重量(kg):2,000

エンジン仕様・型式:4JG2 水冷直列4気筒ディーゼルOHV8バルブ ICターボ

総排気量(cc):3,059

最高出力:92kw(125ps)/3,600rpm

最大トルク:275N・m(28.0kgm)/2,000rpm

トランスミッション:5MT

駆動方式:4WD

中古車相場:28万~148万円

 

まとめ

 

2代目いすゞ ビッグホーン / 出典:http://www.isuzu.co.jp/museum/suv/ddbighorn/gallery_5.html

 

最後の小型乗用車ジェミニの自社生産終了後、いすゞに残された最後の乗用車、SUV軍団の旗艦として販売され、近未来的SUV『ビークロス』のベースにもなった2代目ビッグホーン。

しかし、RV市場の主力が手軽で快適性や経済性がはるかに優れたクロスオーバーSUVやミニバンに移る中、本格オフローダーしか作れなくなっていたいすゞには、もはやそうした市場への変化に対応して新型車を作る余力はありませんでした。

その結果、フェイスリフトや細々とした改良を受けつつビッグホーンやミュー、ウィザードを作っていたいすゞもついに国内での乗用車事業存続を断念せざるをえなくなり、1970年のコニー(愛知機械工業)以来32年ぶりに、国産量販乗用車メーカーが消滅する事となります。

とはいえいすゞ自体はその後もバスやトラック、商用車メーカーとして存続し、現在でも日産からNV350キャラバンを『コモ』の名でOEM販売しており、国外でのピックアップトラックやSUVメーカーとしては継続中。

しかし販路が失われた中、東京モーターショーで展示される国外向けSUVの展示に、かつていすゞが国内で独自の乗用車を販売していた名残を残すのみとなっています。

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