日本市場には、ベンツ、BMW、アウディ、ボルボなど、世界中の主要自動車メーカーが輸出を行っています。しかし、日本への輸出を行っていない自動車メーカーも多々存在するので、そのメーカー、車両名、スペック、購入方法などをまとめてみました。

出典:https://www.fiatusa.com/500e/gallery.html

フィアット 500e

出典:https://www.fiatusa.com/500e/gallery.html

フィアット 500eは、100%EVの電気自動車です。

フロントモーター、フロント駆動のFF車で、22kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。

また、最高速度は時速60マイル(97km/h)で、連続航行距離は75マイル(120km)ほど。

シティコミューターとしては、申し分ない性能です。

日本に導入されない理由は?

フィアット 500そのものは、日本にも正規輸入されていますが、EVの500eは日本未導入です。

それどころかイタリア本国でも発売されておらず、販売はアメリカ カリフォルニア州とオレゴン州に限定されています。

その理由には、カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Veicle)法対策と、オレゴン州に自動車用充電スタンドを社会検証実験として大量に設置したことが挙げられます。

フィアット 500eが販売されたのは、カリフォルニアで2013年、オレゴンで2014年のこと。

現実今後FCAグループのEVモジュールをグローバル商品にするための、準備期間中だと思われます。

日本導入の可能性は?

現行モデルについては、日本導入の可能性はありません。

というのも、現行型フィアット 500は2007年から販売されており、モデルチェンジ目前と言われているからです。

しかし、次期型EVなら、日本導入の可能性もあるかもしれません。

日本で入手する方法は?

ズバリ平行輸入です。

ただしイタリア車に強い平行輸入業者のHPを見ても、フィアット 500eを扱っているというアナウンスはありません。

個別対応になるかもしれないので、興味のある方は問い合わせてみましょう。

オペル アダム

オペル アダム

オペル アダム/©︎ OPEL

オペル アダムは、Aセグメントに分類される4人乗り小型3ドアHB車です。

コルサより小型で、搭載エンジンはガソリンの1.2リッター(70PS)と1.4リッターターボ(110kW/約150PS)。

ディーゼルの設定はありません。

また、アダムにはルーフがキャンバストップの「オープンエア」と、SUVスタイルの「ロックス」のバリエーションがラインアップされています。

日本に導入しない理由は?

オペル車は、1983年から東邦モーターズにより日本市場に輸入されていました。

その後1989年からはいすゞ自動車が、1999年からヤナセが輸入していたのですが、日本から撤退したのは2006年のこと。

最盛期の年間販売台数は、1996年の約3万8,000台で、人気があまり出なかったのが実情です。

その理由は故障が頻発し、しかも修理費用が高額であることや、同じドイツブランドながらメルセデス・ベンツやBMWほどのプレミアム性を感じられなかったことだと言われています。

また、輸入販売元のオペル車の販売戦略も二転三転し、オペルブランドのイメージの確立に失敗したことも、オペルの日本撤退の大きな要因と考えられます。

日本導入の可能性は?

2019年7月現在は、ありません。

なぜなら、オペルはGMが所有するブランドで、GMの販売戦略上、オペルを欧州、中東、アフリカ向けと位置づけています。

そのため、アジアにはシンガポールに輸出しているのみ。

オペルに対し好ましいイメージを持たない日本では、再導入は商業的に厳しいと思われます。

日本で入手する方法は?

オペル アダムにはイギリス仕様があり、日本と同じく右ハンドルです。

並行輸入業者の中には、イギリス仕様を輸入してくれる業者もあるようなので、気になる方は、並行輸入を検討しましょう。

セアト レオンクプラ

セアト レオンクプラ

セアト レオンクプラ/©︎ SEAT

セアトはスペイン最大の自動車メーカーです。

かつてはフィアット社をライセンス生産し、スペインのモータリゼーション化の推進役となりました。

1980年のフィアットとの契約終了後は、独自車両を開発していましたが販売は芳しくなく、1982年にVW傘下に。

現在では、VWグループの中で「アウディ ブランド部門」に入っています。

そのなかで、セアト レオンはVW ゴルフと基本フレーム(MQB)を共有する姉妹車で、ゴルフのフロントデザインをスペイン市場向けに変更した車両です。

また、クプラは元来、セアト車の最高級グレード名でしたが、現在ではセアトのプレミアムブランドとして独立。

レオンにもクプラバージョンがあり、それがレオンクプラで、レオンクプラは内外装に高品質な専用パーツを装着し、より贅沢でスポーティーなレオンを楽しめます。

日本に導入しない理由は?

セアトは現在、VWグループに入っており、セアト車のベースとなっているのはVW車とアウディ車です。

また、フロントマスクに違いはあるものの、いわゆる「バッジエンジニアリング車」で、セアト車の本家本物は日本に正式輸入されています。

現代のセアトは、VWグループのスペイン向けブランドと考えたら、日本に正式輸入されないのも頷けるのではないでしょうか。

日本導入の可能性は?

ほぼないでしょう。

前述の通り、セアトはVWのスペイン向けブランドです。

日本には本家の車両が正式輸入されているため、セアト車を輸入しても同じ顧客を取り合うことが予想され、VWグループの販売台数が増えることはないと考えられます。

また、セアトを正式輸入しても、日本ではセアトの知名度が高くないことも難点です。

日本で入手する方法は?

日本で販売していない海外車を入手するには、並行輸入が現実的な手段です。

車両代金に手数料や実費などを加えて支払えば、面倒な通関業務からローカライズ化、車検まで通してくれ、すぐに運転できる状態で納車してくれます。

セアト レオンクプラは、イギリスではおよそ£30,000で販売されており、ある輸入業者によれば日本での総支払額は650万円ほどで購入可能だそうです。(為替相場次第で価格は変更します。)

まとめ

日本に正規輸入されていない海外専用車は、数多くあります。

例えば、日本国内でも人気の三菱 パジェロスポーツ、日産 サファリ、インフィニティ Q50、レクサス GXなど。

これらは日本のディーラーに持ち込んでも、一切整備を請け負ってくれません。

平行輸入車の整備は基本、ユーザー自身で行うもの。

海外専用車に乗りたいのなら、まず自動車整備を覚えないといけません。

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