昨年、ロサンゼルスモーターショーで発表された新型マツダ3。新型は『SKYACTIVビークル・アーキテクチャ』が採用され、マイルドハイブリッドを搭載した新たなパワートレインが更なる低燃費を達成すると予想。さらに、燃費だけでなく走行性能やエクステリアのカッコよさ、インテリアの質感の高さなど、現行型からさらなるレベルアップを実現しているようです。

掲載日:2019.3/10

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『魁コンセプト』そのままに!新型マツダ3がLAで披露

魁コンセプト / ©Copyright Mazda Motor Corporation. All rights reserved.

 

2018年11月に開催されたロサンゼルスオートショーで世界初公開された新型マツダ3は、前年の東京モーターショーで公開された『マツダ 魁 コンセプト』をほぼそのまま体現した形でデビューしました。

コンセプトモデル通りの、新型マツダ3にふさわしいデザインと言えます。

また、マツダ3はマツダの世界販売台数の1/3を占める基幹モデルで、北米販売では約50%を占めるほど。

それだけ北米で売れているモデルということもあり、同じくLAショーで初公開されたポルシェ新型911に並び、マツダ3も大きな話題を呼びました。

既にプレス向けの試乗会も行われており、そのレビューからもユーザーの期待を裏切らない出来の良さがうかがえます。

 

マツダ3とは

初代マツダ3 / ©Copyright Mazda Motor Corporation. All rights reserved.

 

日本では『アクセラ』の名で発売されている『マツダ3』は、2003年のデビュー以来、世界累計販売台数は600万台を超えるマツダの主力グローバル戦略車です。

現行モデルは3代目にあたり、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの5ドアハッチバック、4ドアセダンの2種類が設定されており、セダンにのみガソリンエンジンとモーターを搭載したマイルドハイブリッド仕様を設定しています。

 

ほぼ全てが一新!新型マツダ3での変更点は

新型マツダ3 ハッチバック / ©Copyright Mazda Motor Corporation. All rights reserved.

新型マツダ3 セダン / ©Copyright Mazda Motor Corporation. All rights reserved.

新型と現行型の共有部品はヘッドランプとシグネチャーウィング、フロントガラスのみで、ほとんどが新型専用設計になっています。

セダンは『凛とした伸びやかさ』、ハッチバックは『色気のある魂』をデザインコンセプトとしており、これまでのデザイン哲学『鼓動(こどう)-SOUL of MOTION』の進化版。

セダンでは現行よりボンネットの高さを30mm下げて伸びやかさを演出し、AピラーからCピラー、トランクにかけてはクーペラインのフォルムが施されています。

そしてトランク後部に近づくにつれ、エッジを効かせたことでトランクを長く見せてエレガントさを強調。

ハッチバックでは現行より低く、ロングノーズと台形の踏ん張るようなシルエットが表現されています。

 

新世代プラットフォーム『SKYACTIVビークル・アーキテクチャ』を採用

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新型マツダ3には新世代プラットフォーム『SYACTIVビークル・アーキテクチャ』が初採用されました。

そのためシャシーの基本骨格をストレート化した環状構造となっています。

さらには980Mpa以上の超高張力銅板の使用比率が現行の3%から、新型では30%に引き上げられました。

鉄板と鉄板との溶接部分は減衰ボンドと呼ばれる樹脂を挟み、これがダンパー効果を生み出して不快に感じるエネルギーをボディが吸収してくれます。

これに装着するサスペンションは、フロントを従来と同じマクファーソンストラット式、リアは新開発のトーションビーム式に変更され、コーナリング時の旋回能力とスタビリティを向上させています。

 

G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)を採用

『G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)』作動イメージ / ©Copyright Mazda Motor Corporation. All rights reserved.

駆動方式はFFとAWDモデルの2種類を用意。

特にAWDモデルは、普段はほぼFFの状態でありながらも走行状況やドライバーの意図に応じ、自動で前後輪のトルク配分をコントロールすることで、大幅な燃費向上を実現した『iアクティブAWD』を装備しています。

また、2018年10月にマツダが発表した車両運動制御技術『G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)』も搭載。

これは、ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動輪のトルクを変化させ、加速度(G)を横方向と前後方向を統合的にコントロールし、四輪への接地荷重を最適化させるシステムで、世界初の姿勢制御技術です。

 

安全面/快適面が大幅に進歩

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マツダ独自の安全技術『i-ACTIVSENSE』も、従来よりも大幅に進化し、新型マツダ3に搭載されました。

新型マツダ3で採用されたi-ACTIVSENSEには、新たに赤外線カメラでドライバーを常にモニタリングする機能も追加。
センサーディスプレイに付けられた赤外線カメラでドライバーを常にモニタリングすることで、ドライバーのよそ見や居眠り運転を検知し、警告を発信します。
このとき、自動制御ブレーキのタイミングが早まり、衝突のリスクを軽減させます。

また、停止時から60km/hの間であれば、前方車両を追従するとステアリングアシストを行う渋滞時に便利な『CTS(クルージング・トラフィック・サポート)』も新搭載されています。

 

注目はやはり新開発のSKYACTIV-X

SKYACTIV-X / ©Copyright Mazda Motor Corporation. All rights reserved.

パワーユニットはガソリンエンジンの『SKYACTIV-G』で直列4気筒の1.5リッター、2.0リッター、2.5リッターの3種類。
このうち、1.5リッターと2.0リッターモデルはモーターも搭載したマイルドハイブリッドになっています。

ディーゼルエンジンの『SKYACTIV-D』で1.8リッターのみのラインナップ。

さらに、量産車として初めて実用化された圧縮着火『SKYACTIV-X』も遅れて登場する予定で、圧縮比は16.0:1とディーゼルエンジン以上。

アクセルを踏めばリニアに反応する加速をドライバーに体感させてくれます。

 

新型マツダ3のスペック

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ハッチバック(欧州仕様) セダン
全長×全幅×全高(mm) 4,460×1,795×1,435 4,662×1,797×1,445
ホイールベース(mm) 2,725 2,725
パワートレイン 直列4気筒ガソリン + モーター
総排気量(リッター) 2.0 2.5
最高出力(kW[hp]/rpm) 90.9[122]/6,000 138.7[186]/6,000
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) 212.8[21.7]/4,000 252.0[25.7]/4,000
トランスミッション 6速AT/6速MT
駆動方式 FF/4WD

 

まとめ

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アクセラが属するCセグメントはライバル車種が多数され、とにかく大激戦のカテゴリーです。

特にアクセラと同じCセグメントの絶対王者であるフォルクスワーゲン・ゴルフと比較されることが今後多くなっていくでしょう。

しかし、単なる性能比較でライバルと優越を決め付けるのではなく、新型マツダ3には独自の個性がしっかり感じられるクルマに仕上がっています。

消費者が一台一台を天秤にかけるのではなく、直感的に『これが欲しい!』と思えてしまう魅力が新型マツダ3には詰まっています!

 

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