ドライバーやライダーに朗報です!2020年4月から自賠責保険の料金が値下げされました。理由は交通事故での死者数が減少したこととされまていすが、一方で任意保険額は引き上げられる傾向にあります。一体なぜなのでしょうか。

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自賠責保険料3年ぶりの値下げ、平均で16.4%引き下げ

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金融庁は2020年1月22日に、自賠責保険の保険料を平均で16.4%引き下げることを決定しました。

自賠責保険料の改正は2017年4月以来、3年ぶりとなります。

この改定により、これまで自家用乗用車(保険期間24ヵ月)で25,830円だったのが、4月1日以降は21,550円となり、引き下げ額は4,280円、改定率は16.6%となりました。

なお、沖縄県の離島地域は自賠責保険料が異なります。

自賠責保険料一覧

自賠責保険証明書 / 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/自動車損害賠償責任保険

( )内は2019年3月以前の保険料 

12ヵ月 24ヵ月 36ヵ月
自家用車乗用車 13,410円
(15,520円)
21,550円
(25,830円)
29,520円
(35,950円)
自家用軽自動車 13,210円
(15,130円)
21,140円
(25,070円)
28,910円
(34,820円)

( )内は2019年3月以前の保険料

12ヵ月 24ヵ月 36ヵ月
小型二輪自動車(251cc以上) 7,420円
(8,290円)
9,680円
(11,520円)
11,900円
14,690円)
軽二輪(126~250cc) 7,670円
(8,650円)
10,160円
(12,220円)
12,600円
(15,720円)
原動機付自転車(125cc以下) 7,060円
(7,500円)
8,950円
(9,950円)
10,790円
(12,240円)

(離島・沖縄県を除く)

自賠責保険はどのような時に補償されるのか

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自賠責保険の正式名称は『自動車損害賠償責任保険』で、公道を走行する全てクルマは必ず加入しなければならないため、別名『強制保険』とも呼ばれます。

自賠責保険の有効期間が切れている状態でクルマを運転すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に加え、免許停止処分も科せられます。

また、自賠責保険証明書をクルマに常備しておかないと、それだけで30万円以下の罰金となるので要注意です。

自賠責保険で保証される対象は、交通事故を起こした際の被害者への傷害や後遺障害、死亡による損害であり、補償範囲には限度額が設定されています。

限度額
死亡による損害 3,000万円
傷害による損害 120万円(被害者1名につき)
後遺障害による損害 神経系統の機能、
精神・胸腹部分臓器への障害
常時介護を要する場合(第1級) 4,000万円
随時介護を要する場合(第2級) 3,000万円
上記以外の後遺障害 第1級:最高3,000万円~
第14級:最高75万円まで

自賠責保険料が安くなった理由は

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このたび、自賠責保険の料金が値下げされた理由は、交通事故の件数が年々減少していることです。

交通事故での死亡者は、1970年の1万6,765人と1992年の1万1452人の2度のピークはあったものの減少傾向で、2019年には3215人と1948年に統計が開始されてから最小人数を記録しました。

取り締まりの強化により、シートベルトの着用が定着したことや危険運転を行うドライバーの減少、またクルマの衝突防止装置の性能が向上したことにより、衝突事故が少なくなったことなどが死亡事故減少の理由です。

これにより、金融庁は自賠責保険の保険収支が黒字化していることや、保険契約者への還元に活用される滞留資金の残高が増加傾向にあることを反映し、保険料の値下げに踏み切りました。

自賠責保険料値下げと引き換えに任意保険は高騰気味


自賠責保険料が安くなった一方で、任意で加入する自動車保険の保険料は高くなっています。

今年1月に東京海上日動火災保険、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の4社は、平均で約3%保険料を値上げしました。

まとめ

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最後に、自賠責保険は2017年1月以降、約2年ごとに基準料率が見直されてきました。

そのため、今後も自賠責保険料が変動することは考えられます。

クルマの安全性能が向上し、ドライバーひとりひとりの安全運転意識が高まることで、事故の発生率が年々下がり、さらに安価になる事を願います。

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