車を運転するときに心がけるべきことは、安全運転と交通違反を起こさないことです。しかし交通ルールは複雑なので、知らないうちに違反をしていたり見落としがちな決まりがあったりするもの。今回は、そんな見落としがちな交通違反について解説します。
掲載日:2019/09/28
高速道路で出口を間違えてしまったとき
一般道の場合は、道を間違えてもUターンをして目的地へ向かう進路をとればよいいのですが、高速道路の場合、そうはいきません。
高速道路は基本的にUターンとバックが禁止されており、たとえ出口を間違えたとしても走ってきた道に戻るわけにはいかず、降りるインターを過ぎた場合は次の出口へ向かうしかありません。
しかし本来なら支払う必要のなかった余分な料金を支払うことになったり、時間がかかったりと不都合が多いのは確実で、なるべく追加料金なしで降りる予定だった出口へ向かいたいところです。
そんなときは、“特別転回制度”が利用できます。
この制度を使えば追加料金を払うことなく、目的のインターへ戻れるので、もし出口を間違えたときはこの制度を利用して本来降りる予定だったインターへ向かいましょう。
利用手順は次の通りです。
- 降りる予定だった出口に近いインターへ向かう
- ETCゲートではなく一般ゲートへ入る
- 職員に出口を間違えたと説明し、ETCカードを提示(ETCを使っていない場合は通行券を渡す)。
- 職員の指示通りにUターンしたあと、高速道路の入口(一般ゲート)で先程のETCカードまたは通行券を提示し、特別転回だと告げる。
- 職員に料金所のバーを開けてもらい、再び目的のインターへ向かう。
また目的の出口手前のインターで降りた場合も、この特別転回制度は利用できるので、行き先を間違えてしまった場合はこの制度を利用すると良いでしょう。
注意したいのは、この制度がいつでもどこでも利用できるわけではないということ。
道路状況や交通量、料金所の係員の有無などによっては、“特別転回”ができないこともあります。
しかし覚えておいたほうが便利な制度なので、目的のインターを通り過ぎてしまったり、その手前で降りてしまった場合は、特別転回が可能かどうかを考えてみることがオススメです。
信号無視の人に衝突した場合
青信号で交差点に入ったのに、交差点の信号を無視した人が道路に侵入してきたために、衝突してしまった場合はどうなるのでしょうか。
このようなケースでの過失割合は、基本的に自動車:歩行者(自転車)=30:70となっており、信号を無視した側の法的責任が重くなる傾向にあります。
ただしこれは時と場合によって変わるため、例えば夜間の場合は歩行者や自転車側の過失が1割程度差し引かれることも。
また衝突した相手が児童だった場合は弱者保護が適用され、過失割合は自動車:歩行者(自転車)=40:60に。
衝突相手が身体障害者や幼児だった場合も同様で、弱者保護の観点から過失割合が自動車:歩行者(自転車)=50:50になります。
歩行者が信号を無視をして道路へ突っ込んできたにもかかわらず、なぜドライバーにも過失が適用されるのか、納得できないと思いますが、これは“動く凶器”にもなりうる自動車のドライバーには、“交通強者”としての責任があるからという理由で、ドライバー側にも過失が認められるのです。
また衝突した相手が2人乗り自転車だった場合は、より自転車側の過失割合が重くなることもあります。
一時停止をしなかった場合の過失割合
道路交通法では標識や一時停止線の有無にかかわらず、交差点に差し掛かったときや見通しの悪い道路では、見通しがよい地点まで移動するか、一時停止すべきとされています。
この停止時間には明確な決まりはなく、数秒停止して左右や前方の安全確認をすればよいのですが、一時停止する必要があるのは事故を未然に防ぐためなので、徐行しながら確認をするのはやめましょう。
また標識や白線のある場所で停止しなかった場合は、“指定場所一時不停止等違反”が適用され、踏切や停止線の直前で停止しなかった場合は、“踏切不停止等違反”となります。
それぞれ違反点数は2点であり、反則金は以下の通りです。
大型車 普通車 2輪車 特殊小型車 原付 指定場所一時不停止等違反 9,000円 7,000円 6,000円 5,000円 5,000円 踏切不停止等違反 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円 6,000円 出典:一時停止違反(一時不停止)の罰金と違反点数 チューリッヒ保険会社
この反則金を支払わなかった場合は、3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金が課され、過失が存在していれば10万円以下の罰金が課されます。
まとめ
知らないうちに違反をしてしまい、事故につながった場合はドライバー側の責任はかなり重くなります。
誰でもやってしまう可能性のある違反も存在するので、ハンドルを握るときは知らないうちに違反をしないよう心がけて運転しましょう。
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