掲載日:2020/04/27
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落下物によって重大事故につながる可能性も
高速道路上に落下物がある場合、重大な事故や渋滞を巻き起こす危険性があります。
また、落下物が原因でトラブルが起こった場合、落下物を落とした持ち主に損害賠償責任が発生することも考えられます。
高速道路で目立つ落下物は
高速道路の落下物には、さまざまな種類があります。
NEXCO西日本が発表した「管内の落下物発生件数推移」によると、交通管理隊が路上障害物として処理した件数は約11万9000件。
一般的なゴミから、後続車が衝突する危険性を持つ、大型の資材など様々な種類の落下物があるようです。
プラスチック・ビニール・布類
高速道路の落下物でもっとも多いのは「プラスチック・ビニール・布類」です。
NEXCO西日本による2016年度の調査では、交通管理隊が路上障害物として処理した件数のうち33%がプラスチックやビニール、布であると公表されています。
また、ペットボトルやコンビニ弁当などのプラスチック容器やごみ袋、毛布やシート類など、日常生活で使用される物品が高速道路上に落ちているのです。
自動車部品
次に高速道路の落下物で多いのは、自動車の部品です。
NEXCO西日本による2016年度の調査では、交通管理隊が路上障害物として処理した件数のうち11%が自動車部品類とされています。
自動車部品のなかでもタイヤやホイールが多く、大事故につながりかねないため危険です。
木材
他にも、高速道路の落下物としては木材などがあり、交通管理隊が路上の障害物として処理した件数のうち9%を占めています。
木材類には「角材」「ベニヤ板」などが該当し、こちらも大事故につながりかねない落下物です。
高速道路で物を落とすとどうなるのか
高速道路上で物を落としてしまい、そのまま放置するとどうなるのでしょうか。
落下物を放置して後続車などの「第三者」が損害を受けた場合は、持ち主が罰則などを受ける可能性があります。
「運転者の義務」(道路交通法第75条の10)違反により罰せられる!
高速道路上の落下物により後続車などの「第三者」が事故などの損害を受けた場合、落下物の持ち主は「道路交通法第75条の10」による交通違反で罰せられる事になります。
第七十五条の十 自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。出典:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#798
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。十二の三 第七十五条の十(自動車の運転者の遵守事項)の規定に違反し、本線車道等において当該自動車を運転することができなくなつた者又は当該自動車に積載している物を当該高速自動車国道等に転落させ、若しくは飛散させた者出典:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#1768
落下物による事故を防ぐ方法とは
それでは、落下物による事故は、どのようにすれば防げるのでしょうか。
車外の荷物はしっかり固定する
スキー板やサーフボード、自転車、ヒッチキャリアなどを車体の外に積む場合は、しっかり固定しましょう。
高速道路を走っていると、車体の外に固定している荷物は、風圧や振動で落下する可能性があります。
走行中や休憩時は、荷物にしっかりと気を配りましょう。
紙類やビニールといった風で飛んでしまう荷物は、シートなどでカバーをするなど一工夫すると良いでしょう。
車間距離を守ってわき見運転に気を付ける
十分な車間距離を取って、わき見運転をしないように気を付けましょう。
前方の交通状況や前を走るクルマの動きをよく観察しながら走行すると、危険を回避しやすくなります。
速度を控え、前方のクルマとの距離を空けて走行すると、急ハンドル急ブレーキ操作をしない、安全な運転が可能です。
落下物に衝突or発見したときはどうすればいい?
では、高速道路で落下物に衝突してしまった時、あるいは発見した時に、ドライバーはどのような対応をすると良いのでしょうか。
落下物に衝突して停車するときは非常駐車帯or路肩へ
走行中に落下物と衝突し、停車せざるを得ない状況となってしまった場合は、非常駐車帯もしくは路肩に停車しましょう。
停車をする際は、ハザードランプを点灯して周囲を確認してから対応します。
クルマを停車させたら、発煙筒や停止表示板(三角板)を車両の後ろに置き、周囲を走行している車に知らせる事を忘れてはいけません。
安全な場所に避難してから、「非常電話」や「道路緊急ダイヤル」を利用して警察に通報しましょう。
発見したときは「道路緊急ダイヤル」を利用する
落下物を発見したときも同様で、「道路緊急ダイヤル」への通報が大切です。
道路緊急ダイヤルは、高速道路の落下物や道路の異常を発見したときの通報窓口として利用が可能な窓口。
落下物を発見した位置を覚えておくと、素早く交通管理をおこなうスタッフが回収に向かえるため事故の防止につながります。
また、サービスエリアやパーキングエリア、料金所の係員に伝えることでも同様の対応が可能です。
まとめ
高速道路を走行している際には、いつ、突然のアクシデントが襲い掛か予想はできません。
落下物による事故に巻き込まれることで大切な命を落とす場合もあれば、反対に物を落としてしまい、他人を事故に巻き込んでしまう可能性もあります。
くれぐれも、車両の整備や車外に積んでいる荷物のチェックは怠らずに、安全運転を心がけましょう。
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