クルマやバイク好きであれば、一面に真っ白な塩の平地を走る最高速チャレンジをテレビや雑誌、ネットでご覧になったことがあると思います。これはアメリカで行われる「ボンネビル・スピードウェイ」という大会で、世界中から世界最速の称号を狙ってスピード自慢のドライバー、ライダーが集まって世界最速を競うのです。最近ではホンダがマシンを持ち込み参戦したことで日本でも注目が集まる、モータースポーツの一大ビッグイベント。そんなボンネビル・スピードウェイのレース詳細やレコードマシンをご紹介していきます。

掲載日:2018/01/06

ボンネビル スピードレコード 2輪車

Photo by Eric Ward

 

ボンネビル・スピードウェイとは?

 

ボンネビル・スピードウェイ(Bonneville Salt Flats International Speedway)とは、ボンネビル・ソルトフラッツ(Bonneville Salt Flats)で毎年8月に行われるモータースポーツイベントであり、4輪・2輪それぞれのクラス別で最高速度を争います。

また、FIMとFIAの認定を受けたイベントであるため、ボンネビル・スピードウェイで記録された速度は公式のものとして世界最高記録に認定されるのです。

 

ボンネビル・ソルトフラッツとは

 

ボンネビル・ソルトフラッツ

Photo by Dimitry B.

 

ボンネビル・ソルトフラッツは、アメリカ合衆国ユタ州トゥーレに位置するグレートソルト湖の西に広がる最も大きい塩湖の跡にできた平原であり、その広さは30,000エーカー(121平方キロ)にも及びます。

春から夏にかけて湖の水がゆっくりと蒸発し、表面を吹き抜ける風によって、平原はほぼ平らになります。

しかし、天候や温度変化など自然環境によって塩湖の蒸発具合や路面状況が年によって変わるので、2014年と2015年はボンネビル・ソルトフラッツの路面状態が悪いためボンネビル・スピードウィークが行われませんでした。

さらに、地球温暖化の影響で異常気象が増え、ボンネビル・スピードウェイが行える状態が少なくなってきているといわれてもいます。

 

観光地としても人気

 

塩湖の観光地いえば、ボリビアのウユニ塩湖が有名ですが、ボンネビル・ソルトフラッツは映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のロケ地になったことで、近年観光地としても人気を集めています。

日本の旅行会社でもボンネビル・ソルトフラッツへ行くツアーが企画されているので、アメリカ旅行を予定している方は是非、ボンネビル・ソルトフラッツを訪れてみるのもおススメです。

 

時速500kmは当たり前!その仕組みはどうなっているのか?

 

 

ボンネビル・スピードウェイは、我々が想像もつかない速度でボンネビル・ソルトフラッツを走ります。

ブガッティ・ヴェイロンが時速400kmで世界最速量産車といわれていますが、その速度をはるかに超えるスピードを記録し、4輪・2輪ともに時速500kmは当たり前、なかには音速の領域に達するマシンも!!

時速500kmを出せる自動車の仕組みは、戦闘機やジャンボジェットのジェットエンジン、宇宙船に搭載される液体燃料ロケットエンジンなどを搭載し、その推進力でマシンを一気に加速させるものです。

車体の形状もロケットや戦闘機そのもので、その速度は毎年更新されています。

一方バイクでは、マシンのエンジンを2基搭載し、2つのトランスミッションを組み合わせることでロングレシオなギア変速を実現し、長い軸間距離のロケットのようなマシンで走行するため、2輪でも超高速域で走行を可能としているのです。

 

ボンネビル最高速マシンを一挙紹介

世界最速の4輪車両

 

 

世界最高速の自動車はジェットエンジンを搭載し、なんと音速よりも速い1227km/hを1997年に記録しています。

また、ドライバーのアンディ・グリーンは、イギリス空軍に所属し、戦闘機のパイロットでもあるのです。

自動車の世界最高速車両データ
ドライバー アンディ・グリー(Andy Green)
マシン名 スラストSSC
原動機 ターボジェットエンジン
1km走行時の記録 760.343 mph (1223.65 km/h)
1マイル走行時の記録 763.035 mph (1227.99 km/h)

 

さらに彼は記録を更新するために新たなマシン「Bloodhound Supersonic Car」を3949万ドル(日本円で約44億円)かけて開発しており、3つのエンジンを搭載し最高出力は約135,000馬力を発揮。

最高速度は1,000マイル(1609km/h)以上を狙っているそうです。

 

世界最速の2輪車

 

バイクの世界最速記録は、2010年にロッキー・ロビンソンというライダーが記録した605.697km/hです。

このバイクは「ACK」と名付けられ、スズキ隼(はやぶさ)のエンジンにターボを搭載したものを2基搭載し、最高出力は1000馬力に達しました。

バイクの世界最高速車両データ
ドライバー ロッキー・ロビンソン
マシン名 Ack
原動機 1,299 ccターボエンジン×2 (ベースはスズキ隼のエンジン)
記録 376.363 mph (605.697 km/h)

 

アンディ・グリー&ロッキー・ロビンソン世界最高速記録の動画

 

https://www.youtube.com/watch?v=y98NUa7r2So

 

まとめ

 

ボンネビル スピードレコード 2輪車 スズキ隼

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Bonneville_Speedway

 

自動車が誕生してから、FIAが最初に記録した最高速レコードは1898年の39.24 mph (63.15 km/h)。

しかしその100年後には、約20倍の速さとなる1227.99 km/hを記録するという自動車技術の進歩の速さには驚かされます。

今後も人類は、どれほど速い自動車を作り出すのでしょうか?

2018年のボンネビルスピードウィークは8月25~30日の予定となっているので、是非注目してみてくださいね。

 

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