現在は、生活インフラと言っても良いほど普及しているインターネット。おいしいランチのお店やお出掛けスポットを検索できるだけでなく、音楽や動画といった車内のエンターテイメントにも欠かせない存在となっています。そんな中、カーエレクトロニクスの老舗、パイオニア のカロッツェリアが、車内使用に特化した車載専用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」を発売。気になるその通信品質と実力を、実際に検証してみました!
hoto : Kiyoshi WADA Text : Shingo MASUDA
CONTENTS
高速回線を思う存分使用できる車内特化型Wi-Fiルーター
今回ご紹介するパイオニア カロッツェリア DCT-WR100Dは、車内での使用に特化した車載専用のWi-Fiルーターです。
簡単な設定作業のみで、通信量制限のないインターネット環境を、車の中に構築することが可能となります。
DCT-WR100Dは、2019年10月に発売されたサイバーナビに搭載されていた通信機能を、単独で使用できるようにした商品で、通信は「docomo in Car Connect」を介したLTE回線による、高速インターネット接続を提供。
スマートフォンやタブレットはもちろん、ディスプレイオーディオのApple CarPlayやAndroid Autoなども、通信量を気にすることなく使うことができ、車内をWi-Fiスポット化することが可能です。
DCT-WR100Dの実力やいかに!?
その実力を実証するために、モーターズ編集部ウチハラと共に、写真と動画カメラマン、そしてライターである筆者の計4名が向かったのは、関東某所にある山間部。
取材として、より良いシチュエーションで写真や動画を撮りたいのはもちろんのこと、携帯の電波が弱く、公共のWi-Fi環境が整っていないエリアで、DCT-WR100Dの実力を試します。
大手携帯電話キャリアの4Gと比較
4G電波に接続したiPhoneXに対し、車内でWi-Fiに接続したiPhone7を、それぞれスピードテストができるサイトに接続して、その通信速度を測定。
上りに大きな差はありませんでしたが、下りでは、およそ3~4倍程度の差がついています。
ちなみに、YouTubeを快適に視聴できる通信速度は、フルHD1080Pで5Mbps程度。
したがって、DCT-WR100Dは十分快適に視聴できる速度が確保出来ていることがわかります。
続いて、530MBというやや重めのファイルのアップロードもテストしてみました。
大手キャリアのテザリングでは約2分で10%未満しかアップロードできていなかったのに対し、本機を介したWi-Fi接続では、約2分で20%以上のデータがアップロードできており、テザリングとの明らかな速度差を確認することができました。
さらに、最大5台の同時接続が可能という本機。
実際にPC2台、スマートフォン3台を同時に接続し、YouTubeを再生してみましたが、ストレスなく視聴することができました。
設置も設定も超簡単!
使用方法は、本体に付属している電源ケーブルをシガーソケットにつなぐだけ。ランプが点灯すれば、準備は完了です。
本体裏に記載されているQRコードをスマートフォンで読み込み、必要事項を入力すると使用可能。
面倒な設定や契約作業が不要なため、届いたらすぐに使用できる点は、DCT-WR100Dの大きな強みです。(使用にはdアカウントの取得が必須)
車内にWi-Fiがあると役立つシチュエーションとは?
設定や契約が簡単で、通信も高速で安定していると言っても、「それぞれのスマートフォンで通信できるし、いざとなればテザリングでしのぐ」と考える方も多いと思います。
そこで、DCT-WR100Dがオススメなシチュエーションを考えてみましょう。
移動中の通信料が気にならない
近頃は、音楽をわざわざダウンロードせずに、配信サービスのストリーミング再生で楽しむ方も多いと思いますが、そんな時に気になるのが通信量です。
しかし、DCT-WR100Dに接続していれば、毎日の通勤や長距離旅行など、どんなシュチュエーションでも、通信量を一切気にすることなく音楽を楽しむことができます。
家族みんなが好きなコンテンツを楽しめる
今や家族一人一人がスマートフォンを持っており、移動中はそれぞれが好きなコンテンツを楽しむ時代です。
DCT-WR100Dは、最大5台の通信機器を同時に接続できるため、YouTubeやオンラインゲームなど、家族それぞれが思い思いに好きなコンテンツを楽しむことができます。
さらに、Wi-Fi環境が無ければ使えないタブレッドなども使用できるため、長時間の移動に飽きてしまったお子様に、お気に入りの動画を見せ、機嫌を取るなどの使い方も可能です。
テレワークにプラスα
今ではすっかりお馴染みとなったテレワークでは、オンライン会議やファイルの送受信など、インターネット環境を欠かすことはできません。
もちろん、運転をしながら会議に参加したり、PCを操作することはできませんが、いざという時にプライベートなWi-Fi環境があるというのは、非常に心強いものです。(※長時間のアイドリングは条例等で禁止されていることがありますので、停車状態での使用には注意が必要です。)
使い方に合わせて選べる料金プラン
気になる料金について見ていきましょう。
何度かお伝えしているように、DCT-WR100Dは通信量制限のない定額の使い放題です。
3種類用意されているプランのうち、もっともお得なのは、365日プランで12,000円。月ごとで換算すると、1000円で無制限のインターネット環境が手に入ります。
たまにしか使わないという方には、1,500円の30日プラン。さらに、長距離の旅行など、その日だけ使いたい場合は500円の1日プランなど、使い方に合わせて最適な料金を選べるのも嬉しいポイントです。
docomo in Car Connect 利用プラン | |
---|---|
365日プラン | 12,000円 |
30日プラン | 1,500円 |
1日プラン | 500円 |
また、本体のメーカー希望小売価格は25,000円(消費税別)。仮に365日プランで2年間使用した場合のコストは、24か月の通信料が24,000円と合計すると49,000円です。
1か月に換算すると2,042円となり、一般的なモバイルWi-Fiが本体込みで月額3,000円~4,000円であることを考えると、運用費用もかなり安く抑えることができます。
あくまで車載用のWi-Fiルーター
定額低料金で、車内に通信料無制限の快適Wi-Fi環境を導入できるDCT-WR100Dですが、1点、注意すべきポイントがあります。
それは、あくまでも車載専用であるということ。
エンジン始動直後の30分、走行中、停車後の60分の間のみ、インターネットを使用することが可能です。
つまり、家で使う据え置き型ルーターとして使用することはできません。
しかし、だからこそ通常のモバイルルーターよりもお得な料金設定と、面倒な契約や設定が不要という、車内での使用に特化した商品とサービスを提供できるというもの。
もちろん車内での使用を想定し、真夏は暑く、冬は寒いなどの厳しい温度条件下でも、安定して動作するように設計されており、そこはカーエレクトロニクスの老舗パイオニア カロッツェリアならではといったところでしょう。
商品詳細は下記のリンクをチェックしてください。
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