2021年春に発売予定のホンダ 新型レジェンドには、自動運転レベル3の「トラフィックジャムパイロット」が搭載される予定です。今回は、国土交通省から型式指定を受けた自動運転レベル3の「トラフィックジャムパイロット」とは何なのか、そして、ホンダのフラッグシップセダン レジェンドについてご紹介します。

ホンダ レジェンド(5代目)/出典:http://www.honda.co.jp/

注目のホンダ新型レジェンドについて

ホンダ レジェンド(5代目)/出典:http://www.honda.co.jp

ホンダ 新型レジェンド(LEGEND)は、2021年春頃の発売が予定されています。
そんな新型レジェンドには、自動運転レベル3に相当する「トラフィックジャムパイロット(Traffic Jam Pilot)」の搭載が注目さており、ホンダは2020年11月に国土交通省から自動運転レベル3の型式指定を受けた事を発表すると同時に、新型レジェンドへ搭載することも明らかにしました。

ホンダ レジェンド(5代目)/出典:http://www.honda.co.jp/

2021年1月時点では、6代目となる新型レジェンドのボディサイズやデザインなど詳細は公表されていません。

しかし、これまでのモデルチェンジ歴から、ホンダのフラッグシップとしての堂々としたサイズ感、LEDヘッドライトやメッキパーツなどを使ったエレガントなスタイリング、高級感あるインテリア、ハイブリッドシステムによる4WDのパワートレインの搭載が予想されています。

現行型:5代目レジェンドのスペック

全長×全幅×全高:5,030mm×1,890mm×1,480mm
エンジン:V型6気筒SOHCハイブリッド
最高出力:231kW(314ps)/6,500rpm
最大トルク:371Nm(37.8kgm)/4,700rpm
前輪モーター出力:35kW(48ps)/3,000rpm
前輪モータートルク:148Nm(15.1kgm)/500-2,000rpm
後輪モーター出力(1基あたり):27kW(37ps)/4,000rpm
後輪モータートルク(1基あたり):73Nm(7.4kgm)/0-2,000rpm
トランスミッション:7速AT
駆動方式:4WD
車両重量:1,990kg
乗車定員:5名
燃費:12.8km/L(WLTCモード)
価格:7,249,000円

新型レジェンドで注目のトラフィックジャムパイロットとは

出典:http://www.honda.co.jp/

新型レジェンドで注目されているトラフィックジャムパイロットは、いったいどのようなシステムで、何ができるのでしょうか。

「トラフィックジャムパイロット」はどんなシステム?

レベル3に相当するトラフィックジャムパイロットは、高速道路での渋滞時における運転者の運転操作への負荷を軽減するシステムです。

また、前走車や周辺の交通状況をシステムが監視するとともに、ドライバーに代わって運転操作を行い、車線内の走行を維持しながら前走車に追従します。

ここで重要なポイントは、「ドライバーに代わって運転操作を行う」ということです。

つまり、トラフィックジャムパイロットが作動しているときは、ドライバーによる運転からシステムによる運転に切り替わるのです。

ただし、トラフィックジャムパイロットは、国土交通大臣が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内でしか作動しません。

システムの監視による自動運転の走行環境条件を満たしていない場合や故障発生時などは、システムが警報を発し、ドライバーに運転操作を求めます。

そのためドライバーはシステムを過信せず、常に運転できる状況を維持することが必要です。

ホンダ「トラフィックジャムパイロット」の作動条件

出典:http://www.honda.co.jp/

では、新型レジェンドに搭載される予定となっている「トラフィックジャムパイロット」は、どのような条件で作動するのでしょうか。

システムによる運転が作動する条件は、「道路・地理状況」、「天候や交通などの環境」、「走行状況」の3つがあります。それぞれの条件は、以下の通りです。

【道路状況・地理的状況】

・高速自動車国道や都市高速道路
・高速自動車国道や都市高速道路に接続する自動車専用道路
・高速自動車国道や都市高速道路に接続予定の自動車専用道路
つまり、一部の高速道路・首都高速道路や、バイパスのみで動作が可能という事です。

【環境条件】

・自動運転システムが周囲の車両や走路を認識できるとき
※強い雨(ゲリラ豪雨など)、積雪、濃霧、強い日差し(冬の西日など)、前車・後車が自車の中心付近以外を走行しているときは、システムが作動しません。
つまり、運転しやすい環境時のみ、自動運転システムが作動するということです。

【走行状況】

・自動運転システム作動前の速度が約30km/h未満であること
・自動運転システム作動後の速度が約50km/h以下であること
・高精度地図および全球測位衛星システム(GNSS)の情報が正しく入手できていること
つまり、渋滞に巻き込まれた後でなければ、システムが作動できないということになります。

トラフィックジャムパイロットの注意点

出典:写真AC

ホンダ新型レジェンドに搭載される「トラフィックジャムパイロット」は、「高速道路本線上で、渋滞時の自動運転を提供するシステム」です。

そのため、ユーザーはあくまで高速道路の本線における渋滞発生後に作動する自動運転システムであることを理解しておかなければなりません。

また、高速道路の自車走行車線と対向車線が中央分離帯などにより分離されていない区間、つまり、急カーブ、サービステリア・パーキングエリア、料金所などでは、トラフィックジャムパイロットが作動しないことを覚えておきましょう。

まとめ

ホンダ新型レジェンドに搭載される「トラフィックジャムパイロット」は、一部の区間・限られた条件下のみで作動する部分的な自動運転システムです。

「自動運転」という言葉を聞くと、全ての運転操作を任せられるシステムだと思われがちですが、現時点では限定的な機能です。

しかし、自動運転システムの精度の向上や法律の整備が進めば、誰もが想像する完全自動運転が実現するのも、そう遠くはありません。

2021年に発売される「トラフィックジャムパイロット」は、完全自動運転に向けた大きな第一歩。今後のシステムの発展に期待し、新型レジェンドの登場を楽しみに待ちましょう。

 

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