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「セアト」はスペイン カタルーニャ州に本社を構え、VW(フォルクスワーゲン)グループの傘下12ブランド中に含まれるメーカーです。セアト車の日本への輸入や販売がされていないことから、日本国内ではあまり有名なメーカーではありませんが、これまで何度もWRCにワークスチームとして出場した、スペイン最大のメーカーです。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A2%E3%83%88
セアトの歴史

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1950年、内戦後のスペインでイタリアのフィアット社が出資し、国策自動車産業として誕生したセアト(SEAT)は、1953年に1日5台分の車を生産する体制を確立させます。
この頃に発売された中型車の1400を経て、1957年にはフィアット600のスペイン版、セアト600を世に送り出して大ヒット。
このセアト600はスペインの自動車産業の象徴的な車となり、以降高度経済成長期に入った後、セアトは1970年代にかけて850やリモト、127などのフィアット車をライセンス販売していきました。
ライセンス販売とは言え、エンジンはフィアットと完全に同じというわけではなく、現地で開発した独自エンジンと組み合わせる形で製造。
そしてスペインが先進工業国となった頃にあたる1982年にセアトは、フォルクスワーゲン傘下となり、独自モデルのイビーザを完成させました。
このイビーザはジョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインを担当し、ドイツのポルシェがシステム、カルマンがボディを製造した、3大チームの協力によって誕生した車です。
やがて1991年には、フォルクスワーゲン ゴルフをベースに初代トレドを完成させ、大人気となりました。
セアト、WRCに出場

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国際的にもスペインが先進国となった後、1993年にセアトはモータースポーツ活動のために「セアト・スポーツ」を設立。
1996年と97年にはF2に参戦し、2年連続で世界チャンピオンを獲得します。
続く1998年にセアトはWRCにワークスチームとして出場し、イビーザやコルドバなどで参戦。
しかしコルドバがE2、E3へと進化しても最上位成績は3位に留まり、2000年代にはWRCから撤退。
以降はヨーロッパツーリングカー選手権、英国ツーリングカー選手権などに参戦するようになります。
また同時期に、当時のフォルクスワーゲン社の社長の意向で「アルファロメオがライバル」と位置付けられ、スポーティーブランドとして生まれ変わりました。
この頃に販売されたのが、コンパクトMPVのアルテアや4代目 イビーザです。
2010年以降はフォルクスワーゲンのアウディ ブランド部門に属し、小型クロスオーバーSUVのアテカなどを販売。
そして2018年には、もともと各モデルのスポーティ仕様に使用されていた名称、クプラをハイパフォーマンスブランドとして独立させました。
これによりセアトは先述のアテカをベースにしたクプラ アテカを販売。
2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力300psを発揮するハイパワーマシンとなっています。
まとめ
スペインの工業国としての発展に合わせ、セアトは今やスペインを代表する一大メーカーとなりました。
かつてWRCに参戦したものの、撤退したセアトですが、現在もモータースポーツへの情熱を持ち続け、活動を続けています。
そう言った観点からも、セアトが点水するハイパフォーマンスブランド、クプラの今後にも注目です。