モータースポーツといえばメジャーイベントでは各マシンのカラーリングも見どころですが、大きなスポンサーがついているとそのスポンサーカラーがメインとなることも多々あります。その中でも屈指の華やかさを誇るのがイタリアのアリタリア航空。フィアットグループのラリーカーが猛烈に強い時期に使われていたこともあり、高い知名度を誇ります。今回はそんなアリタリアカラーのマシンに注目してみました。
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イタリアのフラッグ・キャリア!「アリタリア航空」とは?
アリタリア航空は2000年代の経営悪化で一時は事実上の国有化、その後紆余屈折を経て現在は「アリタリア-イタリア航空会社」へ社名を変更しつつ、今もなおイタリアのフラッグ・キャリア(その国を代表する航空会社)として君臨しています。
日本で言えば「日本航空」のような存在ではないでしょうか。
その保有機は、いずれも鮮やかなカラーリングで知られており、イタリア国旗を表す緑・赤・白で塗り分けられた「アリタリアのA」を表す垂直尾翼はアリタリア独特のもので、マニアでなくとも遠くから見分けられる上にシンプルという稀有なデザインとなっています。
また、1970年代からフィアットグループのモータースポーツスポンサーとなったため、同グループが力を入れていたWRC(世界ラリー選手権)などラリー競技では、アリタリアカラーのフィアットやランチアが走り回り、大活躍しました。
ランチア ストラトス(ラリー仕様)
言わずと知れた1970年代ランチアの最高傑作で、いかにもベルトーネがデザインしたというような、リアミッドシップのスーパーカーである”ランチア ストラトス”は、ラリーで勝利するために開発されると同時期にWRCが始まったため、まさに世界規模で大活躍。
そして、1975年からアリタリアカラーをまとうと美しさはさらに際立ち、ストラトスの代表的カラーリングの1つになりました。
しかし、ストラトスはスーパーカーとしては人気があったものの、大衆車メーカーのフィアットグループとしてはストラトスのおかげで大衆車が売れる訳もなく、マーケティングの問題でフィアット 131アバルトに後を託す事になるのです。
ランチア・ストラトス(レース仕様)
ラリー用スーパーカーとして人気の高いストラトスですが、他のレースカテゴリーにも数多く参戦。
特に派手だったのがグループ5仕様のストラトスターボで、アリタリアカラーの鮮やかなマシンが1977年に星野 一義のドライブで「スーパーカーショー VS レーシングカーショー」を走り、多くの観客を魅了しました。
ランチア ベータクーペ
ランチアがラリーの名門と呼ばれた時期、そのキッカケとなる勝利を重ねた栄光のマシン、フルヴィアクーペHFシリーズの後継として投入されたのがベータクーペ。
フルヴィア同様FF(フロントエンジン・前輪駆動)ですが、ミッションと直列で横置き配置したジアコーサ式FFをランチアで初めて採用しました。
ストラトスのサポートを担う役割で1974年からWRCに参戦し、ストラトス同様アリタリアカラーをまとってランチアのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献しています。
フィアット 131アバルトラリー
販売面での貢献が今ひとつだったストラトスに代わるフィアットグループの主力ラリーマシンであるフィアット131。
「ハコ」と形容するしかないような、その姿から本当に速いの?と思うかもしれませんが、このマシンが1970年代末期のWRC最強マシンとなります。
もちろんアリタリアカラーをまといましたが、優雅とも言えるストラトスなどとは違い、すっ飛んでいくブロックのようなボディに無骨なオーバーフェンダーなどで武装した131アバルトラリーは「戦うアリタリア」という雰囲気で迫力満点でした。
フィアット リトモ・アバルト125TC
アリタリア航空は、メジャーイベントの最強マシンにばかりスポンサードをしていた訳ではありません。
このストラトスの背後で追いすがる小兵、リトモ・アバルト125TCもアリタリアカラーをまとった1台です。
X1/9やアウトビアンキ A112アバルトの後継としてWRCで131アバルトラリーをサポートして出場し、時には上位入賞を果たすなどの活躍を見せました。
まとめ
ストラトスや131アバルトラリーの活躍で鮮烈なイメージを残したアリタリアカラーですが、実際にアリタリア航空のスポンサードでそのカラーをまとったマシンが活躍したのは、1975年からのほんの数年間。
しかし、その期間にたまたま日本でスーパーカーブームが起こり、アリタリアカラーのストラトスが来日し、その後も展示されたこともあって、実像以上に印象に残っているようです。
アリタリア航空のイタリア国旗と同じカラーリングからは「これぞイタリア車」という雰囲気が漂ってきて、イタリア車だからこそ似合う代表的なカラーリングの1つなのは事実ではないでしょうか。
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