皆さん知ってましたか?いすゞ コモの販売が再開されましたよ!え、「そもそもそんな車あったのか。」ですって?2002年9月をもってOEM車も含めて国内での乗用車販売から撤退。その後はバスとトラックばかり売っていたというイメージのあるいすゞ自動車ですが、実は1BOXバン / ワゴンの販売はその後も継続しており、今でも販売している商用登録1BOXバンが『コモ』なのです。さすがに自社生産ではなく日産からのOEMですが、どんな車かサラリとご紹介します。

 

2代目いすゞ コモ / 出典:http://www.isuzu.co.jp/product/como/index.html

 

かつてのいすゞが夢見たコンセプトカー『コモ』

 

東京モーターショー1991に出展されたコンセプトカー、元祖『コモ』 / 出典:https://www.allcarindex.com/auto-car-model/Japan-Isuzu-Como/

 

そもそもいすゞに『コモ』という自動車が登場したのは1991年の第29回東京モーターショーが初。

乗用車でもなく流行りのRVでもなく、『グランドスポーツユーティリティー』という新ジャンルを探り、3.5リッターV12DOHCエンジンをミッドシップに積んで前方にガバっと開くシザースドアを持つスタイリッシュなスポーツカーらしきものが展示されました。

大人4名が乗車可能な丸っこいグラスルーフで、前から見るとグループCレーシングカーのようなキャビンは後部でいきなりストンと落ち、何事かと思えばその後ろは脱着式リアデッキフードを持つ荷台。

そう!コモはグループCカー風ピックアップという日本ではともかくアメリカではソコソコ好評を得そうなコンセプトを持った車で、オート昇降式バックパネルによってジェットスキーなどの積み下ろしを容易にしているのも特徴でした。

もちろん市販などされない『モーターショー1回こっきりのショーカー』であり、その後のいすゞ販売不振、乗用車生産撤退などのニュースに紛れてすっかり忘れられていましたが、その10年後に予想外の形で名前だけ復活を遂げたのです。

 

実際に登場した初代『コモ』は日産キャラバンOEMの1BOXバン / ワゴン

 

初代いすゞ コモ ワゴン / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.All Rights Reserved.

 

衝撃的なコンセプトカーから10年後、『コモ』の名を持つ新型車が2001年12月に堂々の登場!

ただしファーゴ後継の1BOX車で、2代目ファーゴから既に日産 キャラバンのOEMとなっていたものが、モデルチェンジに際してなぜか改名しただけでした。

しかしこの初代コモ、ファーゴに引き続き商用登録のバンだけでなく乗用登録のワゴンやマイクロバスもラインナップされており、2010年に3ナンバー登録のコモワゴンが廃止されるまで『いすゞ最後の乗用車』として販売されていたのです。

(※2ナンバー登録12人乗りのマイクロバスはその後も販売)

アスカ(ホンダ アコードのOEM)やビッグホーン、ミュー(こちらはいすゞオリジナルのSUV)を最後に2002年9月で乗用車販売から撤退したはずのいすゞですが、実はトラックやバスを購入する顧客向けに、コモの販売だけは細々ながら継続していたのでした。

 

初代コモの主なスペックと中古車相場

 

初代いすゞ コモ ワゴン /  © TOYOTA MOTOR CORPORATION.All Rights Reserved.

 

いすゞ JQGE25 コモ ワゴン LS 2001年式

全長×全幅×全高(mm):4,990×1,690×2,285

ホイールベース(mm):2,715

車両重量(kg):1,940

エンジン仕様・型式:KA24DE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量(cc):2,388

最高出力:103kw(140ps)/5,600rpm

最大トルク:202N・m(20.6kgm)/2,800rpm

トランスミッション:4AT

駆動方式:FR

中古車相場:49万~179万円(バン・ワゴン・マイクロバスなど全て)

 

ついに販売終了!かと思いきや、ひっそり販売再開していた2代目

 

2代目いすゞ コモ 出典:http://www.isuzu.co.jp/product/como/vanmicro/safety.html

 

細々ながらも需要あっての販売継続だったので、OEM元の日産 キャラバンがモデルチェンジ、『NV350キャラバン』になると、コモも2代目にモデルチェンジして2012年7月に発売されました。

さすがにワゴンやマイクロバスの需要はもう無くなったのか商用登録(1ナンバー・4ナンバー)のバンだけになり、オーテックバージョンの『ライダー』なども、もちろんラインナップされていませんでしたが、それでもロングやスーパーロング、標準幅にワイド、標準ルーフにハイルーフといったボディラインナップはほぼNV350そのまま。

しかし2017年9月、ついにいすゞのホームページからも消えて販売を終了し、1980年に初代モデルを発売したファーゴ以来37年、いすゞ1BOX商用車もついに歴史を閉じたと思われていたのですが。

2018年7月に突然ホームページへの掲載が復活すると共に、衝突被害軽減ブレーキが追加されていた事から、単にマイナーチェンジ前の一時期だけ販売中断していたような形になっています。

 

2代目コモの主なスペックと中古車相場

 

2代目いすゞ コモ スーパーロング・ハイルーフ・ワイドバン / 出典:http://www.isuzu.co.jp/product/como/vanmicro/utility.html

 

いすゞ JCW8E26 コモ バン LD スーパーロング ワイド ハイルーフ4WD 2018年式

全長×全幅×全高(mm):5,230×1,880×2,285

ホイールベース(mm):2,940

車両重量(kg):2,150

エンジン仕様・型式:YQ25DDTi 水冷直列4気筒ディーゼルDOHC16バルブ ICターボ

総排気量(cc):2,488

最高出力:95kw(129ps)/3,200rpm

最大トルク:356N・m(36.3kgm)/2,800rpm

トランスミッション:5AT

駆動方式:4WD

中古車相場:178.2万円

 

まとめ

 

2代目いすゞ コモ / 出典:http://www.isuzu.co.jp/recall/pdf/3644como.pdf

 

売っていないようでいて実は売っている、販売終了したようで復活するという不思議にしぶとい車、コモは2018年8月現在も販売しています。

無くしてみたら案外ユーザーや販売店から「それは困る。」と言われて販売継続しているようにも見えますが、レア車マニアにとっては格好の『観測対象』であり、ネタとしてもなかなか目が放せない車です。

いすゞは2006年からトヨタと資本提携を結んでおり、トヨタ陣営のように思われていたので「なぜトヨタのハイエースではなく日産のNV350キャラバン?」と不思議な気もしますが、実は小型トラックやマイクロバスでは日産との深いOEM供給関係が!

結局トヨタとの資本提携は目立った成果を残す事も無く2018年8月3日で解消されたため、ハイエースをいすゞで販売するような事も無く、今もNV350キャラバンをコモとして堂々と販売中となっています。

 

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