12代目で思い切った全面新開発を行い、ユーザー若返りのための再出発を図って『ゼロクラウン』を名乗ってから約5年。フルモデルチェンジされた13代目も一見キープコンセプト風ながら、中身は今後のクラウンにとって重要となる進化を遂げていました。そんなゼロクラウン第2章に一体何が起こったのでしょうか。
一見超キープコンセプトと思わせる13代目クラウン『超えてゆく、ブランド』
2008年2月にフルモデルチェンジを受け、ロイヤルサルーンとアスリートともども13代目へと進化したクラウン。
一見すると、ヘッドランプが吊り上がり、ボディサイドからリアバンパーに至る面がスッキリとして、ドアミラーが斜め前方視界確保のためもあってか取り付け部がウィンドウ根元からドアへと移動するなど、細かい変更の目立つ程度のキープコンセプト路線に見えました。
パワーユニットもアスリートに315馬力の3.5リッターV6エンジン2GR-FSEが追加された12代目後期から変わらず、4WDに残っていた5速ATが廃止されて全車6速ATに統一された程度。
マフラーのテールエンドがリヤバンパーと一体化したデザインは後ろから見ると目立ちますが、全体的に言えば『12代目をヌメッとさせたような』保守的なモデルチェンジに見えるのは確かでした。
今後のクラウンで重要となるハイブリッド車の追加
既にクラウンセダンはクラウンコンフォートベースに移行しているので、11代目後期からクラウン ロイヤルサルーンをベースとしたパトカー仕様も設定されていますが、これも注意深く見ないと、新型車の納入に気づかないのではと思うほど。
しかし、モデルチェンジから約3ヶ月後に追加された『クラウンハイブリッド』が、現在までの、そして今後のクラウンにとって非常に重要なモデルとなります。
当初アスリートをベースとして、後にマイナーチェンジでベース車をロイヤルサルーンへと変更したクラウンハイブリッド。
これぞハイブリッドの証とばかりに採用された前期型のクリアテールは後期でロイヤルサルーン同様の落ち着いたものへ変更されて外観上の識別点は少なくなりましたが、もはやクラウンにとってもハイブリッド車は特別なものでは無くなったようにも思えます。
それでいて2.5〜3.0リッター通常動力版ロイヤルサルーンの10・15モード燃費が12.4~11.8km/リッターのところ、クラウンハイブリッドは3.5リッターハイブリッドシステムで15.8km/リッターの好燃費とベース車を上回る動力性能を発揮しました。
そのため車両価格が割高なのは致し方無いとしても、ランニングコストの安さで経済性をアピールしただけでなく、将来的な電動化・純粋な内燃機関車がゼロになる時代においてもクラウンが成り立つことを、この13代目で初めて証明してみせたのです。
そのインパクトたるや、11代目に設定されていたマイルドハイブリッドの及ぶところではありません。
さらに、ターボエンジンの廃止により少々インパクト不足だったアスリートのテコ入れとして、トヨタモデリスタが3.5リッターエンジンにスーパーチャージャーを追加したコンプリートカー、『クラウンアスリート +Mスーパーチャージャー』も追加されました。
主なスペックと中古車相場
トヨタ GRS202 クラウン ロイヤルサルーンG 2008年式
全長×全幅×全高(mm):4,870×1,795×1,470
ホイールベース(mm):2,850
車両重量(kg):1,630
エンジン仕様・型式:3GR-FSE 水冷V型6気筒DOHC24バルブ
総排気量(cc):2,994
最高出力:188kw(256ps)/6,200rpm
最大トルク:314N・m(32.0gm)/3,600rpm
トランスミッション:6AT
駆動方式:FR
中古車相場:46~310万円
まとめ
先代に続く大改革、ゼロクラウン第2章はハイブリッドモデルとスーパーチャージャー版アスリートの追加という、電動化とスポーティ路線が注目のポイントとなりました。
それはいずれも14代目を経て、2018年現在の現行モデル15代目では主力路線となっており、13代目クラウンでまた一歩登ったステップは、確実に『いつかはクラウンではなく、これからはクラウン』と考えるユーザーを引きつけていきます。
しかしデザイン自体は控えめ、キープコンセプトでやはり保守的?と思ってしまうユーザーも否応無く納得せざるを得ない超大改革が、次の14代目に待っていたのでした。
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