自分で給油をする人であれば、ガソリンスタンドで売られているガソリンと軽油の1リッターあたりの価格差が20円近くあり、ガソリンの方が高いという認識があると思います。いったいなぜ、軽油のほうがガソリンよりも安いのでしょうか。

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安い理由は税金にあり

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ガソリンスタンドなどで、ガソリンよりも軽油のほうが安く売られている理由は税金にあります。

ガソリンや軽油には消費税だけでなく、燃料そのものに対して税金がかけられているのですが、実はガソリンと軽油の本体価格自体にはそれほど差はありません。

しかし、ガソリンにかかる税金が軽油にかかるそれよりも高額であることが、この価格差を生み出しているのです。

ガソリンに掛けられている税金は、ガソリン税(正式名称は揮発油税及び地方揮発油税)と呼ばれ、そして軽油に掛けられている税金は軽油引取税、そしてこれら両方にかけられている税金は、石油税と消費税です。

また、ガソリン税と軽油引取税については、本則と暫定の2種類が掛けられています。

ちなみに、石油税は1リッターあたり2.8円。

消費税の算出方法については、ガソリンでは本体価格にガソリン税と石油税を加えた金額に、軽油では本体価格に石油税を加えた金額に、現在の消費税率(8%)を掛けて算出します。

また、ガソリン税と軽油引取税は異なる税金となっていて、それ以外の税金は同じです。

そのため、ガソリンと軽油の価格差の理由を知るには、ガソリン税と軽油引取税について知ることが重要となります。

ガソリン税額と軽油引取税額はどれくらい?

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ガソリン税は本則28.7円/リッターと暫定のガソリン税25.1円/リッターを合わせた53.8円/リッターとなります。

また、軽油引取税は本則15.0円/リッターと暫定17.1円/リッターを合わせた32.1円/リッターです。

その差額にして21.8円。

仮にガソリン本体価格と軽油本体価格が80円/リッターだと想定した1リッターあたりの価格を計算すると、次のようになります。

ガソリン:(本体80円+ガソリン税53.8円+石油税2.8円) x 1.08 =147円/リッター
軽油:(本体80円+石油税2.8円) x 1.08+32.1円 = 121円/リッター

このように、本体価格が同じという条件でも税金の関係で、1リッターあたり26円もの価格差が発生するのです。

ガソリンや軽油は二重課税されている?

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ガソリンや軽油の話をする際には、二重課税の話が必ず取り上げられます。

これは、ガソリン税や軽油引取税に対して消費税が掛けられていることを問題としていて、消費者からすれば二重課税になっているのです。

このようなケースは自動車取得税やタバコ税などにも発生しているので、度々議論となっていますが、未だ解決はされていません。

まとめ

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今回はガソリンと軽油の価格差についてご紹介しました。

ガソリン税と軽油取得税の違いや、消費税の課税対象額が違うことで、このような価格差が発生しているのです。

二重課税の問題など、ユーザー全員が今まで以上に注意を払って声を上げる必要があると思います。

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