「レーダー探知機」といえば、「ユピテル」を連想するクルマ好きは多いのではないでしょうか。初代モデルの発売から40年以上、ユピテルはレーダー探知機のパイオニアとして、探知性能を常に磨き、進化させてきました。ユーザーの期待を決して裏切らない、信頼性をモットーとしてきた製品開発の歴史をたどると、同社がレーダー探知機業界で高いシェアを誇る理由が見えてきます。

Text : Isao KATSUMORI Photo : ユピテル

1977年『安全運転支援』を使命に第1世代がデビュー

1977年、ユピテルは独自の無線技術を生かし、国内向け「レーダー探知機」の開発をスタートさせました。

画像は、その記念すべき初代モデル『S-90』です。

当時はモータリゼーションまっさかりで、クルマの増加とともに増える交通事故が社会問題になっていた時代でした。

そんな当時、ユピテルの探知機はドライバーにスピードの抑制を促す「安全運転支援ツール」としてデビューし、その開発理念は40年以上経った今も変わりません。

翌年の1978年には、スーパーシングル方式の『X-500』を発売。

同モデルは業界初となる27度垂直偏波への対応モデルで、この技術が他社製品にも広く波及し、レーダー探知機の原型となっています。

そして、「レーダー探知機といえばユピテル」を決定づけたのが、1986年に登場した『X-30』です。

自社発明となるスイープオシレータ式ダブルスーパーヘテロダイン方式により、従来品を凌駕する正確さでレーダー信号を識別することに成功。

以降、ユピテルは新技術を次々と開発し、探知機のリーディングカンパニーとして業界を席巻しています。

GPS機能でループコイル式オービスに対応した第2世代

2001年、レーダー探知機に一つの節目がやってきます。

ループコイル式オービスに代表される「レーダーを用いない速度取り締まりシステム」の普及により、これまでのレーダー探知機では検知できない自動取締システムが増えたのです。

そこで登場したのが、レーダー探知機の第2世代となるGPS機能搭載機種でした。

『SGP-20N』は、GPS搭載レーダー探知機の先駆けとなるモデルで、ループコイル式やLHシステムにも対応する音声警告を可能にしています。

ちなみに同機が世界初となる、ソーラータイプのGPSアンテナ一体型モデルで、レーダー探知機に省エネという機能を持ち込んだのもユピテルが初です。

さらに、第2世代のGPS搭載モデルでは、GPSデータの更新サービスをスタート。

液晶画面の精度も高まり、やがてレーダー探知機にビジュアル志向の波が訪れます。

そして2006年に登場した『S22Rmi』では、大型化された液晶画面に100のターゲットをレーダースコープで表示。

レーダーの存在をいち早く、視覚的にも警告してくれるようになっています。

第3世代はマップ機能で情報提供の精度とスピードをアップ

2008年、ユピテルは再レーダー探知機の機能を革新させます。

それが、フルマップ表示機能です。

業界初のマップ機能搭載モデル『FM111Si』のワイドで鮮明な3.0インチTFT液晶は、タッチパネル操作も可能で、第3世代の幕開けを告げるにふさわしい、先進技術目白押しのモデルでした。

ちなみにユピテルはポータブルナビでも1番人気で、地図の精度は折り紙つきです。

その後も、マップ機能をフルに活かし、取り締まりポイントでは業界で唯一、実写警報を表示するというコダワリも発揮。

GPSデーター件数も他を圧倒しています。

そして、2011年に登場した『GWR63sd』では、走行中のエリアで公開されている取り締まり情報をテロップで表示するサービスを開始。

最新ジャイロセンサーで、自車の位置をより正確に捕捉できるようになったことも、このモデルのトピックです。

ターゲットはレーザー式移動オービス。受信性能を革新した第4世代

「探知性能の高さこそすべて」のレーダー探知機は、今も昔も「高性能で高額なものほど売れる」、市場の期待度が高いアイテムです。

そんなユーザーのニーズに応えるべくユピテルは、2019年、レーダー探知機の性能を再びイノベーションします。

それが、「新型レーザー式オービス、新型レーダー(新Kバンド)式オービス」に対応する第4世代製品です。

ここ最近、警察に導入されている最新型オービスは、レーザー光によって速度計測を行います。

そのため、従来のどんなに高感度なレーダー探知機を使っても検知することはできません。

さらに、移動式オービスも使われるようになり、ゲリラ的な取り締まりが行われるため、GPSの位置登録では対応できないことが悩みのタネでした。

そこで、ユピテルはレーザー光に対応する受信モジュールを新たに開発。

こちらももちろん、業界初の取り組みです。

写真の『LS310』は、受信部に「エスフェリックレンズ」を装備することで、受信距離を従来の3倍にパワーアップ!さらに、新Kバンドを用いたレーダー式移動オービスにも対応しています。

今後、「移動式オービスによる速度取り締まり」は生活道路、幹線道路、高速道路など全方位的に強化されていくでしょう。

気をつけていても、ついアクセルを踏みすぎてしまうことは誰しもあるはず。

そんな安全運転を心がけるドライバーの味方として、ユピテルのレーダー探知機が役立ちます。

ユピテルのレーダー探知機開発史を知ることで、リーディングカンパニーである所以が垣間見えたことかと思います。

この歴史と最新技術の研究開発こそが、ユピテルの探知機が確かな信頼と高いシェアを誇る大きな理由になっているのです。

メーカー情報

株式会社ユピテル
〒108-0023 東京都港区芝浦4-12-33
Tel:0120-998-036

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