運転中にパトカーに遭遇すると、安全運転を心がけていてもなぜか緊張してしまいます。もう少しスピードをあげたいけど、パトカーを追い越したら、少しの速度オーバーでも捕まってしまうのではないかと心配になってしまいます。パトカーは、追い越さない方がいいのでしょうか。

掲載日:2019/11/06

出典:写真AC

パトカーを追い抜くと違反をとられる!?

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警察車両を追い抜いたら、速度違反で捕まるのでしょうか?

高速道路や自動車専用道路でパトカー覆面パトカーに追いつくと、追い抜いていいのか迷ってしまうことがあります。

もちろん、一般道や高速道路を走行しているパトカーや覆面パトカーを追い越すだけで、違反をとられることはありません。

追い越す際に明らかに速度オーバーであれば検挙され、違反切符を切られるでしょう。

といっても、普段はいくら法定速度を守っていたとしても周りのクルマの流れに合わせて走行しなくてはいけません。

また、追い抜く時ぐらいは法定速度+αで走行しないと、危険な時もあるかもしれません。

パトカーに対して一般ドライバーのほとんどが共通の意識をもっているせいか、追い抜かずに躊躇しているとパトカーの後ろに隊列ができ、ちょっとした渋滞状態ができあがるので、余計に追い越したくなりますが、それでもパトカーを追い越すには少し勇気が必要です。

注意すべき警察車両は

交通機動隊のパトカー。フロントウインド右下のプレートに『八交機7』と書かれている。/ Photo by Ypy31

注意すべき警察車両は、交通取り締まりを専門にする交通機動隊です。

パトカーのフロントウインドウ右下に『高速28』や『三交機3』といった文字と数字が書かれたプレートがあれば、だいたいが交通機動隊の車両。

もちろん、覆面パトカーや白バイも交通機動隊の取り締まり用車両として使用されています。

https://twitter.com/JioTomi23TIKUGO/status/1190609281285939200

一方で、街中を巡回し不審者や不審車両を見つけて捜査する任務を果たすのが、『自動車警ら隊』です。

特徴は、プレートに『115』といった番号が単体で書かれているパトカーとなります。

ほかにも、『原宿2』など地名と数字の組み合わせは、『所轄署』のパトカーです。

それらは交通機動隊のように、速度違反を主に取り締まることはありませんが、自動車警ら隊や所轄署のパトカーも速度測定と記録装置を搭載しているため、明らかに速度オーバーをしている車両に対しては、追走して検挙することもあります。

制限速度の110%以内なら追い越し可能

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もし、1km/hでもオーバーすれば違反ですが、1km/hオーバーで検挙されることは、まずありえません。

2017年前期の検挙超過速度域の内訳は、15km/h未満が全体の0.0032%です。

そのため、15km/h未満であれば、あまり気にしなくても構わないでしょう。

2017年前期の検挙超過速度域
速度域 検挙数
50km/h以上 8,840件(1.19%)
30~50km/h未満 100,950件(13.62%)
25~30km/h未満 146,433件(19.76%)
20~25km/h未満 256,877件(34.67%)
15~20km/h未満 227,806件(30.75%)
15km/h未満 24件(0.0032%)

15km/h未満の超過速度での検挙数が少ないことには理由があります。

クルマのスピードメーターは、常に正確な速度を表示しているわけではなく、タイヤの摩耗や、ホイール、タイヤのインチアップにより左右されるため、初めから90~106%の誤差は認められているのです。

そのため通常、メーターは実際の速度より高い数字を表示しており、メーター読み100km/hであれば実際のところは92~94km/h前後で走行してることになります。

これはパトカーも同様の誤差のもとで走行しているため、100km/h制限のところでは、メーター読み110km/hぐらいまでが許容範囲といえるでしょう。

しかし、高速道路を走行しているパトカーをメーター読み110km/hで追い抜けば、問題はないとは言い切れません。

追い越しをする時には、速度違反以外の違反にも注意が必要です。

ウインカーを出すタイミングを誤れば進路変更禁止違反

車線変更の際に、ウインカーを出すタイミングを誤ると、取り締まり対象になります。

車線変更時にウインカーを出すのは周囲のクルマに進路変更の意図を伝えるためで、車線変更と同時にウインカーを出すのでは意味がありません。

ウインカーを出さずに車線変更をするのはもってのほか。タイミングを誤れば、合図不履行違反として反則数点1点、反則金6,000円の処分になります。

車線変更をする場合は、車線を変更する3秒ぐらい前にウインカーをだし、追い越し車線に出て加速し、追い越しが終われば再びウインカーを出して走行車線に戻ることが大切です。

長々と追い越し車線を走行すると通行帯違反

パトカーも制限速度ぎりぎりを守って走行しているため、追い越すのであれば制限速度+αの速度が必要です。

そのため、メーター読みで10km/hの誤差となる、パトカーより10km/hはやい速度で追い抜けば、なにも言われないでしょう。

しかし、パトカーを追い越そうとして、早めに車線を変更し、追い越し車線をだらだらと走っていると通行帯違反の対象に!

追い越し時の追い越し車線走行目安は、2km以内とされています。

自分のクルマの後ろにパトカーが追尾していると、なぜかイヤな気持ちになりますが、通行帯違反にならないためにも追い越し車線に入ったあとは追い越し完了後、すみやかに走行車線へ戻りましょう。

まとめ

©フリー素材のぱくたそ

パトカーに対する追い越しは、もちろんルールを守れば違反を取られることはありませんが、やはり一般車のときよりも注意深く行う必要があります。

もし、メーター読み10km/hを軽く超える速度が必要なら、大人しくパトカーの後ろを走る方が無難です。

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