カーロケ対応のレーダー探知機が、最近になってほとんど使えなくなっています。この、カーロケとは、そもそも何なのでしょうか。またカーロケ対応のレーダー探知機が、なぜカーロケに反応しなくなったのかを解説します。

掲載日：2020/03/08

出典：写真AC

もうカーロケ無線識別が役に立たない?

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レーダー探知機の中には、『カーロケ無線識別』と書かれた商品がありますが、現在は、東京を除いた都道府県では、レーダー探知機でカーロケ無線の電波を識別できません。

従来のレーダー探知機では、カーロケ無線を識別して緊急車両が近づいたことを知らせてくれたのですが、古いレーダー探知機だから識別しないというわけではなく、新型のレーダー探知機でもカーロケ無線を識別できず、カーロケ無線識別機能は使用できなくなっているのです。

カーロケとは

出典：イラストAC

カーロケとは、『カーロケーターシステム』の略称で、『無線自動車動態管理システム』とも呼ばれます。

日本の警察が、パトカーなどの警察車両が今どこを走っているのかを把握するために、警察全体に導入されたシステムで、警察車両に搭載されたGPS機能を用いて現在地や進行方向などを警察内で一括管理しているのです。

緊急車両の位置情報等は、警察庁本部のほか各都道府県の警察署のサーバーで全国統一規格により監視されており、カーロケの情報すべてが全国の警察署で共有されています。

そしてカーロケの情報は、無線指令台の地図情報システムといった端末により24時間体制で管理され、事件や事故に対して迅速に対応できるよう365日24時間体制で監視されているのです。

カーロケーターシステムの実用例

© 警察庁

事件や事故が発生したことで110番通報がなされれば、110番通報受付台で受理されて、同時に無線指令台でも通報内容がモニタリングされ、受理・確認がなされます。

無線指令台を監視する警察職員は110番通報をもとに通信指令システムを用いて、110番通報から伝えられた情報を元に、現場から最も近い警察署や交番、パトカーに指令を出し、迅速に初動探査を開始。

©神奈川県警

これにより、事故や事件が起こってもすぐ現場へ警察官が駆け付けることができるため、犯罪が発生し、犯人が逃走した後すぐに警察官が駆け付け、犯人の逃走方向へパトカーやヘリコプター、白バイ、警察船舶などを配備できるなど、陸・海・空のどこでも対応できるのもカーロケの大きな強みです。

警察車両の手配だけでなく情報も共有

カーロケは事故や事件、犯罪現場から最も近い警察車両を初動探査へ配備できるだけでなく、警察車両に搭載されるカーロケナビにより、文字情報や画像情報も表示できます。

警察車両に搭載されたカーロケナビの画面には、Nシステムオービスにより撮影された手配車両の写真からナンバーや車種、容疑者の似顔絵なども表示可能。

さらに、警察のヘリコプターで空から犯人を追跡する際は、位置情報だけでなくヘリコプターから撮られた映像も、指令室などへオンラインで送信できます。

カーロケを通しての情報共有は詳細な内容が即座にやり取りできるため、これらのシステム性能の向上により、犯人の検挙率が年々上昇しているのは事実です。

レーダー探知機検知可能は407MHzの旧カーロケだけ


市販のレーダー探知機の中には、カーロケが搭載されている警察車両が近づくと、ドライバーに知らせてくれる機能があるものも販売されています。

それらはカーロケに使用されている407.725MHzの周波数の電波を検知することで、自車の近くに存在するパトカーを検知できるのです。

しかし、407.725MHzの電波が使用されるのは旧型のカーロケ。

現在は新型のカーロケへ移行され、警視庁管内のパトカーのみ旧型カーロケを使用していることから、警視庁の近くを通ったり、警視庁が保有する一部の車両が接近すれば、レーダー探知機が反応しますが、新型へ完全移行されたという46道府県のカーロケは探知できません。

新型にカーロケを移行した理由は、過去に神奈川県でATMを破壊してお金を盗み出す犯行が行われ、犯人はカーロケの電波を広帯域受信機またはレーダー探知機を用いて警察車両の接近や通過を検知。

検挙を逃れる事件が発生したことで、407.725MHzを検知する装置が犯罪に悪用されていることが表面化したからです。

新型カーロケの受信機は、設計した会社の開発関係者の一部と警察関係者以外に出回ることはないため、レーダー探査機メーカーも新型カーロケについては解析しきれていません。

しかし、現在も警視庁で旧型カーロケが用いられていることから、カーロケ近接受信機能が搭載されたレーダー探知機は販売されていますが、商品の仕様書や梱包箱には注意事項として『※新型カーロケ無線は非対応』と書かれています。

まとめ

出典：写真AC

レーダー探知機のカーロケ無線検知機能により、緊急警察車両の接近を事前に知ることが液、ドライバーは安心して運転をすることが可能となりました。

しかし、建前上は緊急警察車両が接近したときに道を安全にあけられるという謳い文句で販売されていても、実際には法定速を超えた速度域で走行していたり、携帯電話のながら運転やシートベルトを装着していないドライバーが、パトカーが接近した時だけ安全運転に気を付け、違反を回避するという悪用が見られるのも事実です。

新型カーロケが導入された現状では、東京を除きカーロケ検知機能は無意味。

そういった機能に頼らず、普段から安全運転を心がけましょう。

カーロケ対応のレーダー探知機は別の記事でも紹介しているので要チェック！

新型レーザー式オービス対応のSUPER CATがさらに進化!大幅アップした受信性能を取り締まり現場で試す!!

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