近年ではダウンサイジングターボなど、燃費を良くするためにターボを付ける事が当たり前となりましたが、同排気量の自然吸気エンジンとターボエンジン搭載車では、ターボ車の方が燃費が悪くなってしまう事を知っていますか?ここで大切なことは、何故ターボ車は燃費が悪くなるのかということ。そこで今回はターボ車の燃費が悪くなる理由を解説すると同時に、誰でも取り組めるターボ車の燃費を良くする方法を紹介します。

掲載日:2019.7/7

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ターボチャージャーとは

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ターボ車の燃費について知るためには、ターボチャージャーがどのような仕組みで作動しているかを知る必要があります。
ターボチャージャーは、エンジンが動力を生み出す行程で発生した排出ガスを出力・トルクの向上に活用するための装置で、過給機とも呼ばれます。

また、ターボチャージャーはカタツムリの殻みたいな見た目をしていて、コンプレッサーハウジング、センターコア、タービンハウジングという3つの要素で構成されているのが特徴です。
まずエンジンの排出ガスがタービンハウジングへ送られます。

これによってタービンハウジング内にあるタービンホイール(羽根車)が回転。
タービンホイールの回転が、センターコア部にある回転軸やベアリングによってコンプレッサーハウジングのコンプレッサーホイールを回します。

そして、コンプレッサーホイールが回ると空気が圧縮され、通常の吸気では得られない量の空気が強制的に燃焼室へ送り込まれ、燃焼効率が向上。

つまり高出力を得られるという仕組みです。
また、吸気量が増えるのに合わせて燃焼室で噴出される燃料も増加します。

そのため、本来であれば捨てるだけの排出ガスを、高出力を生み出すために効率よく活用しているのが、ターボチャージャーなのです。

ターボ車の燃費が悪いと言われる理由

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排気ガスを再利用し、パワーアップをする……という、一見効率が良さそうなターボ車ですが、比較的、燃費が悪いと言われている理由はなぜなのでしょうか?

タービンによって圧縮された空気は、実は圧縮されていない時よりも熱量が高くなるのです。

熱量の高い空気が燃焼室に送られると、エンジン内部部品が溶け、ノッキングが発生するといったトラブルが起こります。

この対策として、燃料噴出力を増やして冷却を行なっており、結果的に燃料の供給が増え、燃費の悪化につながります。

ターボ車の燃費を向上させる方法。

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また、ターボ車はグイグイとパワーを感じながら、気持ちよく走れるため、ついついアクセルを踏んでしまいがちになってしまうのもまた事実。

タービンのパワーバンドに入ったら、早めにシフトチェンジをするなど、少しの意識で、ターボ車でも、燃費を向上させる方法はあります。

まとめ

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ターボチャージャーを存分に効かせて高出力を生み出すことは、燃費の面を考えると悪影響ですが、NAにはない加速感やパワーは最高です。

ターボ車に乗っている方は、ブーストがかからないようにターボ車を運転し、ペダルワークと燃費運転の練習をしてみてはいかがでしょうか。

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