ギャレット、ボッシュなどのメーカーサービス認定工場として、燃料噴射ポンプとターボチャージャーを専門に修理・リビルトを行っている株式会社 昭和。現在はターボのチューニングにも力を入れているそうです。そんな、進化し続ける老舗リビルト工場の技術とこだわりについて聞いてみました。

 

©️Motorz

 

 

株式会社 昭和 のはじまり。

 

社屋外観  / ©️Motorz

 

1973年に名古屋市昭和区でスタートした株式会社昭和は、今年で創業45年目となる老舗ターボ・燃料噴射システムのリビルト専門工場です。

当時、飛行機好きだった現代表 川上裕之さんのお父さんが飛行機のエンジンに搭載されている過給機(ターボ)に興味を持ち、そのターボ付きの自動車が発売され始めた事をきっかけに、ターボのアフターメンテナンス業務を開始。

同時に、ディーゼルエンジンの燃料システムの修理事業もスタートさせました。

 

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その後、米国ギャレットターボ社の正規代理店(認定工場)契約やドイツのボッシュ社との正規代理店契約を終結するなど、色々な試行錯誤を経て海外メーカーに強いターボ・燃料噴射システムのリビルト専門工場の道を突き進みます。

そして現在は、ボルグワーナー・ターボ社・デルファイ社・スタナダイン社・ハネウェルターボテクノロジー社(Garrett)・GAC社など、世界中のメーカーとのネットワークは日本随一!

海外メーカーの自動車をターゲットにタービンリビルトを行なっていることから、今ではポルシェやアウディなどの外車ディーラーや販売店からのリビルト依頼も来るそうです。

 

老舗ターボ・燃料噴射システムのリビルト専門工場 昭和の歩み

 

代表取締役 川上裕之氏©️Motorz

 

元々の本業としては、ターボの修理とメンテナンス。

基本的に純正で付いていたものが壊れたら直すという業務をメインに請け負う修理工場でした。

しかし、そういうリビルト業務を請け負っている中で、「チューニングはできないか?」という相談を受ける事も度々あり、その都度できる部分で対応していたそうです。

「僕らの仕事はクルマ自体が入ってきて整備するという事ではなく、基本的にクルマ自体は整備工場やディーラーに入り、ターボの部品だけが送られて来るので、それを直しておさめる。

だから、実際にその部品をおさめたクルマが速くなったとかは確認できないんですよ。

お客さんから、速くなったよ!とか聞くんですけど、実際にどんなものかは分からなかった。」

そう話してくれた川上さんでしたが、とあるきっかけがあり自社でタービンをリビルトしたクルマに自分で乗ってみて、リビルト前との速さの違いを体感したそうです。

また、大のクルマ好きである川上さんは、サーキットでの走行イベントに出場するなど、自らもテストドライバーとして腕を磨いている真っ最中で、もっともっと色々な事に挑戦して、タービンの可能性を試していきたいと、目を輝かせました。

 

メーカー正規代理店としての強み

 

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修理工場である昭和には、チューニングベースなどで使用して、故障してしまったタービンの修理依頼が入ります。

そんな時も、メーカー正規代理店契約をしているからこその、コストを抑える選択肢を多数用意しているそうで、

「修理の段階は、壊れていなかったらオーバーホール。

また、サーキットなどでやらかしてしまって壊れたという場合でも、壊れた部分だけを交換。

そして、全部壊れている場合は新品交換となるのですが、例えば丸ごと新品に変えるとしても通常のルートとしては、ディーラーで純正部品を付け替えるというのが普通なんですけど、それだとそれなりの値段がしてしまうんですよね。

だけどうちは、そのターボを作っているメーカーの代理店をしている。

だから、そのターボメーカーから直接その部品を買えるんですよ。

そうすると、非常に安く手に入れる事ができるんです。

モノは純正と全く同じ、ただクルマメーカーのエンブレムが付いていないだけで、例えば純正で買えば70万するものが50万で買えます、ぐらいの安さで買える。

日本では、そういう商売大丈夫なの?ってなる事が多いけど、ヨーロッパやアメリカでは普通の事。

メーカーと直接日本の代理店という契約を結んで、ターボが壊れたとか、アフターメンテナンスはそちらでやって下さいね!という契約まで結んでいるので、全く問題のない正規のルートなんです。」

 

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そう説明してくれると同時に、ボルグワーナー・ターボ社と代理店契約をしている証明書も見せてくれました。

ちなみに現在、日本で同社と代理店契約をしている会社は2社のみで、ディーラーや販売店からも、昭和の技術力の高さとメーカーとの太いパイプを頼りに、修理依頼も来るほどだそう。

「輸入車の純正品で見積もりを出したら、値段を見てお客さんが怒っちゃったとか、古いモデルのクルマが入ってきた時に純正ルートでは部品が手に入らないという場合に、今ついている部品でなんとかなりませんか?っていうリビルト依頼がけっこう来ます。」

ただ正規部品が安く手に入るというだけではなく、創業45年という実績と経験、そしてその技術は正規ディーラーのお墨付きという事です。

 

リビルトだけじゃない!チューニングにも挑戦中

 

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現在、国内のターボチャージャー搭載数で言うと、絶対数が多いのはスズキやダイハツなどの軽自動車。

しかし、昭和が海外メーカーをメインにやってきたのは、自社の強みを最大限に生かす為!

一般的なリビルト業者は数の多い軽自動車を扱う所が多々なのですが、他社には出来ない海外メーカーの特殊なターボに特化するという決断をしたのです。

ただし、同じ軽でもリビルトではなくチューニングは請け負っているそうで、一般的な軽自動車の64馬力を、120馬力にアップさせた実績も!!

 

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そんな特殊なターボのリビルトに取り組むと同時に、チューニングの面白さに目覚めてしまった川上さんは、会社のデモカーとして使っているミニクーパーSに、ジョンクーパーワークス用のターボを搭載。

さらに、タービンの羽根を昭和オリジナルで販売しているものに交換して、実際にサーキットで走ってみる事に。

「ターボしか変えてなくて、それ以外コンピューターも全てノーマル。

それでも十分速かった。ターボだけ変えてもパワーが上がっているのをしっかり感じる事ができました。

ターボ自体も排気はいじらず、吸気側だけをサイズアップしただけで、単純に吸い込む空気量が増えるから、それでパワーが上がってる。

もちろん、排気側はいじってないから、エンジンの特性は変わってないし、乗り心地的にもドッカンみたいなのはなくて立ち上がりからパワーが出るから操作しやすかったです。」

ちなみに、理論上は燃費も良くなるのだとか!

「だけど、走っていると気持ちよくて(アクセルを)踏みたくなってしまうので、結果、燃費はあまり変わらなかったんですよね(笑)。」

という裏話が川上さんの口から溢れ出る程に、終始和やかな取材となりました。

 

運転のプロに聞いた、ノーマルタービンと昭和製リビルトタービンのフィーリング

 

©️Motorz

 

今回の取材では、自社のチューニング技術の高さを実証すべく、SUPER GTなどで活躍するレーシングドライバー 細川慎弥選手に、昭和チューンタービンを搭載したAudi RS3でサーキットを走行してもらい、その感想を聞かせて頂きました。

「純粋にパワー感が出ているという感じで、急激にドッカンのピークが来るとかそういう効き方があるわけではないので、あまり車を知らない人だと比較が難しいかもしれません。

自分はそれなりにエンジンを回したノーマル時のピークを知っているからこそ違いが分かる!というぐらいスムーズにパワーアップしている感覚です。

 

細川選手が試乗したAudi RS3  / ©️Motorz

 

もちろん全く何も知らない素人が乗っても、ノーマル状態と乗り比べる事が出来れば、その差は歴然。

乗ってて乗りにくさが出るとか、ただパワーがでるだけで扱いにくくなるとかは一切なくて、言われなきゃ分からないぐらい自然にパワーアップしています。」

基本的にターボを変えると言っても、昭和のチューニングは大幅なサイズアップをする訳ではないので、パワーがすごく上がるという事もありません。

フィーリング重視でレスポンスも良くなる。だから、一気にドンとくる場所もない。

いい意味で分かりにくいチューニングとなっているそうです。

 

昭和のこだわり

 

左:ボルグワーナー製Audi RS3純正の鋳造タービンブレード、右:昭和製Audi RS3用鍛造タービンブレード / ©️Motorz

 

ブレードの形状が若干異なり、ハイフロー化と軽量化を実現  / ©️Motorz

 

あえてノーマルとの違いが分かりにくいようなタービンを作るなど、ものづくりへの姿勢にこだわりがある昭和。

同社のこだわりを、具体例として今回細川選手に試乗して頂いたAudi RS3のターボで説明すると、元々RS3のタービンブレード(吸気側)はアルミの鋳物が付いているのですが、この部分を鍛造アルミの削りだしで制作し、部品としての耐久性をUPさせました。

この作業は必然的にコストが上がってしまうのですが、耐久性も必ず上がるので、長く使用する事を考えると割安となります。

 

Audi RS3純正のエキゾーストマニホールドとタービン / ©Motorz

 

そしてサイズアップはせず、吸気側のデザインのみを変更。

フィーリングをよくするために、組付け前と組み付け後の2段階で極限までバランスを取っていくのも昭和のこだわりポイント。

ちなみに、ターボというのは回転するものなので、メーカーである程度のバランスは取ってあるそうですが、新品の量産品はある程度のバランスでOKという基準値があり、0まで持っていく必要がないという考え方でチェックされているそうです。

そのため、同社の技術にかかれば新品でもまだバランスの取りシロがあるという状態。

そこをしっかり極限まで落としていけば、さらにレスポンスもよくなり、乗り心地のいい気持ちよく走れるクルマになるそう。

派手にでっかいターボを入れ替えるのではなく、見た目は純正そのままで取り付けも全く問題なし!

極限の速さを追求するレーシングカーでは普通にみんなやっているような、ピストンの重さを揃えるレベルのチューニングを心がけているそうです。

 

会社情報

 

©️Motorz

 

株式会社 昭和

〒466-0856 名古屋市昭和区川名町1-4

TEL:052-751-3493

FAX:052-751-2930

HP:http://www.turbo110.com/

 

まとめ

 

©Motorz

 

創業から現在まで、一般の人向けではなく、プロ向けのBtoBで商売を続けてきたという株式会社昭和。

「今もそうなんですけど、ただユーザーさんに存在を知って欲しい。

そして自分の通っているショップさんに、こんなリビルト会社があるの知ってますか?って逆に指名してくれたらいいなって思うんです。

自分のターボもここでリビルトして欲しいって、修理屋さんとかショップさんにユーザーさんから言ってもらえる存在になりたい。

ユーザーの1人として憧れる、部品やショップってあるじゃないですか?

そういう選択肢の1つになれたらいいな。」

修理やリビルトと言っても、正直、何をやっているのか細部まで理解できるユーザーは少ないと思います。

また、その作業内容や技術に関しても、業者側も言葉にするのは難しい世界。

だからこそ、信頼できるリビルト工場やショップを知り、自分自身で選択する。

その選択肢に、是非SHOWAを追加してみてはいかがでしょうか。

 

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