ピレリスーパー耐久シリーズに参戦中の「冴えカノFineレーシング」。2019年シーズンは、ホンダ シビック タイプR「ST-TCR:108号車」とホンダ フィット「ST-5:168号車」2台のマシーンを投入しています。今回はキャラクターのラッピングが印象的な「冴えカノFineレーシング」の、スーパー耐久ST-TCRクラスに参戦中のホンダ シビック タイプR TCRを徹底的に解剖します!

ラッピングが特徴の「冴えカノFineレーシング」とは?

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「冴えカノFineレーシング」は、チーム「RFCレーシング」として、ピレリスーパー耐久に参戦。

2019年シーズンは、ST-TCRクラスに、ホンダ シビック タイプR TCR、ST-5クラスにホンダ フィットを投入し、耐久レースでしのぎを削っています。

ここでは、ホンダ シビック タイプR TCRを特集します。

通称「S耐」スーパー耐久ST-TCRクラス

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スーパー耐久 ST-TCRクラスは2017年に新設された、TCR規格車両により争われるクラスです。

当初は「ST-R」という名称でしたが、開幕直前にスーパー耐久機構とTCRインターナショナルシリーズのプロモーターとの提携が成立したため、名称変更されました。

ST-TCRクラスは、アウディ RS3、ホンダ シビック タイプR、フォルクスワーゲン ゴルフなど、世界の競合メーカーも参戦するクラス。

なかでもホンダ シビック タイプRは、スーパー耐久のみならずWTCC(世界ツーリングカー選手権)にも参戦する車両です。

スーパー耐久参戦車両とWTCC参戦車両では、どのような違いがあるのでしょうか。

WTCC(世界ツーリングカー選手権)車両との違い

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「冴えカノFineレーシング」のホンダ シビック タイプR TCRは、WTCCに参戦しているホンダ シビック タイプRとの違いは基本的にありません。

しかし、「冴えカノFineレーシング」のホンダ シビック タイプR TCRは、エンデュランスパッケージが装着され、耐久レース仕様になっている点が特徴です。

また、スプリント用と異なる点として、燃料タンクの容量が大きく、ABSが装備されているといった違いもあります。

市販車との違い

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ベースとなる車両は、ホンダ FK型 シビック タイプRです。

TCR仕様となると、オーバーフェンダー、エアロパーツ、ロールバーなど、空力パーツや補強パーツが装着され、走行性能を向上。

搭載されているエンジンは「FK8」と同じ「K20」ですが、ガスケットが変更されています。

ガスケット以外、市販車のエンジンと基本的に同じであることは驚きの事実で、「K20」のポテンシャルの高さを感じることができます。

ちなみに、このホンダ シビック タイプR TCRはボンネットに封印が施され、メカニックでも開くことができません。

オーバーホールをする場合は、製造元であるイタリアのJAS Motorsportsの窓口となっている場所でしかできないそうです。

 

そんなシビックタイプR TCRの価格は1800万円!この価格は、完成されたレーシングカーとしては破格だそうで、「冴えカノFineレーシング」のホンダ シビック タイプRは、エンデュランスパッケージが装着されていることやスペアパーツ代、船代など諸々込みで2400万円ほどするそうです。

ホンダ シビック タイプR TCRスペック

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エンジン

  • エンジン:フロント横置き直列4気筒ターボ K20C1
  • 排気量:1,998 cc
  • 出力:最大350bhp(FIA規則に則る/BoP)
  • バルブ:16バルブ VTEC
  • 潤滑:ウエットサンプ

寸法

  • ホイルベース 2,700 mm
  • 全長 4,549 mm
  • 全幅 1,950 mm
  • 重量 1,285 Kg

トランスミッション

  • ギアボックス スタンダード:SADEV製 セミオートマチックシーケンシャルパドル付き6速
  • オプション:XTRAC製 セミオートマチックシーケンシャルパドル付き6速
  • クラッチ:JAS製 ツインディスク

ブレーキ

  • TM製 前 380×35 / 後 260×9
  • 前 6ポッド / 後 JAS製2ポッド
  • H4:サスペンション
  • 前:マクファーソンストラット
  • 後:マルチリンク
  • ショックアブソーバー オーリンズ製 可変ダンパー

ホイール

  • 前:10”×18” 鍛造アルミ
  • 後:10”×18” 鍛造アルミ

 

「冴えカノ」とは?

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「冴えカノ」の正式名称は、「冴えない彼女の育てかた(さえないヒロインのそだてかた)」で、KADOKAWAから出版されているライトノベルです。

2012年7月から2017年10月まで全13冊、短編集4冊が刊行されました。

2017年3月時点でシリーズ累計発行部数は250万部を突破、その人気は小説にとどまらず、アニメ、漫画、劇場版、ゲームと幅広く展開されています。

まとめ

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全面に「冴えカノ」キャラクターがラッピングされている「冴えカノFineレーシング」のホンダ シビック タイプRは、可愛らしい見た目にも関わらず、高いポテンシャルを秘めたレーシングマシン。

ベストセラーの「冴えカノ」とのコラボによりインパクト抜群なレーシングマシンの活躍を、今後も期待しましょう。

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