フェラーリF1マチックは、ステアリングに設けられたパドルでシフトチェンジをするセミオートマティックトランスミッションです。今でこそ当たり前となったF1マチックの起源は、1986年のF1マシン「Ferrari Tipo 640」まで遡ります。今回は、フェラーリ定番のトランスミッション「F1マチック」の遍歴を見ていきましょう。

出典:https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/sf90-stradale

いまや定番のフェラーリF1マチックとは?

フェラーリF1マチックは、2ペダルマニュアルトランスミッションとも呼ばれるセミオートマティックトランスミッションです。

かつては、シングルクラッチが採用されていましたが、現在はデュアルクラッチとなっています。

F1マチックの構造は、クラッチを介してエンジンの動力をタイヤへ伝達するマニュアルトランスミッションそのものですが、クラッチをペダルで操作する必要はないため、AT限定免許でも運転することが可能です。

F1マチックは、1997年に6速シングルクラッチのF1マチックが初めて市販化され、2008年に7速デュアルクラッチのF1マチックへ進化。2019年には、8速のF1マチックとなりました。

出典:https://magazine.ferrari.com/ja/cars/2020/04/24/news/the-ferrari-automated-gearbox-from-f1-to-ferrari-roma-80845/amp/

F1マチックの起源はF1マシンの「640」

1986年に、F1マシン「Ferrari Tipo 640」に採用されたトランスミッションは、後にF1マチックとなるパドルでシフトチェンジができる自動クラッチのトランスミッションでした。

1989年、自動クラッチトランスミッションを搭載したFerrari Tipo 640は、デビュー戦ブラジルGPで優勝。モータースポーツの最高峰レースを制した自動クラッチトランスミッションは、後にF1トランスミッションの定番となり、市販モデルにも派生していきます。

出典:https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/355-f1-berlinetta

F1マチックを搭載した初めての市販車は「F355」

1997年、自動化されたマニュアルトランスミッションの市販モデルがデビューします。フェラーリ市販車初の自動クラッチトランスミッションは、フェラーリF355に搭載され、「F1マチック」と名づけられました。

また、F355に搭載されたF1マチックは、6速MTモデルと構造が全く同じで、人が足で行うクラッチペダルの操作を、電動油圧式に変えただけの仕様。

2006年のFerrari 599では、新世代となるF1スーパーファストシステムが採用され、シフトチェンジの時間を大幅に短縮することに成功しています。

出典:https://magazine.ferrari.com/ja/cars/2020/04/24/news/the-ferrari-automated-gearbox-from-f1-to-ferrari-roma-80845/amp/

7速デュアルクラッチ化したF1マチック「カリフォルニア(California)」

2008年に登場したカリフォルニア(California)では、F1マチックがデュアルクラッチ化されました。2系統のクラッチを備え、次のギアがスタンバイ状態にあるデュアルクラッチトランスミッションは、素早いシフトチェンジと燃料消費量の削減を実現。

また、ギア段数が1段増えて7速になったことも、環境性能に貢献しています。

以降、フェラーリのバリエーションからマニュアルトランスミッションのラインナップが順次消えていき、2011年にはフェラーリ最後のマニュアルトランスミッション車がラインオフ。フェラーリの市販モデルは、2011年以降全てがオートマティックトランスミッションになりました。

出典:https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/sf90-stradale

8速F1マチックになって失ったもの

2019年に登場したSF90ストラダーレ(SF90 Stradale)では、従来の7速F1マチックよりも小型軽量化がされた上に、ギア段数が1段増えた8速となりました。

さらに、SF90ストラダーレの大きな特徴として、リバースギアが設けられていないことが挙げられます。

その理由は、SF90ストラダーレがPHEV(プラグインハイブリッド)を採用しているためで、車両をバックさせる動力はトルクフルなモーターが担っています。

出典:https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/sf90-stradale


まとめ

フェラーリの2ペダルマニュアルトランスミッション「F1マチック」は、モータースポーツの最高峰であるF1から、その歴史をスタートさせました。

そして1997年に市販化されたF1マチックは、シングルクラッチからデュアルクラッチへ進化し、最新のF1マチックでは段数を増やしてリバースギアが廃されています。

フェラーリのセミオートマティックトランスミッションの「F1マチック」は、時代の変化に合わせて進化を続けてきた、画期的なトランスミッションと言えるでしょう。

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