皆さんこんにちは、レーシングドライバーの根本悠生です。Motorzさんでの連載企画「根本悠生の新たな挑戦!10代最後の夏に、憧れのあの車に乗る!」。第4回の今回は、実際にイタリアGTに参戦して感じた日本のレースとの違いをご紹介します!
初めてのイタリアでのレース、ここまで違うのかと驚くばかりでした!
超豪華なホスピタリティ!ケータリングまで!
まずはパドックエリアからご紹介していきたいと思います!
イタリアGTはラウンド毎に併催レースが異なるのですが、メインレースはGT3車両で行われる”スーパーGT3″と僕が参戦した”スーパーGTカップ”。
どちらも様々な車種が参戦している為、パドックエリアには各メーカーのホスピタリティが設置されています。
その中でも強烈な存在感を放っていたのが、ポルシェのホスピタリティ。
最初に見た時、本気で”常設の建物”だと勘違いしたくらい巨大な建物がパドックエリアにそびえ立っています。
しかも入り口はまさかのICゲート。
潜入取材したかったのですが、入場者を徹底的にコントロールしている為叶いませんでした。
ランボルギーニのウエアを着てたのも原因のひとつでしたかね。
外には話題のポルシェの車…最新車種である”Panamera 4 E-Hybrid“や憧れの車である”911 GT3 RS“などがズラリ。
しかもこれ、試乗車として置いてあるようで、簡単な登録だけでパドック内外を走ることができるそうです!
同じような試乗サービスをBMWやAudiも行っていて、至る所で憧れの車が走り回っていました。
僕も乗ってみたいと思ったのですが、監督に止められてしまったので渋々諦めました…(当然ですね)
そして僕が一番レースウィークにお世話になったケータリング!
イタリアGTのパドックにはチームスタッフ用のケータリングが用意されています。
さすがイタリア、ケータリングのご飯もめちゃめちゃ美味しいんです!
メニューは日替わりなので毎日飽きることもありません。もちろんハムもあります。
各チームが出資してケータリングサービスを呼んでいるようです。日本にも欲しい…。
和食のケータリングなんて素晴らしいと思いませんか?
イン側の更にイン?!縁石は踏むものじゃなくて乗り越えるもの!
僕がイタリアに来て一番驚いたのは、他のドライバーの”タイムに対する貪欲さ“です。
もちろん日本のFIA-F4でも0.001秒を稼ぐためにどうすれば良いのか常に考えてはいるのですが、イタリアではそのタイムの上げ方が少し違います。
例えば第11戦・第12戦が行われたイモラのターン11・12にある縁石の高いシケイン。
普通であれば白線内でいかにスムーズに抜けられるかを考えていくのですが、こっちのドライバーは最初から全力でカット。
白線なんて”そんなのあったの?”といった感じで乗り越えていきます。
ここまでカットすると車は尋常じゃないくらい跳ねるのですが、それを上手く抑えて立ち上がっていくのが本当にヨーロッパのドライバーは上手です。
最初僕はこのコーナーだけで0.5秒も遅れを取っていました。
日本とはまた違った攻め方が新鮮でとても楽しかったです。
コース外でも使えるところは全力で使い切る!
先程のシケインの話にも繋がりますが、シケインの立ち上がりや最終コーナー立ち上がりなど、タイムアップできそうな箇所は結構あります。
こういう所をイタリアのドライバーは見逃さず、必ずと言っていい程使ってきます。
最終コーナーの出口などは0.1秒アクセルオンが早くなるだけで大きくタイムに影響される為、僕も必死で攻めて行きました。
こういう所はペナルティ対象にならないエリアとされているようです。
逆にコース外を使ってほしくないと主催者側が判断している箇所には、最初からギャップが設置されており、縁石に乗れないようになっていました。
使える場所、使えない場所が分かり易くなっていたので安心して攻め切ることができたのです。
まだまだあるイタリアと日本の違い。
次のページには、僕が製作したオーバーテイクの瞬間をまとめた動画と、イタリアGTで一番嬉しかったことをご紹介します。