スーパーGTの2016最終戦が行われるツインリンクもてぎで、来年度から導入される新型のGT500マシンが全車公開され発表会が行われました。すでに8月の鈴鹿1000kmでレクサスがLC500が発表を皮切りに日産、ホンダもマシンを公開。テストも開始されていますが、こうして公の場で3台揃うのは初めてのこと。まだテスト段階なのですが、3車種の細部を比較してみました。

Photo by Tomohiro Yoshita

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2017年車両規定の主な変更点

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DTMとの統一車両規定に変更する形で、2014年に全メーカーのマシンが一新。

そこで登場したのが「レクサスRC F」「ホンダNSX CONCEPT-GT」「日産GT-R NISMO GT500」の3台でした。

いきなり各サーキットでコースレコードを更新し、コーナリングスピードもフォーミュラカーのそれに近づくくらいの速さをみせ、世界最速のツーリングカーとして国内のみならず海外からも注目を集め始めています。

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しかしGTAの坂東正明代表取締役は「いき過ぎたスピード競争が、のちに大きな事故につながるのではないかと懸念していることも事実。規則によってマニファクチャラーやタイヤメーカー、参戦チームの技術深化に歯止めをかけようとは考えておりません。しかし、いまやGT500車両のコーナリングスピードは、異次元の領域に踏み込んでいると言っても過言ではありません」と今回の規定変更の経緯についてコメントしました。

Photo by Tomohiro Yoshita

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これにより、新レギュレーションでは、ダウンフォースは現行車両(14年規定)に比べ約25%削減。

フロントスプリッター、リアディフューザーを縮小した他、リアウイングも富士スピードウェイのレースで導入されている「ロードラッグ仕様」のものが標準でつけられる模様。

また安全性向上でコックピット内に後部隔壁を設けるなど、見た目は同じように見えても、多くの箇所が変更されます。

 

レクサスLC500

Photo by Tomohiro Yoshita

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一足早く、8月の鈴鹿1000kmでお披露目されたLC500。

来年レクサスが発売予定の新型フラッグシップクーペをベースに開発されました。

9月からテストを開始して、ここまですでに3500kmを走破しているとのこと。

しかし、マシンの開発というよりかはダウンフォースが25%減るとどうなるか?という基礎データを取っている段階とのことです。

Photo by Tomohiro Yoshita

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発表会に出席したレクサスの高橋敬三主査は「レクサスの新しいフラッグシップクーペで参戦するので、新たなカッコよさを見せられたらなと思います」とコメントし、LC500の魅力やテストでの状況を伝えていました。

 

ホンダNSX-GT

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ホンダが26年ぶりにフルモデルチェンジしたNSX。

そのコンセプト仕様をベースにして14年規定の車両が参戦してきましたが、来年からは市販モデルをベースにした「NSX-GT」として参戦します。

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レクサスと違って、ベース車両に変わりはないと思われがちですが、市販モデルはかなり進化しているとのこと。

特に空力性能やデザイン性の部分は市販モデルから多く応用されている部分があるとのことで、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長は「量産をベースにした空力性能の高いNSXで、ダウンフォースの25%削減も極力(影響を)潰していきながら、NSX-GTは空力で上回っていくんだという思いで開発しています」とNSX-GTの特徴を語ってくれました。

なおNSX-GTも今季同様にミッドシップレイアウトで、ハイブリッドシステムは非搭載だそうです。

 

日産GT-R NISMO GT500

Photo by Tomohiro Yoshita

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14年規定が導入されてから2年連続でチャンピオンを獲得している日産勢。

来年から導入されるマシンもベースはGT-Rなのですが、市販モデルが大幅に改良され、それをベースにしたマシンが開発されました。

実際にフロントグリルを見ても、2017年バージョンのGT-Rをもとにしたデザインになっているのがわかると思います。

今回の新型マシンについてNISMOの片桐隆夫社長は「ベース車両は同じR35型のGT-Rなのですが、中身を煮詰めて速い・安全なクルマにしていきます。(新型マシンを一言で言うと)深化したGT-Rだと思います」とのこと。

すっかり最強というイメージがついていますが、それをさらに“深化”させたGT-R。来年の開幕ではどんなパフォーマンスを発揮しているのか、注目です。

 

早くも見えた?ダウンフォース25%削減に対する各メーカーの対策

こうして3台が並んで、メディアに公開されるのは初めてなので、外見からで判断できる3車種の違いを探してみました。

フロント部分

レクサスLC500(Photo by Tomohiro Yoshita)

レクサスLC500(Photo by Tomohiro Yoshita)

ホンダNSX-GT(Photo by Tomohiro Yoshita)

ホンダNSX-GT(Photo by Tomohiro Yoshita)

日産GT-R(Photo by Tomohiro Yoshita)

日産GT-R(Photo by Tomohiro Yoshita)

マシンの“顔”にもなるフロントマスク。来年からのダウンフォース削減に伴いフロントスプリッターが縮小されていて、横から見ると、フロント先端とタイヤまでの長さが短くなっているのが特徴です。

会場の都合もあり、完全に同じ角度から撮れたわけではないのですが…LC500が気持ちボンネットの位置が低くなっているように感じました。

また3車種とも市販車を彷彿とさせるグリルデザイン担っているほか、フロント下部のダクト部分も細かくデザインが変更されていますね。

 

サイド部分

レクサスLC500(Photo by Tomohiro Yoshita)

レクサスLC500(Photo by Tomohiro Yoshita)

ホンダNSX-GT(Photo by Tomohiro Yoshita)

ホンダNSX-GT(Photo by Tomohiro Yoshita)

日産GT-R(Photo by Tomohiro Yoshita)

日産GT-R(Photo by Tomohiro Yoshita)

一番違いが見られたのがサイドステップ。GT-Rは14年規定同様に流線的なデザインを取り入れていますが、それもかなり進化されている模様です。

NSXは、細かいウイング状のパーツが多く取り付けられています。

LC500はRC Fのデザインが応用されているようで、フロント部分に入った空気をどう流すかに注力しています。もちろん、RC Fとは微妙に異なったデザインになっていますね。

 

リア部分

レクサスLC500(Photo by Tomohiro Yoshita)

レクサスLC500(Photo by Tomohiro Yoshita)

ホンダNSX-GT(Photo by Tomohiro Yoshita)

ホンダNSX-GT(Photo by Tomohiro Yoshita)

日産GT-R(Photo by Tomohiro Yoshita)

日産GT-R(Photo by Tomohiro Yoshita)

こちらも規定変更により小型化されたリアディフューザー。

しかし、こうして横から見てみると3車種によって若干の違いがありますね。

GT-Rは09規定時代に取り入れた「シャークフィン」を引き続き採用しています。

やはり、どのメーカーも課題となっているのは「ダウンフォース25%削減」。

そのまま削減してしまうのではなく、削減された分をどうやってマシン全体でカバーしていくかを、この冬をかけて対策していくようです。

ここも来年から導入される規定で大きく変わるポイントなので、この冬の間に形状もかなり変わっていく可能性もありそうですね。

 

まとめ

Photo by Tomohiro Yoshita

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なお、今週末開催される2016スーパーGT第3&8戦「MOTEGI GT GRAND FINAL」で、一般公開され近くで写真撮影も可能です。

来年から導入予定のマシンを間近で見られる数少ないチャンス。

しかも、3台ともテスト仕様でカーボン地のマットブラックカラー。滅多に見られるものでもないと思いますので、ぜひチェックしてみてください!

そして、まだ今シーズンは終了していませんが、来年はどのメーカー、どのマシンがこの中で「最速」の座を手にするのか?車両展示の間も、各メーカーの人たちが他のマシンの細部が気になる様子で、興味津々にしている姿も見られました。

早くも、来年のGT500バトルが待ち遠しいですね!

 

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