年々、国内だけでなく海外からも注目度が上がっている全日本スーパーフォーミュラ選手権。昨年のストフェル・バンドーンに続き、今年もGP2チャンピオンのピエール・ガスリーが参戦することになる。しかし、これまでヨーロッパを中心にレースをしてきたため、どんなドライバーなのか?なかなか分からない方も多いはず。先日のホンダ体制発表会での取材も交えて紹介していく。

©︎Tomohiro Yoshita

ピエール・ガスリー プロフィール

生年月日:1996年2月7日

出身:フランス

主な経歴

・2006年 レースデビュー

・2013年 ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0チャンピオン

・2016年 GP2シリーズチャンピオン

・2015年~ F1レッドブル・レーシングのリザーブドライバー

 

 

数多くのドライバーを輩出したレッドブル・ジュニアチームの秘蔵っ子

©︎Red Bull Content Pool

昨年、日本に登場したバンドーンはマクラーレンの以蔵っ子でしたが、今年やってくるガスリーはレッドブルの秘蔵っ子だ。

エナジードリンクのメーカーとして世界的に有名なレッドブル。F1では1990年代からスポンサー活動を開始し、2005年には前身のジャガーを買収しF1チームを発足。

翌2006年にはミナルディを買収しスクーデリア・トロ・ロッソを立ち上げ、レッドブルカラーのマシンが4台登場することになった。

この流れと並行して元F1ドライバーのヘルムート・マルコが未来のF1チャンピオン発掘のためにレッドブル・ジュニアチームを2001年に設立。過去には4年連続ワールドチャンピオンに輝いたセバスチャン・ベッテルを始め、多くの名ドライバーを輩出してきた。

有名なドライバーだと、ヴィタントニオ・リウッツィやセバスチャン・ブエミやブレンドン・ハートレー、ニール・ジャ二もジュニアチーム出身だ。

もちろん、現在F1に参戦しているダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペン、ダニール・クビアト、カルロス・サインツJrもジュニアチームの支援を受けてF1までステップアップしている。

©︎Red Bull Content Pool

そういった強力ドライバーが育ってきたレッドブル・ジュニアチームの中で、今一番勢いに乗っているのがガスリー。

過去のメンバーの中でGP2チャンピオンになったのは彼が初めて。F1へステップアップする第一段階でもあるレッドブルとトロ・ロッソのリザーブドライバー(補欠)も現在務めている。

つまり、彼もスーパーフォーミュラを経てF1へ行く可能性が高いドライバーの1人なのだ。

昨年は途中に不運もあって思うようにポイントを稼げないレースがあったが、通算4勝を挙げて見事チャンピオンを獲得した。

実は、その直後からスーパーフォーミュラへの参戦を視野に入れて様々なチームと交渉し、今回の決定に至ったとのこと。

その間には昨年このレースで戦ったバンドーンや、母国フランスの先輩にあたるロイック・デュバルにも相談して最終決定したそうだ。

 

次のページは、実際にガスリーがどんなドライバーなのか?憧れの選手は誰なのか?彼のコメントとともに詳しく探っていく。