トヨタの活躍で日本でも注目度が高まっているWRC(世界ラリー選手権)。通常は全SSのタイム計測で順位を決めますが、唯一「飛距離」で争われる場所があるんです。それが、ラリー・スウェーデンの名物ジャンピングスポット「コリンズ・クレスト」。今回はこちらをご紹介していきます。

©︎Red Bull Content Pool

名前の由来は「コリン・マクレー」

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スウェーデンのコースにはいくつかジャンピングスポットがあるのですが、その中でも高速セクションで大ジャンプが見られるのが、このコリンズ・クレストです。

ヴァルゴセンのSS内にあるスポットでアクセル全開でジャンプしていくため、ド派手かつ飛距離の出るジャンプが繰り出されます。

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名前の由来は、伝説のラリードライバーであるコリン・マクレーが、かつてここで大ジャンプを披露したことがきっかけで話題となり、2008年からラリーの総合結果とは別に、どれくらい飛んだかを競う部隊として「コリンズ・クレスト賞」ができました。

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実際にここで大ジャンプをしたからといって、そのSSのタイムに繋がるわけではないのですが、ギャラリーもたくさん集まって盛り上がるスポットというのと、何より賞を狙ってド派手なジャンプを見せてくれるドライバーが数多くいます。

今までの過去最長記録は2016年のアイヴィン・ブリニルドセンが記録した45m。その時のスピードは時速165kmだったと言われています。

 

飛距離計測用ラインも登場

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少し分かりづらい部分もありますが、コリンズ・クレストを横から見るとこんな感じ。

ちゃんと飛距離計測用のラインが引かれていて、およそ20m付近から1m間隔でラインが引かれています。

特に今年は記録更新を想定してか、50mを超えたところまでラインが設けられていました。

 

ギャラリーにも、フォトグラファーにも大人気スポット

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もちろん、観客たちも大ジャンプを観ようとギャラリースポットに詰めかけ、今年もこれだけの賑わいになります。

また報道用の写真を撮るフォトグラファーも多数集まるスポット。ラリー・スウェーデンの象徴的な場所にもなっているので、ここでのジャンプシーンを撮影しようというメディアがたくさんいます。

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それだけに、周辺には各企業のスポンサーバナーがびっしり。総合のラリー結果も重要ですが、それと並ぶくらいコリンズ・クレストでのジャンプの瞬間も、重要なシーンなんですね。

 

2017年の戦いはどうなったのか?

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2017年のWRCではSS11とSS14でコリンズ・クレストが登場。ここ2年は前年の記録を上回る大ジャンプが生まれていたため、今年も記録更新かと思われましたが、わずかに届かず。

それでも1mを争う超激戦となりました。

見事勝利したのはマッズ・オストベルグ。昨年の記録に、あと一歩と迫る44m。

2位には最長記録保持者であるアイヴィン・ブリニルドセンで42m。またトヨタのラリードライバー育成プログラムのメンバーで、今回のスポット参戦した勝田貴元も同じ42mを記録しました。

 

コリンズ・クエスト賞:過去ウィナー

2008年:カリド・アルカシミ(36m)

2010年:マリウス・アーセン(37m)

2011年:ケン・ブロック(37m)

2012年:オット・タナク(32m)

2013年:ティエリー・ヌービル(35m)

2014年:ユホ・ハンニネン(36m)

2015年:ティエリー・ヌービル(44m)

2016年:アイヴィン・ブリニルドセン(45m)

2017年:マッズ・オストベルグ(44m)

 

まとめ

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回を重ねるごとに注目度と熱気を増しているコリンズ・クレストでのジャンプバトル。

今年は記録更新とはなりませんでしたが、ここ数年の流れを見ると、50mに到達するような大ジャンプが見られる日が、きそうですね。

 

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