そのリアリティに磨きをかけながら、ゲームの壁を超える挑戦を続ける「グランツーリスモ」。2013年に登場したシリーズ6作目では、メーカーの最新コンセプトカーを「グランツーリスモ」のためにデザインするという前代未聞のプロジェクト「ビジョン・グランツーリスモ」が大きな話題となりました。今回はその魅力的なマシンの中から、「こんなクルマが走るレースが見たい!」と思わせる珠玉のレーシングカーをご紹介したいと思います。

 

「ビジョン・グランツーリスモ」とは?

2013年12月の「グランツーリスモ6」発売に合わせてスタートした、自動車メーカーとの新たなコラボレーション企画が「ビジョン・グランツーリスモ(以下VGT)」と呼ばれるプロジェクトです。

メーカーが描く「GTカー」へのピュアな”ビジョン”が込められたマシンの数々は、各社のデザインチームがメカニカルな部分も含めて開発を行ったものとなっています。

今後登場する新型車のティーザーという意味合いを持ったクルマもあり、VGTで示されたディテールが現実に落とし込まれていく、といったケースも現時点で少なくありません。

技術的に可能でもコスト面で実用化が難しいといったテクノロジーも、VGTならば精度の高いシミュレーションのもと再現が可能…という点も、メーカーが本腰を入れて挑む理由といえるのではないでしょうか。

 

TOYOTA FT-1 ビジョン グランツーリスモ

2014年1月のデトロイトモーターショーで発表されたコンセプトカー「TOYOTA FT-1」をベースに、VGTの為に生まれたオリジナルレースカーです。

デザインはFT-1と同じくトヨタの北米デザインセンター「CALTY DESIGN」が手がけ、マッシブな造形にレースカーとしての徹底的なリアリティが追加されています。

エクステリアにはよりワイドなフェンダーを装着している他、カナードやフラットな形状のチンスポイラー、ウイングやリアディフューザーなど、最新のGT3マシンとよく似たディテールがみられます。

次期スープラのデザイン・スタディという噂もあるFT-1ですが、もしかしたらこれに近い本物をサーキットで見られる日が来るかもしれません。

 

BMW ビジョン グランツーリスモ

「BMW」がVGTの為にデザインしたのは、70年代ツーリングカーの雄として君臨した、その歴史へのオマージュといえるクルマです。
グラマラスなブリスター・フェンダーにセダンのボディラインを残したシルエットは、宿敵ポルシェと死闘を繰り広げた往年のグループ5マシンを彷彿とさせます。

パワーユニットは、BMW Mシリーズの血統と言える「Mツインパワーターボ」直列6気筒エンジンを搭載し549PSを発生。
ミッションはステアリングシフトを備えた6速シーケンシャルが組み合わせられています。
カーボンファイバーを多用した車体重量は僅か1180kgに絞られ、エンジンをフロントアクスル後方に搭載することで前後重量配分50:50の理想値も実現。

その伝統と最新のBMWテクノロジーが結晶した、ぜひとも実現させてほしい一台です。

 

まだまだ登場する夢のクルマたち。

次のページでは、メルセデス・レクサス・マツダなど、たくさんの自動車メーカーの夢のクルマが登場します!