来る6月17日、いよいよスタートを控えた「2017ルマン24時間耐久レース」。昨年のリベンジに燃えるトヨタと名門・ポルシェの一騎打ちを前に、ボルテージは日に日に増すばかりです。今年のインディー500に負けない、歴史が変わる予感がする1戦。どんなマシンとどんなドライバーで競われるのかを知って、歴史的一戦のスタートを迎えてみませんか?

©TOYOTA

ルマン24時間耐久レースとは

©︎TOYOTA

 

「F1モナコ・グランプリ」、「インディ500」と並び、歴史ある世界3大レースのひとつに数えられる「ルマン24時間耐久レース 」。
舞台となるサルト・サーキットは、全長13.629kmにも及ぶロングコースとして知られています。
 スタート&ゴール付近は常設のブガッティサーキットが用いられるものの、そのほとんどがレース期間中のみクローズされる一般公道で構成されているのが大きな特徴です。

©︎Porsche AG

 狭い道幅、長大なストレート、公道ゆえフラットではない路面など、マシンにもドライバーにも極めて過酷なサーキット。
これだけタフなステージを24時間を走りきるマシンを作ることは、もちろん容易ではありません。
予選でどれだけ速くても、最終的には耐久性とメンテナンス性に優れたマシン、そして精神的にタフなドライバーだけが、この伝統の1戦に勝つことが出来るのです。

©︎TOYOTA

さて今年の見どころはなんといっても、ポルシェVSトヨタの再戦…これに尽きるでしょう。
2017年モータースポーツシーンにおいて、最も注目すべき対決といっても過言ではありません。
2016年、優勝目前のトヨタを襲った「”No Power”の悲劇」。ファイナルラップで涙を呑んだトヨタにとって、今年は絶対に負けられない戦いなのです。

テクニカル・レギュレーションまとめ

ルマンは現在、世界耐久選手権(WEC)の1戦としてカレンダーに組み込まれています。(ポイントは通常イベントの2倍付与される)
車両レギュレーションもWECに沿ったものであり、現在は大きく4つのカテゴリーで争われています。

LM P1(ゼッケン:赤)

©︎TOYOTA

事実上のトップカテゴリーであり、2017年はクローズドボディのみ出走可能となっています。
 その中でもトヨタ&ポルシェがエントリーする「LMP1-Hybrid」と、ハイブリッドシステムを持たない「LMP 1 Non-Hybrid」で若干車両規則が異なります。
ちなみにNon-Hybridは、今年はバイコレスレーシングの1台のみエントリー。最低重量が軽いなどの救済措置が与えられています。
車両レギュレーションの要点
車両寸法
全長4650mm以下
全幅1800mm以上1900mm以下
全高1050mm以下
※スーパーGT500マシンより、少し小さい程度。
LM P1 Hybrid
・4ストロークディーゼルorガソリンエンジン(ロータリーエンジン不可)
・排気量・気筒数の制限なし
・ハイブリッドシステム搭載可能
・4WD選択可能
・最低重量875kg
※2017年からはローダウンフォース化を狙い、新たな空力規則(リアディフューザーの縮小など)が追加
LM P1 Non Hybrid
・4ストロークガソリンエンジン(ロータリーエンジン不可)
・排気量5.5L以下・気筒数制限なし
・4WD禁止
・最低重量830kg

LM P2 (ゼッケン:青)

©︎Groupe Renault

 

メーカーの威信をかけた対決がLM P1で展開される一方、このLM P2は”偉大なる草レース”ルマン本来の、プライベートチームによる熾烈な争いが繰り広げられます。
今年からはエンジンがワンメイクとなったことで、更なる混戦が予想されているのです。
シャシーは現在ダラーラ、リジェ、オレカ、ライリーという4社が提供しており、コンストラクター同士のフェアな技術競争の舞台としても盛り上がりを見せています。
車両レギュレーションの要点
車両寸法
全長4750mm以下
全幅1800mm以上1900mm以下
全高1050mm以下
※LM P1より全長が長く設定されている。空力面では有利?
・ギブソン・テクノロジー製 4.2L V8エンジンのワンメイク(600馬力)
・最低重量930kg

LM-GTE Pro (ゼッケン:緑)

出典:http://www.fiawec.com/en/photos-videos/13

 

ルマンに華を添える、市販車ベースのGTマシンたち。
昨年は殆どワークス体制とも言える「フォード GT」が勝利を飾り、彼らが今年も台風の目であることに変わりなさそうです。
しかし、現時点で2戦を消化したWECでは、AFコルセの「フェラーリ488GTE」 とフォード GTが1勝ずつを分け合っているという状況。

©︎Porsche AG

さらに、市販ベースのRR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトを貫いてきたポルシェが、遂にミドシップ化を行ったニューウェポン「911 RSR」も熟成が進んできています。
ポルシェVSフェラーリVSフォードという、かつてのルマン・ウィナーたちが繰り広げるGT頂上決戦。こちらも目が離せないですね。
車両レギュレーションの要点
・市販車ベースのGTカー
・2ドア、2座席または2+2のオープンorクローズドボディ
・4WD,オートマチック,セミオートマチックギアボックス,アクティブサスは禁止

LM-GTE Am (ゼッケン:オレンジ)

出典:http://www.fiawec.com/en/photos-videos/13

基本的なレギュレーションはLM-GTE Proと共通。いわゆるジェントルマン・ドライバーが多数出場するアマチュア向けのクラスです。
前年型以前のマシンでのみ参戦が可能であり、エントリー可能なドライバーにも制限が設けられています(後述のドライバー・カテゴライゼーションで詳しく解説)。

レーサーを格付け!?「ドライバーカテゴライゼーション」とは

©︎TOYOTA

ルマンのクラス分けはマシンだけでなく、ドライバー編成についてもルールが定められています。

すべてのドライバーはプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズという4つのランクに振り分けられていて、クラスごとに参戦可能なドライバーや、組み合わせが異なっているのです。

各クラスのドライバーレギュレーション

LM P1 Hybrid
ブロンズドライバー出走不可
LM P2
最低1名のシルバーorブロンズドライバー必須
LM-GTE Pro
ドライバー制限なし(ゴールド、シルバーのドライバー中心)
LM-GTE Am
ブロンズの選手1名と、ブロンズかシルバーの選手を1名

では、具体的には何を基準に格付けされているのか?下記にまとめてみました。

 

Platinum

F1ドライバー、ルマン及びWECの優勝者、ワークスドライバーなど名実ともに「トップドライバー」

・F1のスーパーライセンスを所持

・ル・マン24時間レースのプロカテゴリー(LMP1/LM-GTE PRO)で優勝経験

・WECのプロカテゴリー(LMP1LM-GTE PRO)で優勝経験

・ワークスドライバーで自動車メーカーから給料が支払われ、相応の結果を残している。

・国際F3000、CART/チャンプカー、インディカー、GP2、全てのFIA世界選手権、グランダムのドライバーポイントで年間トップ5の成績を残した…etc

 

Gold

各国の人気カテゴリーで上位成績を収めているなど、「国内におけるトップドライバー」が中心

・プラチナの条件を満たさないドライバー

・FIAが定める第2カテゴリーのシングルシーターレース(A1GP、GP3、ルノーV6、スーパーリーグ、ユーロカップFR2.0、インディライツ)で年間トップ3に入った。

・国内のシングルシーターレース(F3、FR2.0、アトランティック、ユーロV8シリーズ)で年間トップ3に入った。

・DTM、BTCC、スーパーGT、ポルシェスーパーカップで年間トップ3に入るか、国内ポルシェカレラカップでチャンピオンを獲得した…etc

 

Silver

安定した成績を残す「プロフェッショナル ドライバー」たち

・30歳以下でプラチナ、ゴールドの条件を満たさないドライバー。

・国内選手権、もしくはインターナショナルシリーズで優勝経験がある。

・プロ以外のドライバーの為のシリーズ(フェラーリチャレンジ、マセラティトロフィー、ランボルギーニスーパートロフェオ、ポルシェGT3カップチャレンジ等)、自動車メーカーが運営するワンメイクシングルシーターレースで優勝した経験がある…etc

 

Bronze

まさにいぶし銀。本場のモータースポーツを支える「ジェントルマン・ドライバー」

・30歳以上の時に初めてライセンスを発給され、シングルシーターレースの経験がないか、少ないドライバー。

・以前にシルバーとカテゴライズされていても、レースでタイトル、ポールポジション、優勝経験が30歳以上で無い。

・30歳以前で国際ライセンスを持っていても、1年以上か、年間5戦以上戦っていない。

 

これらのルールは、3人編成のチームで争われる耐久レースならではと言えるでしょう。

 

まとめ

©︎TOYOTA

ルマンのレギュレーション、今回はマシンとドライバーのクラス分けについてご紹介致しました。
今年のルマンはトヨタがスタート&ゴールの無料配信をすることを発表するなど、例年以上の盛り上がりを見せています。
トヨタは3台のマシンそれぞれに日本人選手1名がエントリーしており、先日行われたテストデーでも宿敵ポルシェを圧倒!
インディー500の佐藤琢磨に続き、「日本人が世界3大レースのうち2つを制覇」という、歴史的な瞬間は目前に迫っているのです。
とにかく見逃せない、今年のルマン。時間的に厳しい方も、スタート&ゴールだけはなんとしても見届けましょう…!
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