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シミュレータの活用法は、速く走ることじゃない。
T3R VR Editionは今までのレーシングシミュレータのように使うことだけではなく、もっと一般の人にも使っていただきたいと語る古賀さん。
その裏には、モータースポーツ業界だけではなく、日本の自動車社会を見つめた意図がありました。
古賀さん:まず前提として、シミュレータって、速く走る必要はないのよ。基本的にはセッティングと、確認することぐらいしかしない。このコーナーのギヤは4速だな。ここの縁石はどうやって使えるんだろう?ってチェックするもの。でも、このシミュレータは、そういうレベルの人よりも「F1って乗ったらどんな感じなんだろう?」だったり「縦列駐車が苦手なんです。」といった層の人に使ってもらいたいって考えてる。
編集部:いまシミュレータを使っている層とは違う層ということですか?
古賀さん:そう。例えば、よくクルマをぶつけてしまう人っているでしょ。アレは絶対に目線が悪いのよ。注意するべきポイントを見れていない。けどVRなら、ゴーグルをつけている人の目線をディスプレイで見ることが出来るから、同じモノを見て指摘ができるのよ。これで正しい目線に修正することができれば、車をぶつけてしまう可能性を限りなく減らしていくことが出来る。
編集部:確かに!教習所の教官でも、全く同じ目線で見ることはできないですもんね。
古賀さん:さっきも言ったけど、アセットコルサには首都高のデータがある。それに、他の車を走らせることもできるから「高速道路の合流が苦手」といった人も、実車と限りなく近い環境で練習ができるのよ。高速の入り口から加速して、80km/hで車線に乗る。そのまま高速を巡航して、車間を取って安全に走るためにはどういったことをすればいいのか。このシミュレータで確認できる。
編集部:モータースポーツ好きしか知らなかったシミュレータの認知度と意識が大きく変わることになりますね。
古賀さん:そう。例えば今は、トラックと、タクシーと、トヨタのプリウスのデータを作ってる。これを使えばもっと実用的な練習ができるはずで、トラックみたいな大きな車で峠道を走るなら「その目線の運転じゃ危ないですよ。もっとココを見て、エンジンブレーキ使って下りましょう」という指摘ができることになるのよ。教習所ではどうしても練習できないことをシミュレータだからこそ練習できる。このシミュレータ、T3Rはジョイントさえつければどんなハンドルでも使えるから、プリウスのハンドルをつけて、シートもプリウスのものを着ければ、限りなく実物に近づけて練習ができるよね。
編集部:なるほど。本当に「速く走るための道具」ではなくなってくるんですね。
古賀さん:他人の運転の主観をディスプレイに投影できるということから、VRシミュレータは将来、交通安全に役立てる重要な存在になると思っているよ。
まとめ
モータースポーツ、そして自動車業界の未来に対して、可能性しか感じないVRシミュレータ、T3R VR Edition。
ここから先、どういった形で発展していくのか絶対に目が離せないことは間違いないです。
シミュレータの価格は4,680,000円。高いと思うか安いと思うかは、使い方次第です。
ちなみに、今回はT3R VR Edition専用のトラックで取材を行わせていただきました。
今後街中やイベントなどでこのエンブレムを見かける機会が増えてくると思いますので、要チェックです!
シミュレータT3R公式HP:http://www.t3rs.net/
古賀琢麻公式HP:http://www.takumakoga.com/
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