開幕戦から白熱した戦いが繰り広げられている2018年のF1。先日開催された中国GPでもスタートからチェッカーまで絶えずコース上でバトルが展開され、大盛況のなか幕を閉じました。日本からも近いこの中国GPは現在、欧米諸国のファンも訪れ、すっかりF1カレンダーにも馴染みの深いラウンドになりました!そこで今回は、現地で観る中国GPの魅力をご紹介したいと思います。
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日本から最も行きやすいF1海外ラウンド、中国GP
日本では10月に鈴鹿サーキットでF1日本GPが開催されますが、海外での観戦に憧れるというファンの方も多いのではないでしょうか。
中でも、先日開幕戦が行われたオーストラリアや昨年まで開催されていたマレーシア、さらにナイトレースでお馴染みのシンガポールなどは特に日本からの観光客が多いことで知られています。
しかし、日本からのアクセスを考えると上海で開催される中国GPは、現在F1が開催されているどの国よりもお手軽に海外観戦が楽しめるサーキットと言えるのではないでしょうか。
今回は、実際に行ってみた中国GPの魅力をご紹介していきたいと思います。
中国GPに行きたくなる理由は?また掛かる費用は?
海外でF1を観戦するならばモータースポーツの本場であるヨーロッパに憧れるという方も多いとは思いますが、全21カ国で開催されるため、その開催国によっても雰囲気はかなり異なります。
そのなかでも、開催当初はなかなかモータースポーツ文化が定着しないと言われた中国GPは、近年では14万人を超えるファンが来場する人気ぶり!
現在ではチケットの安さなどのを理由に、欧米やアジア圏から観戦に行く人も多く、今ではアジアを代表するモータースポーツイベントへと成長しています。
そして、レースが行われる上海インターナショナルサーキットは、世界でも珍しい渦巻型コーナーなど他では見られないマシンの動きを見る事ができ、多くのバトルが展開されやすいレイアウトに設計されているのです。
このようにレース展開を面白くする工夫に加え、大都市からのアクセスもいいので観光もしやすいなど、様々な角度からF1だけでなく中国自体を楽しむことが出来る点は中国GPの大きな魅力ではないでしょうか。
ちなみに今回の観戦で掛かった費用は以下の通り!
チケット:約18000円
航空券:約25000円
宿泊費:約15000円
中国GPの観戦に最低限必要になる費用が上記3つとなりますが、その合計は6万円以内におさまっています。
また、F1だけを観に行くのであれば現地での食費なども含めても10万円以内におさめることも可能です。
それでは、より快適に中国GPを楽しむにはどうすればいいのでしょうか。
ご紹介していきたいと思います。
上海インターナショナルサーキットでおススメの席は?
中国GPは他国のグランプリに比べてチケット代が非常に安く、ホームストレートに設置されているグランドスタンド席でも2万円程度で購入可能。
これより安価にピットエリアが見える席から観戦できる事は、現在のF1カレンダーでは他にありません。
さらに手頃な金額でレースを観たいという方にはジェネラルアドミッションという低価格帯のチケットも販売されており、こちらは1万円を切る価格で3日間を楽しむことも出来るのです。
しかし、このジェネラルアドミッションで観戦できる場所にはサーキットビジョンがついておらず、レース状況を把握しにくいことが難点。
F1公式アプリでタイム差などを把握する方法もあるのですが、サーキットにフリーWi-Fiも用意されていないためF1公式ライブタイミングを使用すると通信制限に引っかかってしまう可能性も高くなります。
特にこの中国GPではグランドスタンドとジェネラルアドミッションとの金額差が他グランプリよりも小さいので、駅やイベント会場からの利便性も含めるとグランドスタンドの方がコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
上海へは多くの直行便がある
続いて海外へ渡航するのに必要な、航空券を見ていきましょう。
上海は日本から距離が近いこともあって、航空券は他グランプリを観に行くより安く手に入ります。
航空券は購入時期によって価格変動こそありますが、航空券の安さは日本から中国GPを観に行くうえで大きなメリットではないでしょうか。
また、上海の玄関口である上海浦東国際空港までは直行便も沢山出ているので、選択肢が多いのも嬉しいところ。
上海までは東京から約3時間程度と移動が楽なため、日本から観戦に行く人が多いのも特徴です。
大都市のため宿泊施設は豊富!
海外観戦において重要な宿泊施設ですが、こちらも航空券と同様に多くの選択肢があります。
上海インターナショナルサーキットの目前には上海メトロ11号線の駅があるため、市内中心部のホテルに泊まってもアクセス良好で、市内観光もしやすいので、日中はレースを観戦して夜は市内中心部で食事やショッピングを楽しむことも!!
唯一、市内中心部に宿泊する際のデメリットと言えば、朝の通勤ラッシュで電車が混雑する可能性が高いこと。
上海メトロは利用者数が非常に多く、特に空港からサーキットへ行く際に利用する2号線の周辺は満員電車となることも多い路線です。
それでも、レース観戦と合わせて観光もしたいという方には、中心部に近いエリアのホテルがおススメ!
もちろんサーキット周辺にも宿泊施設はあるのですが、飲食店やスーパーマーケットなどが少なく利便性がかなり低いことが難点。
もし、サーキットまでのアクセスと周辺の利便性を考えるならば、上海サーキット駅から1駅の嘉定新城駅がおススメです。
ここには駅周辺に飲食店やコンビニもあるので、利便性とアクセスの良さを活かすことが出来ると思います。
道中では、一足先に音速の世界を体感
空港に着くと上海インターナショナルサーキットまでは約60kmほどの道のりがあり、上海市内地下鉄で移動するケースが多いのですが、レース好きの方には空港と上海中心部を結ぶリニアモーターカー(通称:マクレブ)での移動をおススメします。
なぜなら、浦東国際空港と市内中心部を結ぶマクレブ(上海のリニアモーターカー)では、F1マシンさながらの時速300kmの世界を体験する事が可能!
その眺めはまるで本物のF1マシンに乗ったかのような速さで、車内からも風を切る音や凄まじい速さで移り変わっていく景色を楽しむことも。
料金は50元(約850円)と上海メトロ(上海市内を結ぶ地下鉄)に比べて高いのですが、レース好きならばサーキットに着く前から音速の世界を体感してみるのも良いのではないでしょうか。
ちなみに上海メトロを乗り継いだ場合はサーキットまで約1時間30分ほどかかってしまいますが、料金は約250円程で空港からアクセス出来ます。
サーキットのイベント会場を楽しむ!
サーキットではグランドスタンド裏にF1ファンゾーンが設置され、スタンド以外の場所でもグランプリを楽しむことが可能。
ここでは、先日の中国GPでの様子をご紹介していきたいと思います。
メルセデスAMG
会場で最も大きなスペースを誇っていたのが、メルセデスAMGブース。
日曜日のドライバーズパレード前にはドライバーアピュアランスが開催され、多くの人で賑わっていました。
開始前にはドライバーズカードと応援フラッグの配布も行われ、熱狂的なファンがまるで奪い合うかのようにスタッフからのプレゼントを受け取る姿も!
このドライバーアピュアランスは毎年恒例のようで、それを目当てに来るファンは早くから場所取りを行い、ドライバーの登場を心待ちにしている姿が多く見られました、
ルノー
続いてご紹介するのはルノーブース。
日本GPではブースそのものが出展されていないことも多いのですが、中国ではメルセデスに負けないくらいの大きなテントで人気を集めていました。
そこでは市販車を展示するスペースも広く取られており、モータースポーツ活動から市販車をアピールする意図も強く感じられます。
アストンマーチン
レッドブルのスポンサーを務めるアストンマーチン。
少し前にはF1参戦を検討しているという報道もありましたが、今回はレッドブルのパートナーとしてF1ファンゾーンにブースを出展。
特にレッドブル・レーシングのロゴが入った特別仕様のカラーリングに、多くの人が足を止めていました。
ピレリF1ピットストップチャレンジ
こちらはF1会場でお馴染みの、タイヤ交換体験コーナー。
テント内のビジョンではランキングが表示される仕組みとなっており、多くの人が上位を目指してタイヤ交換に挑戦!
最近は多くの会場で行われているためか、好タイムを刻む人が増えてきた気がします。
会場を盛り上げるのはブースだけじゃない!
様々な企画でレースを盛り上げる中国GPですが、F1ファンゾーンには少し頭の大きいドライバーたちも登場し、会場を盛り上げていました。
すっかりF1が定着した中国GPではドライバーへの熱量が凄まじく、彼らも次から次へと記念撮影を求められるほどの大人気。
しかし、それ以上に注目を集めていたのは、なんとF1公式(?)ロボット!
このロボットは昨年のロンドンで行われたイベント会場にも現れたようで、今回も中国GPを盛り上げ、そのパフォーマンスに誰もが足を止めるほどの注目を集めていました。
このロボットは目から水を発射してお客さんにかけてみたり、時には優しいメロディに乗せて歌を歌ったりと豊かな表現力で多くの観戦客を楽しませる機能を公開!
なかでもセバスチャン・ベッテルがポールポジションを獲得した後には、フェラーリファンに向かって「パパパパッパ…」とモノマネを披露し笑いを誘うシーンが印象的でした。
市内中心部では今季初のF1ファンイベントが開催!
上海市内中心部にある静安ケリーセンターでは、今年初となるF1ファンイベントも開催されていました。
これは大都市から近い距離にある上海だからこそ実現できたイベントで、オープニングセレモニーには元F1王者のデイモン・ヒルとニコ・ロズベルグが登場。
メインステージでは終始鮮やかな照明と音楽を楽しむことができ、多くのファンがほろ酔い気分でDJタイムを楽しんでいました。
しかし、上海インターナショナルサーキットから静安ケリーセンターまでは地下鉄で約40分。
金曜日に開催されたオープニングセレモニーは午後4時30分開始だったので、フリー走行2回目の終了後からわずか1時間と両方のイベントを楽しむには難しいスケジュールでした。
そのため、サーキットから急いで移動しても、セレモニーを見る事ができなかったファンも多く、来年以降はスケジュールの調整が期待されます。
また、ここでもレーシングシミュレーター体験コーナーが多く見られ、F1の物資輸送を担うDHLのブースでは昨年より始まったF1公認のEスポーツ、Formula1 Esportsが開催されていました。
また、こちらの会場にも見られたメルセデスのブースでは、VRシュミレーターも登場!
小さなスペースでしたが、近未来的な世界観で通る人たちの注目を集めていました。
14年目の中国GP、今や熱狂的なファンもグランプリの主役!?
日曜日にはスタンドを埋めつくすほどのファンが詰めかけ、贔屓のドライバー、チームに熱い声援を送っていました。
今回14回目を迎えた中国GPでしたが熱狂的なファンも多く訪れており、彼らもまた華やかなイベントを盛り上げるに欠かせない存在です。
そんな彼らはスタンドでも次から次へと起こるバトルに白熱し、オーバーテイクには自然と拍手が起こるなど、ドライバーに対するリスペクトはかなりのもの!
また、表彰式では優勝を飾ったダニエル・リカルドが行うシューイ(靴でシャンパンを飲むパフォーマンス)にも大歓声が巻き起こるなど、ドライバーたちのキャラクターも根付き始めているようです。
まとめ
同じアジア圏で開催されるグランプリでも、開催される国によって雰囲気の違いが感じられるF1GP。
レースだけでなく日常生活などで体験する文化の違いなども満喫することにより、一層、海外観戦を堪能することが出来ると思います。
また、近年は開催時期が日本GPと半年空いているので、観戦スケジュ―ルを立てやすいのも魅力。
年に一度の日本GPを心待ちにしている方も多いと思いますが、来年からはF1旅行をもう一つ増やしてみてはいかがでしょうか?
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